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night_stardust  作者: 便座から伸びる手の持つ大きな剣
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伝えたい思い

千早はコックピット、すなわち操縦席に座り、墜落する機体を何処かに不時着させる事を考えた。

これは、自分の為だけではない。

メルと交わした約束の為でもあり、彼女の弟、優輝の命を救う為でもある。

「――厚木、優輝は絶対に私が守る。

彼奴だけは絶対に死なせない。

――それが貴様との約束だからな。」

千早はハンドルを思いっきり引っ張っていた、だが、状況は機体の向きが安定した事以外全く変わらない、不時着できる場所が見つからないのだ。

「くそっ!!

――何処かに不時着できる場所は無いのか!?」

「姉ちゃん!

ここならどう?」

「む?

――これだ!!」

千早は機体を海に向けた、優輝が指した場所、そこは海である。

優輝は千早の物理無視で機体の壁をすり抜け、脱出する方法を思い付いたのだ。

「機体は……

なっ!?

――優輝、海に向かってるぞ?

どう言うことだ。」

「これで良いんだよ、姉ちゃんの特権で脱出するんだ。

――海に飛行機を落とせば被害も無いはず。」

優輝は以外と頭が良い、姉の事を十分考えた脱出方法なのだ。

「そうか、ならば、厚木の体を持ってこい。」

「?

――姉ちゃん、アイツ敵じゃ……」

「このまま奴の体を置き去りにするのは後味が悪いからな。

――分かったなら持ってこい。

命令だ。」

一分後優輝はメルの体を持ってきた。

そして、優輝をおぶって、メルを抱えて、彼女は機体から脱出した。

物理無視、彼女は全身に掛かる重力の重みを消し去り、ふんわりと宙に浮いている。

これを解除したり起動したりを繰り返し約二時間。

千早達は無事に着陸出来た。

「優輝、厚木を病院に運べ。」

千早は優輝に指示を出した。

「うん。」

優輝はメルを病院に運んでいった。

「さて、行くか。」

杏里の元へ、千早は向かった。



さて、千早vsメルの一戦が行われていた時間、侖はヒカリの元に居た。

「侖君?

――どうしたの?」

ヒカリの問に対して

「お前に伝えたい事が有るからな、だからここに来た。」

「うん?」

ヒカリは首を傾げて話を聞く。

「俺には既に死んでいるが妹が居た。

そいつの名前は(アイ)

――茅場 愛、それが俺の妹の名前だ。

愛が死んだ日に、俺は全てを失ったんだ。

――だがヒカリ、お前は愛に良く似ている、アイツの面影を感じるんだ。」

侖は自分の妹の事を少し話すと……

「――何が言いたいの?

侖君?」

ヒカリが喋る。

「お前と居ると何だか、幸せになれるんだ、これが何なのか、お前に今会って分かった!

――今の俺はお前が全てだ、お前が大好きだ!

だからヒカリ、俺の女になれ。」

侖はヒカリに自分の思いを伝えた、そう、所謂告白なのだ、ヒカリは顔を赤くして

「えっ!?」

驚いていた。

ヒカリは突然の告白に戸惑いを隠せなかったのだ。

「答えは今じゃ無くて良い。

お前の気持ちが纏まった時、伝えてくれ。」

「き……聞くけど……何で、今、告白したの?」

ヒカリが聞けば侖はこう答える。

「今、伝えねぇと後で後悔するからな。

――後悔したまま生涯を終えるのが嫌だ。

たったそれだけだぜ。」

「うん……

でも、今答えは出せない……」

「纏まったらで良いぜ。

俺はお前に思いを伝えられて良かったって思ってる。

――じゃあ、俺は行くぜ。」

侖はあの公園に向かった、そう、今日が、約束の日なのだ。

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