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night_stardust  作者: 便座から伸びる手の持つ大きな剣
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生け贄

「例えば誰か一人の命と引き換えに世界を救えるとして、君は名乗り出るかい?」

あのあと葵はヒカリを自分の部屋に入れて、ヒカリにこう問う。

「…無理だよ…」

「少し迷ったね。

僕なら誰かが名乗り出るのを待ってるだけの男さ。

むしろこれで迷わず頷けるやつのほうが可笑しいって僕は考えるよ。」

葵は笑いながら話す、幸せそうな表情である。

葵にとってヒカリと居ることが幸せ、とのことだがヒカリはどうなのだろう?

彼女には二人の少年がいる。

一人は光凪 葵

もう一人は茅場 侖

今の彼女に好意を寄せてる少年が今の彼女を支えるのだ。

「(私、葵君と侖君、どっちが好きなんだろう…

分からないよ、分からない、だって、どっちも同じくらい好きなんだもん…

選べない…

私はどっちを取れば…)」

ヒカリは二人の事が好きである。

故に選べない。

彼女は、今、どちらかを選べないが故に、後に後悔するのかも知れない。

しかも、1つの蜂の巣を見てしまった事が原因で、ちょっぴり傷付いている。

「何でお兄ちゃんは…

あんなことを…」

「仕方ないよ。

僕は事情を知っているんだ。」

葵はヒカルがヒカリを殺されたと勘違いしてしまった事や黒虎の件等を全て話した。

「お兄ちゃんが黒虎に関与してるのは知ってたけど…

そこまで奥があるなんて…

知らなかったよ。」

「でも、約束する、僕は君を守るから。

絶対に…」

葵はヒカリに微笑みを向けた。

でも葵はまだ告白する決心がつかない、ヒカルに言われた言葉の意味をうまく理解できていないからなのか、単に恥ずかしいだけなのか、それは誰にも分からない。

恋愛感情は複雑な物で、時に人を壊す事もある。

まるで意味がわからんぞ!!


そんな二人の事は置いておいて、ヒカルはあざみ野に帰還した後、パソコンをいじっていた。

彼はニコニコやつべに一才興味を持たず、ただ自分の研究に一生懸命に打ち込んでいる。

そんな彼は右腕の義手を作った後にコンピューターの高度なAIを造る事を考えていた。

それは、あらゆるデータベースから、人格を構成できる人工知能であり、それを作り出すのが彼にとっての最大にして最高なる目標なのだ。

「…(母さん…

僕は父親に裏切られてから数年経ちました。

貴方は義手になった今の僕を受け入れてくれますか?

僕はそれを知りたいです。

ですから、この人工知能は必ず完成させて見せます。

天国から見ててください。)」

星影兄弟の母親はヒカリが一歳の頃に死亡している。

父親がその件には関わっていないが、ヒカル曰く父親はその時から可笑しくなったらしい。

「動作テストを始める。

プログラム起動…」

起動は上手くいった、しかし、問題がある。

「またネットワークへの接続に失敗…

後はこの問題だけなのに。

千早さんや優輝、さらには亜澄さんや伊東等の人格構成プログラムは正常に動作しているのを確認してるのに。

これじゃ…

お母さんに電脳的とはいえ…

会えない…」

ヒカルは母親とまた会話したい、と、思っている。

彼にとっての目標なのだ。

母親の人格構成はネットワークの何処かに有ることをヒカルは知っている、と、言うより自分で記録した場所があるらしい。

それはヒカルだけの秘密で、ヒカルしか知らない。

「(これが出来たら…

あれ、に組み込んで見るか。

フフフ…)」

ヒカルは少し笑みを浮かべるが、それには狂気が出ていた…

だが、そんなヒカルとは別に東日本に危機が訪れて居ることは誰も知らない。

いや

西日本に一人だけ居る、黒虎の神官の謎の男だけが…

「ふむ…

皇が敗れたか…

エンジェル様への生け贄がまた一人増えたわ…

ククク…」

その男、皇が敗れた事を知ったが全く怒りの様子がない。

寧ろ生け贄が増えた事による喜びの方が大きいようだ。

「そう言えば、厚木、茅場、仮面、あの三人が強き魂の生け贄候補を見つけたらしいが、それはどんな輩なのだ?

まあ良い、いずれ大天使の結界が発動すれば解ることだ…

さて…

そろそろ天使の欠片が西日本全域に散らばった頃合いだ…

始めよう…

神に捧げる祈りの儀式を…。」

そう言って男は祭壇へと向かい、とある呪文を唱え始めた。

呪文の内容は非常に胡散臭い感じだが、ちゃんとした呪文である。

そして最後に

「我が神の力を授かりし欠片を拾った者達よ…

我等が神の生け贄となるが良い…

ハァー!!」

突如男を中心とした渦が表れ、そこから白い光を放った。

そして光は散らばって行った…


西日本の何処かで


「じゃあね~」

「ばいばーい。」

少年が遊びから帰る時…

「なあにこれぇ?」

白光りする石を拾った

「綺麗な石だなぁ…」 少年がうっとりしていた次の瞬間である。

突如白い光が飛んできて少年を貫き石に直撃した。

「うわああああああ」

少年はそのまま意識を失った、いや、正しくは魂を抜かれたのだ。

こんなん風に魂を抜かれる現象が西日本のあちこちで発生しているのだ。

「申し上げます!

総帥!

西日本の人達が魂を抜かれたような状態の人が続出しております!!」

「…え?

もう一回言ってよ…

よく聞こえなかった…」

「ry」

「ほっといた結果こうなっちゃったんだね。

仕方ない…

チハ姉に繋げて、あの人に協力を要請したい。」

「了解致しました!」

今、黒虎の事を問題視した人、それは西日本の最高権力者、つまり、西日本では総帥という立場に有る少年、彼は中性的で可愛い子供のような外見をしているが19であり、名前は霧生(キリュウ) 杏里(アンリ)である。

そして…

「もしもし?

杏里か…

私に何の用だ?」

「大変なんだ!

今から出来るだけ速く西日本に来て!

お願い!

話したいことが有るんだ!!」

「貴様のような凡骨がか?

無理だ…

正当な理由を言えない貴様にはな。」

「黒虎の事でも?

詳しいことは来てくれれば解るから、お願い!

速く来てください!

オナシャス!!」

「移動手段が有ればな…

プライベートジェットの修理(製作)が終わり次第向かおう。

右腕にもすぐに向かうように伝える。」

「お願いだよ!!」

連絡は切れた。

「すぐにヒカル君に伝えねばな。」

そう言って千早はヒカルに電話を繋げて、この事を話した。

「うん、わかったよ。

すぐに僕は向かうよ。」

ヒカルは承諾した。


一方その頃

「やっと出来た。

千早さんのプライベートジェット。

でも、何に使用するのかしら?」

瑠奈はジェット機を完成させた。

意外と早い時間だった、彼女はその報告に向かうのだった。

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