俺様、天使様様、元悪魔様様様。
ああ、高いな。流石40階建て。
俺はこんなに高いビルの会社の社員やってたのか。
ちょっとの優越感と名残惜しさ。
けどもう、世間に疲れた。
仕事も、人間関係も、俺の人生も、ここで終わりにしよう。
遺書、書いた。
靴、脱いだ。
これで飛び降り自殺の様式に乗っ取って死ねる。
そう、この柵を越えれば、楽になれる。
今世の皆様、さようなら。
ジェットコースターに乗っても得られないほどの、重力。
地面の人々が俺を仰いでいる?
何でだ?バレたのか?
いや、何だあれは?
人がビルを垂直に走ってきてるのか?!
目付きの悪い奴が、俺のことめっちゃ見てる!
ってか、俺に向かって何か言ってるのか?!
「ふざけんじゃねぇぞ!人類の若人!貴重な若い命が自殺なんてすんじゃねぇ!」
「うるせぇ!黙ってろぉ!」
だが次の瞬間、俺の目の前が真っ暗になった。
地面に到達したからではなく、ビルをのぼってきた奴に顔面を掴まれた。そして…
「あ・ほ・ん・だ・らぁぁぁあ!っしょい!!!」
背中に強い衝撃、痛い、たぶん会社の窓ガラスを割った。
ただ、まだ地獄に行けたわけではないようだ。目の前に思い人の誠さんがたっているがら。
あ、もっちょい向こう行けばスカートの中見えそう。
「おい」
煩いな、邪魔すんなよ。
…おかしいなぁ、体が動かねぇ…
「おい、こんぐらいで半身幽体離脱してんじゃねぇよ。どんだけタマ小せぇんだ?寧ろついてないのか?落っことしたんなら、三分やるから拾って付けてこい?まぁ、若者のタマが地上の野次馬に踏み潰されてなければの話だがな。」
俺の視界にひょいと入って来たのは、黒髪のキツイつり目の顔、眉間にシワがよりっている。そう、一言で言うならばチンピラとかヤクザ顔、泣く子も黙る鬼の顔。もう一センチも近づかないてほしい、正直言おう、顔が怖いです。死にそうなほど怖いです。
「まぁ安心しろ、半身幽体離脱ならマニュアルに則って魂戻して生かさないとな。運が良かったな若者。」
まるで魔法少女が振るうような謎の棒を懐から取りだしたヤクザ顔は、立ち上がり俺に向かって棒を降り下ろした。
「ただ、地獄へまだいけないなんて、かわいそうだがなぁ若人?」
俺の意識は痛みにより、ブラックアウトした。
次に目が覚めると、知らない天井。病院の一室。
「よう若人。」
俺の顔を覗き込むのは、身内でも医者でもなく記憶に新しい、恐ろしい顔。
俺は、地獄の悪魔に会いにいった、筈だった。
けど目の前に現れた奴は、白い羽を悪魔の翼に散りばめていて
「紹介が遅れたな。俺様は天使だ。」
と言い放った。
「嘘だろ?だって明らかにアンタ、顔は怖いし、黒のスカジャンとか天使らしくないし、白い羽でカモフラージュしてるつもりなんだろうが悪魔の翼隠しきれてないし、…悪魔だろ?」
って本音を言ってやったら、笑顔で叩かれた。
「ふぅ………紹介が遅れたな。」
「え?take2?」
「俺様は派遣の天使様様様…様だ!様は必ず3つ以上付けろ。良いな?じゃなきゃ、職務放っぽってでも地獄に引きずり込んでやるからな?」
「明らかに天使じゃない。」って言いたいがテンドンは勘弁だ。
【次回予告!】
自殺志願者の俺の目の前に現れたのは、天使の肩書きを持った悪魔だった!
地上と天界が手を組んで天使事業始めるとか言い出すし、天界に天使が不足してるとか、俺が知るか!
…あ?全部あの悪魔…ゲフンゲフンサーセン…天使様様様が原因って何事だよ!?
次回!俺様、天使様様、元悪魔様様様。
「羽毛布団最高☆」期待しないでね。
続編なんて期待しちゃ駄目ですよ☆
むしろ、誰かいじくり倒してやってほしいです。