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Produce!  作者: ninety3
2/2

2

始業式全日程が終わり、今は帰りのST中。



俺は退屈で何度も聞いた担任の声を聞き流していた。



気がつけば、STは終わり後は帰るだけ…いや、瀬尾の告白を見届けなければならないな。



瀬尾を呼びに席を立ったら、瀬尾が教室に入ってきた。



顔がかなり強張っていた。



俺は面白そうだったから、あえて声をかけなかった。



人の恋路ほど面白いものはない。



「みみみみ、御陵さん。ちょっといいかな?」



おおー、ナイスどもり。



「…えっとなにかよう?」



御陵はぶっきらぼうに言った。



「ここじゃ話し難いから南階段へ来てくれないかな?」



ほほう、よく考えたじゃないか。



南階段はあまり使わないため人がまったくこない。



いわゆる告白スポットなわけだ。



成功率は6割らしい。



…誰が計算したんだか。



御陵はゆっくり頷くと瀬尾と一緒に教室を出た。



俺は着いて行かず、階段の様子が見える場所へ移動した。






さてさてどうなってるんだ。



おお!瀬尾がなんか話してる。



身振り手振りを加えながら必死にやってるな。



んでその告白らしきものに御陵は…



頭を下げた。



瀬尾は何か叫んでる。



ちょっと近くまで行ってみよう。






「どうしてかな?理由を聞きたいんだけど」



瀬尾が言った。



「私恋人よりも今は……友達が欲しいの」



「俺は恋人がいいの!ああもういいよ……やっぱり無理だった」



瀬尾は御陵に背を向けながら去っていった。



可哀相に。



「ちょっと、さっきのは無いんじゃないのか。あれは勇気を出していったあいつが報われないじゃないか」



俺は彼女に話しかけた。



「見てたのですか。貴方のほうこそ良くないんじゃないんですか?人の告白現場を覗くなんて」



毅然とした態度で答えてきた。



それが少し頭にきた。



「偶然通りかかっただけだ。別に悪いとは思っていない。なあお前どうすんだよ?またお前の株が下がっていくぞ。今度は恋愛もしない、男を振りまくってる悪女ってレッテル貼られるぞ。」



「別にどうでもいいわ、そんなの」



「……お前なあ~そんなのだから友達いな



「そんなのわかってるわよ!あなたに言われなくても!」



ぶっきらぼうだった彼女がいきなり怒鳴りだした。



よく聞くと涙声だった。


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