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過労死転生した最強悪役令嬢、追放されチートで聖獣とスローライフしてたら冷徹公爵に溺愛された件  作者: 限界まで足掻いた人生
第2章:現実世界侵攻 編

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第88話 忠犬の到着と、廃墟からの創業宣言

瓦礫の山で一息ついていた私たちの耳に、風を切る音が聞こえた。 遠くから、銀色の流星が近づいてくる。 いや、流星ではない。 月光のように輝く毛並みをなびかせた、巨大な銀狼だ。


『ワオオオオオオオン!!』


その遠吠えを聞いた瞬間、私の顔が綻んだ。


シロ……じゃなくて、リュカ!


『クゥ~ン!(お姉ちゃん!)』


巨大なフェンリルが、ブレーキもかけずに私に向かって飛び込んでくる。 普通なら恐怖で腰を抜かす光景だが、私には分かっていた。 彼は、私を傷つけない。


もふっ。


リュカは私の直前で急減速し、その巨大な頭を私の胸に押し付けた。 勢い余って尻餅をついたが、その衝撃すらも彼のフカフカの胸毛が吸収してくれる。


よかった……無事だったのね、リュカ。 また大きくなった?


私は彼の鼻先を撫で回す。 極上の手触り。戦いの疲れが一瞬で吹き飛ぶ癒やし効果。 リュカは私の黒く焦げた右腕を見ると、悲しげに「クゥン」と鳴き、ペロペロと舐めようとした。


平気よ。これは勲章みたいなものだから。 それより、よく来てくれたわね。


リュカの背中から、サキョウと救護班が降りてきた。 彼らは巨大な狼の背に乗っていたことにまだ震えていたが、私の無事を確認すると表情を緩めた。


コーデリア大臣……いや、今は社長と呼ぶべきか。 ご無事で何よりだ。街はリュカ君が守ってくれたよ。


ええ、見えていたわ。最高の仕事ぶりだった。 サキョウさん、状況は?


最悪かつ、最高だ。 サキョウが眼鏡を直しながら、周囲の光景――墜落したアヴァロンと、融合し始めた現実の瓦礫を見渡した。 世界は滅茶苦茶だ。空は割れ、得体の知れない物体が降ってくる。 だが……旧体制(総理)は消えた。我々は自由だ。


そうね。 私はリュカの毛並みに顔を埋めたまま、立ち上がった。 そして、半壊した白亜の城――かつての神の居城を見上げた。


ここを、新本社にするわ。


は? イグニスが目を丸くする。 おいおい社長、こんな事故物件にか? 天井も抜けてるし、半分地面にめり込んでるぞ。


だからいいのよ。 ここには、地下帝国にはない「最新鋭の設備サーバー」と、現実世界の「資材」が山ほどある。 それに……彼らを治すには、ここの医療ポッドが必要なの。


私は懐の「青い宝石ライオネル」と「回路トリスタンたち」を握りしめた。


やるわよ。 株式会社ユグドラシル、第二創業期。 最初の事業は……「本店リノベーション」と「社員の蘇生」よ!


私の号令に、全員が笑った。


了解だ! 現場監督の腕が鳴るぜ! イグニスが瓦礫から鉄骨を引き抜く。


警備はお任せを。ワンオペでも回してみせます。 アーサーが剣を振るう。


資材調達に行ってきます。空から降ってきた「コンビニ」とかいう建物、使えそうな食料がありましたよ。 ランスロットが駆け出す。


そしてリュカ。 あなたは私の側で、温かい暖房器具になってちょうだい。


『ワン!(任せて!)』


リュカが尻尾をブンブンと振る。


私たちは廃墟と化したアヴァロンの内部へと足を踏み入れた。 目指すは、奇跡的に無傷で残っていた「第3医療区画」。 そこにある培養カプセルこそが、ライオネルと騎士たちを現世に呼び戻すための揺り籠だ。


待っていて。 もうすぐ、長い悪夢が終わる。

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