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俺には謎が多すぎだ。
此処に連れてこられた理由は分かったが、それなら地球のどこかで会うだけで良かったのではないだろうか。。。
それもとても気になる。
「じゃあ、どうして地球上で合わなかったんですか? その資料が必要なら俺が宇宙まで来る必要はなかったんじゃ?」
「それが、ノウの話では最初に連絡をとれたものと協力しなければザータナを守ることができないと言う。 だがあの二人はもうこの世の者では無くなてしまった・・・。そのことをノウにも伝えた。すると彼女は『あの二人と血縁関係のある者ならほかの人物でもできる』と言ってきたんだ。」
あの二人と血縁関係をもつ者。それが俺だということか・・・?
「今君が推測した通りだ。あの二人、結城 章(ゆうき しょう)と結城 愛(ゆうき めぐ)と血縁関係にある人物は真くんしかいない。 妹さんも御両親と一緒に・・・そうだろ?」
あぁ、確かに妹もいたが父さんと母さんと一緒に事故に遭ったんだ・・・。
「あぁ。」
「だから君にもついてきてもらうことになった。君一人ではザータナへは行けない。そこで我々が君をザータナへ連れていく。ザータナを救うことができれば、我々の研究も大きな進歩を遂げることができるだろう。そうなれば地球のためにもなるからな。」
やはりそれが目的だったか。でも俺もザータナに行ってみたいとは思う。何より父さんと母さんが行ってきたことを無駄にはしたくない。
俺がザータナを助けることができたら二人とも喜んでくれるだろう。いつかこうなることを予想し俺にあの資料を託してくれたのだし。
「勝手に連れてこさせてしまい申し訳ないと思っている。だが君の協力が必要なんだ。改めて頼む。我々と一緒に来てくれないか?」
来てくれと言われても断るという選択肢は用意されていないし、行くしかないだろう。
「どうせ行くしかないんだ。父さんと母さんのためにも行ってやろうじゃないか。」
「ありがとう。もしこれから先真くんに何かあったらその時は必ず守る。約束する。」
「分かった。」
「話は以上だ。あとは星に着くまで自由にしていてくれ。何かあったら言ってくれればいい。」
「じゃあ、その本貸してくれないか?資料と一緒に読んでおきたいんだ。」
「あぁ、貸そう。できれば君が持っている資料を貸してほしい。もちろん君が読んだ後でだ。」
ここまで現実味を帯びた話を聞いたんだ。親とも関係しているし、貸しても問題の起きる可能性は極めて低いと考えていいだろう。
「わかった。じゃあ読み終わったら貸すよ。もう部屋に戻って良いか?」
「そうだな。じゃあゆっくりすると良い。」
そう言って本を渡された。 受け取った俺はこの部屋(これからはリビングと呼ぶことにしよう)から出て自分の部屋に戻った。
今日はとても重要な話を聞けたな。これである程度の内容は把握できるだろう。
俺は早速机に向かい本を開いた。 表紙は茶色、いかにも歴史が綴られている古い感じだ。中は横書き、
とても細かく、挿絵も書いてある。