独立しないほうがよかったね
「資本金の半分以上を食いつぶした。」
ネタとしか思えないプレスリリースがネットニュースに載っていた。
ある意味、常軌を逸しているネットサービスの記事を見かけたのはいつのことだったろうか。あまりのアレっぷり(自粛)に私は、そのサービスに登録した。
コミュニケーションなんだけどコミュニケーションじゃないサービス。常に逆張りの運営。広告と中途で追加された課金システム。たびたび止まるサービス。
ただ。
アイディアを形にするセンスは良かったが、経営のセンスはなかった。ように思う。
いくつかのネタのような新事業がリリースされた。
形になって、客がついて、売れた事業もマネジメントバイアウトされた事業もあった。
経営陣(CFO)が増えた。資本金も増えた。
ネットサービスには正気を疑う新機能も追加された。
そして。
祖業のネットサービス停止が発表された。
停止までの期間を、私たちは過ごして、そして。
サポート企業がついた。金銭なのか、技術なのか。とりあえず、サービスは延命する。
再開した。
停止した。
サーバーがクラッシュした。復旧は無理、と。
え”?
バックアップがなかったのか、消されていたのか。それとも。
消したのか。消した、な。
難民はTwitterに流れ、やがて少しずつ散っていく。
しばらく後。
懐かしんでも後継サービスはリリースされない。
運営会社のサイトが消えた。
マネジメントバイアウトした別事業の会社は、生きていた。
しかしそこの運営者は元副社長と元CFOの2人。あれ?元社長は?。
逮捕されていた。
出身の広告代理店の先輩と組んで業務上横領の片棒を担ぎ、逮捕されたのだ。
遊興費に使った、と報じられていた。
遊興費に使ったのか会社の運営費に使ったのか、真実はわからない。
インターネットサービス業ではなく広告業として、会社は、消えた。
旅は、終わった。むしろ旅立ってはいけなかったのだ。