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ツン騎士シリーズ

侯爵家令嬢の独白と。

作者: たかやす

 私、侯爵家令嬢のバーバラと申しますわ。私の家は五大侯爵家の内の一つに数えられまして、それなりの地位と責任がございます。庶民の皆様方からの収穫や税収で生活をし、そのかわりに彼らの生活を支え守ることが我等貴族たる者の務めと学んでおります。私は長子ではございませんので、領地経営や夜会などの社交はそれほど真剣には取り組んでいませ……ございません。お兄様方やお姉様方がおりますから。私の務めと致しましては、侯爵家に恥ずかしくない教養と知識を学び、いずれかは家のため良縁を結ぶことですの……ございます。お兄様方やお姉様方は好きな人ができたらその人と結ばれなさい、障りがあれば解決するからいいなさいとお優しい言葉をかけてくださいますの。侯爵家の人間たるもの、やはり身分にふさわしい知識と教養、矜恃をもつべきものと考えますわ。


 良縁はお父様やお母様、お兄様方、お姉様方にお願いはしていますが、やはり自分でも、と探しましたのよ。そうしましたら、運命の出会いがございました!ですが、その方の身分は残念なことに庶民でしたのよ。侯爵家令嬢としては庶民と結婚するわけには参りませんわ。身分が釣り合いませんもの。皆様もそう思いでしょう?相手の方にも失礼ですし、私の相手は荷が重いと思いますのよ。ですが、私はその方に大変な借りがございますの!それは一生かかっても返せるかわからないのですわ。そして私はですね、その借りを一生をかけても返してみせると誓いましたの。借りは返さなくては侯爵家の面目丸潰れですもの。お兄様方やお姉様方に相談いたしましたの。そうしたら、一生かかってでも返さないとだめだ、と言われましたの。何があったかは私の恥ですので、お伝えすることができませんの。わかるでしょ?


 ただその庶民の方はですわね、そう、例えるなら懐の深いお方ね。ええ、そうね。お顔はまあ、まあ、悪くはないわね。蒼く深みのある瞳をしているわ。まあ、そうね。いつもその瞳を見ていると何故か熱っぽくなってしまうのよ。困ったものよね。なんとかして頂きたいわ。それとお声ね。男性らしい低くもなく高くもなく、私の耳によくあうお声をしているわね。あのお声はよく聞こえて困るのよ。たまに耳元で名前を小さい声で呼ばれると、扇子でお顔をたたきたくなるのに力がはいらなくなるのよ。私、侯爵家令嬢ですのに、耳元まで近寄るなんて。失礼だと思いませんこと?断っていただきたいわ。そう、そして手ね。騎士様ですのよ。その庶民の方は。いつも、剣を振り回して危ないのよ。毎日訓練ばかりされて。困るわ、危なくて。怪我をされたらどうするのかしら?侯爵家の医者をいつでも使えると思って甘えているのかしら?そんなことではだめだわ。私次あいましたら、騎士を辞退するようにお伝えしましょう。怪我をしてからでは遅いもの。なんて名案!そして侯爵家の護衛をやればいいのよ。まあ、素晴らしいわ!私さえ渡っているわね。こんな話ではないのよ。そういつも剣を握っているから、手が固いのよね。ごつごつしているのよ。でも温かいのよ。悪くはないわね。優しく撫でてくれることもあるけれども、私侯爵家令嬢なのよ。不躾に頭を触られると髪が崩れてしまうのよ。断ってほしいわ。許可を貰ってから触れるべきなのよ、私侯爵家令嬢なのですから。

 まあ、そうね。気になるところを言ってみたわ。全体としては私の相手としては及第点じゃあないかしら?ぎりぎりですわよ。ぎりぎり。庶民の方ですから。全体的な印象はしっかりとして包容力がありそうですわね。個人的な意見ではないわ。あくまでも客観的な意見でしてよ?まあ、そうね。客観的な意見としては不細工ではないわ。実際優しいですもの。エスコートも問題ありませんし、身体つきも筋肉が全体的について細くもなく太すぎることもなくバランスがよくっていいんじゃないのかしら。食べ物の好みは私と似ていると思うのよね。ええ、ここ最近朝食を拝見させてもらいましたのよ?朝の練習の後にタオルも渡せましたのよ?さすが、私侯爵家令嬢バーバラですわ!おーっほほほほほほ。



***



「さすが、僕たちの可愛いバーバラ」

「ジョセフ兄さん、バーバラは大丈夫かな?」

「勿論だよ、ヨハン。バーバラの恋路は必ず兄さんたちが成就させてあげるからね」

「ジョセフ兄さん、影でこそこそ動いてばれたら、バーバラ物凄く怒ると思うよ?」

「大丈夫だよ、ヨハン。バーバラはちょっと抜けてる可愛い可愛い僕たちの妹なんだ。ばれないよ」

「ジョセフ兄さん、僕は心配なんだ。兄さんは兄さんで暴走しちゃうし、姉さん達も突っ走って止まらないし。そしていつも僕が後片付けをしているんだよ?今日だって姉さん達外堀を埋めるってどこかに行ってしまったんだ……」

「お茶会に行って噂を流しているだけさ。お前も心配ばかりしているとはげてしまうぞ」

「僕以外に常識的に物事考えてくれる人いないでしょ?」

「父上と母上がいるじゃないか」

「……それ絶対にだめなやつだよ……ジョセフ兄さん」


長男ジョセフ

長女オーガスタ

次女ニコラ

次男ヨハン

三女バーバラ

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