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君の中のあなたに  作者: 古川瑛瑠
6/7

約束

お待たせしました。

遅くなり申し訳ありません。


あとがきに今後についてのご報告があります。

 

「・・・ん、ん?あぁ、おはよう。ゆう。」


 瑠華は寝ぼけ眼をこすりながら返事をする。そして、そのまま僕に寄りかかってきた。

 どうやらまだ完全には目が覚めていないようだ。


「おい、起きろ。話したいことがあるんだよ。」

「・・・あと5分・・・」


 麗衣とは違いすごくだらしない・・・

 そんなことを思っている間にも瑠華はまた夢の中に入って行った。


「はぁ~」


 無理に起こすのも気が引けるので僕は仕方なく待っていることにした。


 しばらくすると瑠華が少し目を覚ましたらしく僕に寄りかかるのを辞めた。

 そして、だんだん意識がはっきりとしてきたのかあたりをキョロキョロと見回す。


「・・・ねぇ、ゆう。ここどこ?・・・もしかしてだけどさ、ゆうの家じゃあないよね?」

「ん?僕の家だよ。それがどうした?」

「・・・なんでわたしの髪が濡れてるの?」

「お風呂上りだからだよ。それ以外に何がある?」


 顔を赤く染めながら色々と聞いてくる瑠華。

 ・・・なにやら少しバカなことを考えているのかもしれない。


「ねぇ、ゆう・・・れいと何かあった?・・・例えば・・・その・・・大人の階段上ったとか・・・」


 僕が予想していた通りバカなことを考えていた瑠華に僕はデコピン制裁を加える。


「いったっ!何すんの!!?」

「瑠華がバカこと言うからだ!」

「だって、この状況だよ!?それしか考えられないじゃん!」


 少し赤くなったおでこをこすりながら的外れなこと言ってくる。


「はぁ~、麗衣とそんな関係になることは無いよ。もしそうなったとしても瑠華に一言いってからするよ。」

「え・・・それはそれで困るけど・・・」


 瑠華に伝えないといけないことがあるのに大きく話がそれてしまった。



 瑠華の盛大な勘違いを直すのに予想外の時間を取られたが、それもひと段落した。

 そして、改めて真剣な雰囲気を纏った郁は瑠華に今日あったことを告げる。


「なぁ、瑠華。少し麗衣の事で話したいことがあるんだが良いか?」


 僕の真剣な雰囲気に気付いたのか瑠華も聞く態度を整える。それから、僕は瑠華に今日あったことを話した。



「・・・ごめん。麗衣の事ちゃんと守れなかった。」

「・・・そんなことがあったんだね。・・・ごめん。少し一人になりたい。」

「・・・わかった。」



 郁は自分の部屋に行き着替えをもってお風呂へと向かう。

 脱衣所で服を脱いで、浴室に入り適当に体や頭を洗う。

 そして、湯船に足を入れゆっくりと肩まで浸かった。



 一人にして欲しいといった瑠華は今日の事をどう思ったのだろうか。

 きっと瑠華自身もまだ完全には今日の事を理解してないだろうし、まだ気持ちの整理もついていないだろう。

 瑠華からしてみれば寝て起きたらこんなことが起こっていた。

 そんな感覚なのだろうか。

 けれども、今日の事は確かに瑠華自身の身に起こったこと。

 だがあの時は麗衣だった。

 どこか他人の事のようだが、自分の事でもある・・・


 多重人格。


 瑠華が生み出したもう一つの人格、麗衣。

 落ち着いた性格で瑠華とは真逆と言ってもいいだろう。

 そんな瑠華の親友で有り妹の麗衣。

 そんな大切な妹が傷つけられたのだ、瑠華はどんな気持ちだろうか。

 今回の事を麗衣はもう大丈夫と言っていたが、瑠華はわからない。

 もしかしたら今回の事をきっかけにまた新しい子が出てきてしまうかもしれない。

 そして、もう瑠華が表に出てこない可能性もある。


 どうなってしまうのだろうか。

 そして、その時に僕はどうすればいいのだろうか・・・。


 郁はそんな考えを巡らせていた。



 のぼせそうなくらいたっぷりと時間をかけてお風呂に入っていた郁はお風呂から上がり着替えて脱衣所を出る。

 ゆっくりとリビングへと向かい、瑠華の様子を伺いながらさっきまで瑠華がいたソファを覗き見る。


 そこには、「すぅ。すぅ。」と可愛い寝息を立てソファに横になっている瑠華がいた。

 どうやら、眠ってしまったらしい。


 最近、瑠華も麗衣も寝不足だったのかもしれない。

 瑠華は麗衣の事を考えて寝不足に、麗衣は告白の事を考えて寝不足にそんなところだろうか。

 いくら別人格とは言え体は同じだ。

 お互いに考え事をしていて寝不足だったのなら体は休まらないだろう。

 とりあえずではあるが安心したことで今まで無理をしていた分の反動が来たのだろう。


 無防備に可愛らしい寝顔をさらす瑠華。

 もう夜も更け始め、最近の梅雨が暑いと言ってもまだ夜は肌寒さを覚える。

 このまま何か一枚かけて起こさないようにしようとも思ったが、風邪をひかれるのは嫌なので寝ている瑠華をそっとお姫様抱っこする。

 そして、郁の部屋へ運び布団をかけていると「いつもありがとう。」と小さな声が瑠華の口から聞こえた。


 おそらく寝言。

 寝言に返事をするのはよくないかもしれないが僕は瑠華の頭へと手を伸ばしそっと撫でる。


「気にしないでいいよ。僕は僕にとって大切な人を守ってるだけだから。」


 おそらく面と向かっては恥ずかしくてはっきりと言えない事。

 けれども、今だけは瑠華が寝ていることもあってしっかりと言葉にすることができた。

 部屋の電気を消し間接照明をつけ僕は自分の部屋を後にする。

 その時、チラッと見えた瑠華の寝顔に僕は「おやすみ。」と言いながら。


 部屋から出た郁はリビングなどの電気を消しソファに体を預ける。

 今日は郁にとってもつかれた日だった。


 そのためか横になった郁はすぐに睡魔に襲われ、薄れ行く意識の中、郁は改めて思い出していた。

 麗衣が生まれる少し前の当時、まだ一人だった瑠華と交わしたあの約束を。

 未だ果たされることは無く、この先守られるかもわからない昔の約束。

※この回では多重人格と書いていますが正式名称は【解離性同一性障害】と言います。

かつては【多重人格障害】と呼ばれていましたが、今は前者の方が一般的です。



そして、更新が一ヶ月以上もあいてしまい申し訳ありませんでした。


簡単に理由言いますと、家庭の事情です。


そのため今後も更新頻度があんまり上がらないと思います。


具体的に申しますとこの作品は2週間に一回くらいのペースで更新すると思います。

どんなに遅くなったとしても一ヶ月の間には更新します。


途中でやめるとかそういったことはありません。

必ず最後まで書きます。


良かったらブックマークや評価をお願いします。


更新の報告しかしてませんがTwitterもあります。


今後もよろしくお願いします。


古川瑛瑠。

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