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君の中のあなたに  作者: 古川瑛瑠
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瑠華

初めましてよろしくお願いします。

「大丈夫。いつまでも一緒だから・・・」


 その時の彼女の言葉や表情はこの先何があっても忘れることは無いだろう。



 まだ少し着慣れない制服に袖を通し洗面所の鏡の前で雨宮(あめみや) (ゆう)が寝ぐせを直しているとピンポーンとインターホンが鳴る。

 急いで寝ぐせを直し郁は玄関のドアを開ける。

 すると、そこには1人の女の子がいた。


「おはよう。ゆう。」

「ああ、おはよう。カバン持ってくるからもう少し待ってて。」

「早くしてよ?遅刻しちゃうから。」


 そんな彼女の言葉を受け、僕は部屋にカバンを取りに行く。


 靴を履いて家を出た郁は鍵を閉めまた今日も彼女と一緒に学校を目指す。



 彼女の名前は若月(わかつき) 瑠華(るか)

 少し小柄だが全体的にスラっとしていてどちらかと言えばかわいい系そんな印象を受ける。

 セミロングに伸ばしたダークブラウンの髪を後ろで軽めのポニーテールにしている。

 明るく今どきの女子高生らしいがどこか子供っぽいなんの変哲もない僕の幼馴染だ。

 高校に入学してから約二ヶ月、僕はほぼ毎日瑠華と一緒に学校に通っていた。


 道幅が大きく緩やかな上り坂を他愛もない会話をしながらふたりで並んで歩く。

 ふっと、気になったことがあったので瑠華に聞いてみる


「なぁ、瑠華。一つ良いか?」

「ん?何?愛の告白?」

「いや。違うな。それより麗衣はどうした?」

「う~ん。返事がないんだよね。まだ寝てるみたい」

「麗衣にしてはめずらしいな。なんかあったのか?」

「ん?そっか。ゆうには言ってないだね。なんか告白されたみたいだよ。」

「へぇ~。まぁ。でも、麗衣ならありえるか。瑠華と違って真面目だし。」

「なんかムカつく~。わたしだってモテるもん!」

「どうせ商店街のおじさんとかだろ?」

「・・・そうだけど・・・やっぱ男子はれいみたいに胸が大きいのがいいのかな?どう思う。ゆう?」

「さぁ?人それぞれだし。それに、瑠華もあんまり麗衣と変わらないと思うけど?」

「それは制服だからあんまりわかんないだけ!れいの方が少し大きいの!」


 そんな話をしているともう学校が見えてきた。

 学校の前にはたくさんの生徒がいて朝練終わりのイケメンが爽やかさを振りまき、かわいらしい女子マネージャーからドリンクとタオルを貰っている。

 それを見た男子や女子たちが怨嗟や羨望といった様々な感情のこもった視線を送っている。

 そんな奴らをどこ吹く風とばかりに僕と瑠華は学校へ入っていった。

 校門を通り昇降口で靴を履き替え、僕と瑠華は2組と書かれた教室に入る。


 教室にはもうたくさんの人がいてみんなが入ってきた僕たちをチラ見してくる。

 やってる人たちは他意はないがやられた側はなんか不快感を覚えるそんな嫌な視線。

 僕は気にせず入ろうとするが横を歩いていた瑠華が立ち止まってしまった。


「瑠華。大丈夫だよ。」

「う、うん・・・」


 瑠華は深呼吸をして「みんな!おはよ~」と仲の良い子たちのグループに向かって行った。


「あ、瑠華ちゃんおはよ~」

「また雨宮くんと一緒にきたの?ほんと仲いいね。」

「やっぱり付き合ってるでしょ?」

「え!?そんなことないよ。」


 楽しそうな笑みを浮かべ友達と話してる瑠華を横目に僕はすぐに自分の席に向かい一限目の準備する。

 ある程度の支度を終えて少し寝ようかと考えていると

「おっす、雨宮。また若月と一緒に来たのか?」と陽々希が声をかけてきた。


 陽々希は、風間(かざま) 陽々希(ひびき)と言い、まあまあ整った顔をしていて背も高くクラスの中心にいるような奴。

 俗に言う陽キャだ。

 あんまり人とかかわるのが好きじゃあない僕も陽々希とはなぜか気が合い、このクラスの男子の中なら一番仲がいいかもしれない。


「まぁ。幼馴染だから仕方がない。」

「そんなんだから入学してまだ二ヶ月しかたってないのに付き合ってるなんて言われるんだよ。」

「ほっとけばいいよ。そのうちみんな興味なくなるから。それに付き合ってないし。」

「・・・相変わらず周りには本当興味ないのな。」

「面倒くさいだけだ。」

「一匹狼気取りか?そんなんだとおれ以外の友達いなくなるぞ」

「うるさい。陽々希こそ僕なんかに構ってると友達いなくなるぞ」

「そうかもな」


 そんな会話を少しふざけあいながらもしていると担任が入ってくる。

 騒がしかった教室はとたんに静かになりみんなが自分の席へと戻って行った。



 その日の昼休み、僕は瑠華と一緒にお弁当を食べていた。

 普段は仲の良い2、3人の子たちと食べている事が多い瑠華だが今日は僕に相談があったようだ。


「それで?相談ってなんだよ。」

「うん。れいの事。なんか最近告白された時くらいかな。それからどうも寝不足みたいでかなり悩んでるみたいなんだよね。」

「うん。それで?」

「だから、れいの力になってあげたいの!」

「うん。それから?」

「え?・・・えっと・・・だから、相談に乗ってあげて欲しいなって言う相談・・・です。」

「・・・はぁ~。何で僕なんだよ。瑠華が相談に乗ってやればいいだろう?」

「えっと・・・なんでも相談してねって言ったら、れいが「ありがとう。でも瑠華って告白された事あるの?」って・・・」


 瑠華は少し涙目になって俯きながらもそんな悲しいことを言った。

 要するに、心配して励まそうとしたら、思わぬカウンターが来てしかも、クリティカルヒットしたらしい。そして、僕に泣きついてきたと言う訳だ・・・


 かわいそうに・・・


 そんな可哀想な瑠華の事を見てられず僕は「はぁ~」とまたため息つき瑠華の頼みを聞くことにした。


「わかったよ。できる範囲でだけど今度麗衣にあったら聞いてみるよ。」

「うん・・・ありがと。」


 麗衣に言われた事を引きずっているのか瑠華はさっきよりもさらに涙目になっていた。


 ・・・ほんとかわいそうに。


※瑠華が麗衣の事を言うときに漢字だったのをひらがなに変更しました。


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