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エピローグ

 その夜のことです。


「コンコンコン! コンコンコン!」


 誰かが病室の窓をノックする音がします。


「コンコンコン! コンコンコン!」


 アリスはまだまだ夢の中。


「アリス! コンコンコン! アリス! コンコンコン!」


 アリスはなかなか起きません。


「アリス! おきて! コンコンコン! アリス! あたしよ! おきて!」


 その音にアリスのお母さんが気づきました。


「何の音かしら?」


 お母さんが不思議に思ってカーテンを開けると、窓の外に小鳥がいます。


「まあ! かわいい! もしかしてアリスのお友達のコマドリさん? こんな夜更けにどうしたの? ちょっと待ってね!」


 お母さんはアリスを優しくゆり起こします。


「アリス……アリス……」


「なあに? おかあさん?」


 アリスは眠たい目をこすりながら起き上がりました。


「コマドリさんがあなたを訪ねてきたわよ!」


「あ! ほんと! どうしたのかしら?」


 お母さんが窓を開けると、コマドリさんが中に入ってきてアリスの肩にとまって言いました。


「アリス♪ お外を見て♪」


 お母さんがアリスに尋ねます。


「コマドリさんなんて言ってるの?」


「お外を見てだって!」


 アリスがお母さんと窓から外を見てみると……


「わあー! おかあさん! 逆さ虹よ! 逆さ虹が出てる!」


「ほんと! きれいねえ!」


 そうです! 森のみんなは、優しいアリスのために、逆さ虹を夜も出してくれるよう、神様にお願いしたのでした!


 月明かりに照らされて、森の上にぼんやりと輝く逆さ虹はとてもきれいで、お母さんとアリスはとても幸せな気持ちになりました!


 アリスはすっかり覚めた目を輝かせながら言いました。


「コマドリさん! ありがとう! とってもきれいよ! 森のみんなにもありがとうって伝えて!」


 コマドリさんは答えました。


「アリス♪ まだよ♪ 優しいアリス♪ 忘れたの? ほらもうすぐ始まるわ♪ あたし言ったでしょ♪ 今夜は100年に一度の夜なのよ♪ ほら♪ 見てて♪」


 アリスたちがもう一度逆さ虹のほうを見ていると、やがて流れ星が降り始めました!


 最初は1つ、2つ


 次は4つ、こんどは一度に8つ


 そしてすぐに、数えきれないほどの流れ星が空の上から降り注ぎ始めました!


「アリス♪ 願いごとのチャンスよ♪」


「でも……たくさんあってもすぐ消えちゃうもの……」


「だいじょうぶよ♪ ほら♪ 逆さ虹のほうをよく見て♪」


 アリスがコマドリさんに言われて逆さ虹のほうを見てみると


 なんということでしょう!


 逆さ虹に当たった流れ星は消えないままです!

 

 虹の中をキラキラと輝きながら、ころころと転がっていきます!


 まるで大きな虹色のお皿にキラキラ輝く星のキャンディーが降り積もっていくようです!


 コマドリさんは得意そうに


「ね? だいじょうぶでしょ♪ さあアリス♪ 願いごとを唱えるのよ♪ あたしはあそこで歌ってくるわ♪ またねアリス♪ 森のみんなはいつでもあなたを待ってるわ♪」

 

 そういうと美しい歌声を響かせながら、森のほうに帰っていきました。


 お母さんはキラキラと森を照らす逆さ虹と流れ星たちに見とれながら


「アリス!すごくきれいね! こんなの初めて見たわ!」


 と言いました。


「みんなありがとう」

 

 そう言うと、アリスはさっそく願い事を唱えました。


「お母さんがよくなりますように お母さんがよくなりますように お母さんがよくなりますように」





 優しいアリスのために森のみんなが起こした奇跡は、逆さ虹の上に、こぼれるほどの流れ星を降り積もらせて、その夜それを見た街の人たちの願い事も、たくさんたくさん叶えてみんなを幸せにしたのでした。




 おわり

今年初めから投稿を始めて、今回が初めての連載だったので、よかったら感想を頂けたら嬉しいです。


とにかく最後まで読んでいただきありがとうございました!

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