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51 念願の外出権

 

 頭上が騒がしくなってきたころ。

 そろそろ、本も終わりに近づいてきた。


 俺が今読んでいるのは、後書き。

 この人、本文は結構固い口調で書かれているんだけど、後書きだけは楽しい感じなんだよね。

 けっこう好き。


「そういえば、彼女も本が割と好きだった」

「割とかよ。どんな本が好きだったんだ?」

「……ファンタジーとか物語調の。ゲームも好きだった」

「ファンタジー好きとは、またニッチなジャンルを……」

「幻想に価値を見出している人は多い。あの頃、ちょうどメジャーなジャンルだったんだ」

「あの頃だあ? いつごろのことだよ」

「昔」


 よし、読み終わった!


 俺はパタンと本を閉じると、視線を上に向けた。

 声の主、エルリックとランディがいた。

 目を左右に動かすと、フェイトとセシルがいた。


 また、待たせちゃったらしい。

 俺は頭をかいて誤魔化す。


「ちょっきり20分か。すげえな、体内時計」

「ランディ、そのちょっきりって言い方やめない? 田舎臭いよ」

「おい、フェイト。あとでちょっと話そうぜ」

「あははっ。おもしろいこと言うじゃん。ボクの即死の爪がうなるよ?」


 ちょっと目を離した隙に、二人の仲が険悪になっていた。

 止めようかどうしようか迷う俺。

 結局、止めないほうに軍配が上がりました。


 ああ、ヘタレですね、俺。


「悪ふざけはそこまでにして、そろそろ出立するぞ」

「アキラ、念願の外だぜ?」

「これから嫌というほど見ることになる外だよ」

「王城と違って、幸せでないことのほうが多い外だ」

「大丈夫、そんな心配しなくても、分かってるよ」


 俺だって、現代のほうじゃちょっと貧乏なほうだったし。

 お年玉はみんな親に吸収されたしね。新しい服はなかなか買ってもらえなかったし。

 流行や人気のグッズとは、いつも遠い場所にいたから。


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