46 知力は全人類の要
「こっちはなんだ?」
「これ……嘘でしょ? ねえ、ランディ!」
「フェイト……言いたいことは分かる。アキラ、これは魔導士の指輪だな?」
「う、うん。冒険者なら欲しい一品だって聞いた、けど!?」
ランディが急にうずくまったので、びっくりした。
歯ぎしりの音が聞こえる。
「さすがリーン家だぜ……」
「ボク、よだれだらだらだよ」
「こういうのなんていうんだっけ?」
「垂涎」
「サンキュー」
セシルとエルリックのやり取りを聞きながら、ランディを見る。
良かった……狂ってる訳じゃないみたい。
「むしり取ったりしないの?」
「おまえのなかでオレのイメージはどうなってんだ」
「エロ本」
「……なるほど、承知した。手加減は要らねえってことだな?」
ランディは立ち上がると俺の背中を叩く。
痛い! セシルにやられたときと比べて、ずっと痛い。
「誰がそんなことするかよ」
かろうじて倒れなかったけど、涙目でランディを見上げると。
彼は真面目な顔をしていた。
「いいか、冒険者やクォーターにとって知力は大事なステータスだが、一番知力が大事なのは魔術師だ。そんな当たり前のことを分かってねえヤツは冒険者失格だぜ」
「ランディはそこまで無節操じゃないよね。欲しいものは自分のお金で買うもの」
「当然だ。それが冒険者ってもんだろ? なんのために金稼いでんだって話だぜ」
ランディは笑うと、俺に魔法……じゃない、回復スキルをかけてくれた。
HPバーが見えないのでどれくらい回復したかは分からない。
ランディ曰く、ほんのちょっと、らしい。




