41 回復魔法と回復スキル
そりゃそうだろう、と俺は思う。
魔王と戦うための最適な品を用意したら、装備者が顔面蒼白なのである。
リーンじゃなくても、俺がリーンの立場でも慌てる自信がある。
「あ、あの。アキラさま?」
「ああ、うん。えっと。なんとかなるよね……?」
「なにか分からないことでもありましょうか」
「いや。大丈夫、なにかあったらフェイトにでも聞くよ」
「魔法の話でしたら、わたしができることは少ないですね……」
「あ、大丈夫だから。リーン、次の装備について教えて?」
そう言われたリーンは、本当に渋々といった表情で俺から離れると、今度は靴を指した。
「これは、賢者の靴です。知力は+15。こっちは賢者の帽子です。知力は+30。大盤振る舞いですね。それと……ウィザードローブの追加知力値は、+20となっています」
「賢者シリーズ……でも服だけ違うんだね」
「賢者のローブと呼ばれる装備はありますが、知力値が低かったので……」
また知力ね。オーケーオーケー、分かってるよ。
これで、装備は終わり……かと思ったら、リーンがさらに袋から何か出してきた。
これは。
ええっと……腕輪、と指輪?
俺、こういうアクセ付けるの、ちょっと恥ずかしい。
なんか、不良みたいじゃん! 非行少年っていうか!
あと、マンガやアニメのグッズみたいで、ちょっとオタクっぽいとこもあって……。
ガチャガチャでこういうの出そう。
ファンタジーアクセ!! ……ないか。
「こちらはミスリルガントレット。数少ない、耐久と精神の値を、30ずつ上げてくれる装備です。上級冒険者のみなさまのデフォルトアクセだとか」
「オーダーメイドじゃないだけましか……」
「なにか言いました?」
「あ、なんでもないです。はい。独り言です」
「……こちらのリングは、魔導士の指輪。知力を+30あげるものです。とある引退冒険者から特別に譲っていただきました。そのかたは拳闘士なので、使わないと言ってくれましたが、売れば大金になるこのリングを……とてもありがたいことです」
「魔術師だったら欲しいかもしれないけど。売ればってことは、ほかのジョブの人も欲しいの?」
「回復魔法は魔術師しか使えない、と以前説明しましたが、回復魔法は冒険者の生命線。使いたい人がたくさんいます。そのために生み出されたのが、回復スキルです。回復魔法よりはずっとランクが落ちますが、自分のHPを回復したり、大勢の人のHPをちょっとだけ回復したり、簡単な状態異常を直せたりします」




