37 インテリジェンス・ミラクル
SPが所定の数値に達した。
リーンはとても喜んでくれた。イーゼルを片付けながら彼女はいう。
「じゃあ、今日の訓練はやめにして、どこか遠出しましょう」
「えっ、でも、旅の間はリーンいないんだろ?」
「はい。その通りです。わたしは、ここでアキラさまの帰りをお待ちしています。次に会うのは凱旋のまえになりましょうか」
ごほうびです、とリーンはアメを取り出した。
ミラクルタブレットだそうだ。
さっそくいただいた。
なんか、パワフルな味がする。
ピーチ、オレンジ、グレープ……。
列挙してみたけど、たぶん、ミカンとかモモとかないよね。
似た味、似た見た目のものはあるんだろうけど、名前は違うよな。
そんな取り留めもないことを考えつつ、リーンの説明を聞く。
リーンが言うには、これは知力を含めたすべてのステータスに+1するのだとか。
すげえ効果だな。
少なくともリーンの実とクリアの実、一個分ずつ分はあるって訳か。
すげえ。
あまりのすごさに、ボキャブラリーが吹っ飛んでいってしまった。
「俺、なるべくリーンと一緒にいたいな」
「わたしとですか? なんて嬉しいお言葉。大事にしまっておきますね」
リーンは満面の笑みを浮かべて、じゃあどうしようかしら、なんて呟く。
こっちが素の口調なのだろう。
頬を緩ませるリーンはとても可愛い。
俺がじっと見つめていたことに気が付いて、顔を赤らめるリーンはもっと可愛い。
「って、ごめん!」
「それは何に対する謝罪なのですか? 場合によってはわたし、怒りますよ」
「え、ええっと……見ててごめん。嫌だったでしょ?」
「…… 」
「え、リーン、いまなんて言ったの?」
「なんでもありません!」
リーンは一度目をきつくつむると、俺のほうを向いた。




