28 SPもガンガン上げよう
やがて、リーンは目を見開くと、俺に向かってにっこり笑う。
なんだろう、この人、こわい。
「アキラさまを我がリーン家に招待します」
「えっ、リーンのうちってどこに……」
「むろん王城の外です。城下町からも離れた郊外にあります」
「いや、無理でしょ。王さまがうんとは言わないと思うし」
「言わせます」
「へ? あの、リーンさん?」
「我が家の権力とコネをフル稼働させて、うんと言っていただきます」
目がガチだった。
だ、誰か! 俺より説得力があって良識のある誰か! この人を止めて!
内心で叫ぶけれど、この部屋、広くて大きいけど俺とリーンしかいない。
つまり、止められるのは俺しかいない!
リーンがいつも通り、果物を切ってくれているので、俺は立ち上がる。
「リーンは誰に仕えてるんだ! 王さまじゃないのか!?」
「厳密に言うと、わたしは見習いの身なので王には仕えていません。大丈夫ですよ、わたしはアキラさまの味方ですからね」
「いや、そういうことじゃなくて。下手して不敬罪で首切られたりしないの!?」
「不敬罪ですか。難しい言葉を知っていますね。そのあたりは本番で調整しますので」
駄目だ、この人。俺と同じタイプじゃん!
ぶっつけ本番でなんとかしようとしてるよ!
「わ、分かった。俺が無魔法を覚えればいいんだろ?」
「アキラさま、無魔法ではなく無属性魔法です」
「細かいな!? そこじゃなくて! リーンの家にはお世話にならない方向で頑張るから! 俺、そこまでリーンに甘えるつもりないし!」
「では、我が家には来てくださらないのですか?」
「えっ、まあ、リーンがどうしてもって言うなら旅立つ前に……」
「ふむ。困りましたね」
「困ってないよ!? ほ、ほら。早く無魔法、じゃない無属性魔法を教えてくれよ」
結構強引なリーンを押しとどめて、俺はクリアの実をかきこむ。
ちなみに、クリアの実はリーンの実の亜種で、SPを上げる効果があるらしい。
ごほうびのアメ玉も、マナタブレットというSPを上げるものに変更された。
そんな頑張ってSP上げなくてもよくない? あ、良くないのね、はい。
「はい。無属性魔法はですね――」
良かった、お勉強モードに入ったらしい。
はあ、また降臨式とスマホについて聞けなかったよ。




