22 インテリジェンス・まんじゅう
「昨日はパーティーメンバーがすまないことをしたな」
「いや、まあ、その」
「これは菓子折りだ。こっちがインテリジェンスまんじゅう。その名の通り、知力を上げる効果がある。こっちはリーン嬢にあげてくれ」
「あ、ありがとうございます」
たどたどしくお菓子を受け取る俺を、男は微笑ましく見ている。
「いつも君は敬語で話すのか?」
「えっあ、いや」
しまった、と思う。
最初のとき、リーンにたしなめられたのを思い出される。
あんなにしっかり言われたのに、忘れて――。
俺って駄目だな。
そんなネガティブな感情に囚われそうになったとき、男はからりと笑った。
「すまない。困らせてしまったようだな。なに、オレは仲間になる存在なのだから、もっと気軽に口をきいて欲しかったのだ」
「いえ! こちらこそ……すみません。リーンに気をつけろって言われてたのに」
「リーン嬢が? そうか。じゃあ、オレからも一つ。もっと乱暴にしゃべっていいんだぜ? オレもそうするからさ」
「え……」
急に明るい雰囲気になった男に、俺はついていけない。
ぽかんとまた口を開けっぱなしにする俺を見て、男は腹を抱えて笑っている。
え? え? 確かリーンは、冗談好きの人だって言ってたけど、まさかこれ?
「ははは! ちょっと真面目にしゃべってたけど、やっぱ疲れるな!」
「ええー」
「もともとオレはこういう性格なんだよ。だからさ、もっと気楽にいこうぜ?」
「は、はあ。じゃあ、えっと、なんて呼べばいい?」
「セシルでいい。その様子、ランディのせいだろ? あいつ、似た名前の兄弟がいるから、バートって呼んでほしくないらしい」
「へえ。セシルは、ランディと知り合いなのか?」
「いんや。違うね。というか、全員そうなんだが、魔王討伐隊のメンバーってところ以外接点ないから、みんな初対面ばっかりだぜ」
そうだったんだ。その割にランディはフレンドリーだったけど。




