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10 読了ボーナスポイント

 

 本を読み始めて三週間。


 重ねられた本はとっくに読み終わって、いまは本棚にある書物に手を出している。

 最初は、とても読めないと思ったが、巻物形式や挿絵の入った小説など、意外とおもしろいものが多かったのが要因だろうか。

 既に本棚の三分の一は読破していた。


 そんな俺に、リーンは不思議そうに話しかける。


「アキラさまは、一度読んだ本を読み返さないのですか?」

「え、だって知力が入るのは読了した一度目だけだろ?」

「ふふ。そうではないのです。各本には読めば読むほど経験値がたまっていき、そのレベルが10になると知力ボーナスが+5もらえるのですよ」

「ええ!? そんな説明してなかったじゃないか」

「あまりにもアキラさまが早く読み終わるので、伝える暇がありませんでした」

「俺のせいってこと?」

「い、いえ! 違いますよ、それだけアキラさまがすごいってことです」


 取って付けたように褒められては、嬉しくない。

 不機嫌な俺に、リーンはなおも話しかける。

 好きなジャンルはありますか。読みたい本があれば仕入れますよ。


「ライトノベル……はさすがにないよな」

「なんですか、そのライなんとかは」

「なんでそこで切るんだ? ライトノベルだよ、ライトノベル。こう、手ごろに読める本なんだけど、ほら、あんまり考えて読む本じゃなくてさ」

「ああ! それでしたら個数も稼げますし、経験値の貯まり具合も早いかもしれませんね」


 リーンはくるりと身を翻すと、さっそく仕入れを開始します! と部屋を出て行った。

 城下町に降りられる彼女を羨ましく思うが、それはそれ。

 はやく城下町まで出かけられるように、今は本を読まなくてはならない。


 俺は読み終わった本の山をちらりと一瞥して、新しい本を読み始めた。


 後日、リーンが仕入れてきた本をすべて読んだが、すべて女性向けの恋愛小説だった。

 ケータイ小説って異世界にもあるんだな、と思いつつ読破して知力を稼ぐ。


 今度こそ、男性向きの本を仕入れてきますから! と平謝りする彼女から目をそらして、俺は新たな本を読み始めた。


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