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第1話 異世界転生

 少しずつ眠気が覚めてくる。どれくらい寝ていたのかは分からないが、周りから声がだんだん聞こえてきた。

 ゆっくりと目を開ける。久しぶりに明るい光を見たようで、何やら眩しい。

 眩しくて、一端目を閉じるが再度目を開ける。何処かに寝かされているのだろうか見知らぬ天井が見えた。

 

 体が思うように動かない。ふと、自分の手が見えたのだが小さな手をしていた。まるで赤ん坊の手のようだ。

 辺りを見回してると、目の前に金髪のキリッとした目の若い男性が出てきた。


「よう。起きたか、パパですよー」


 ニコニコした笑顔で頭を撫でられた。大きな手だ。いや、自分が小さいから大きく見えるのだろう。

 この男性が何て言ったのかは分からない。英語では無いし、フランス語でもない。今までに聞いた事の無い言語だ。

 何処の国の言葉だろうかと考えてたら、すうっと手が出てきて優しく抱っこされた。

 若い女性で綺麗なセミロングの金髪、目は大きくパッチリしていて見とれてしまう程の美人だ。


「起きたのね、私の可愛い坊や」


 この女性の言語も何を言ってるのか分からない。ただ優しい笑顔で接してくれているから、言語が分からなくても安心する。


「お母様、私にも見せて」


 抱っこしてた女性が声のした方に私を近付ける。

 金髪で、小さな可愛い女の子だ。この女性の子供だろうか?


「可愛いなー。私がお姉さんだよ」


 女の子は小さな手で頭を撫でたり頬を触ったりしてくる。女の子の顔も笑顔である。

 さっきの若い男性が私を持ち上げた。


「私はパパのアッシュ・フォックスだよ。こっちがママのクリス、そして姉のシンディーですよ」


 男性が高い高いと持ち上げてくれてるが、私はキョトンとしてしまった。


「ほらアッシュ、この子が戸惑ってるでしょ」


 強引に男性から私を抱き返した女性は私の頬にキスをした。


「生まれてきてくれてありがとう。あなたの名前はレオンよ。レオン・フォックスよ」


 私を抱っこしたままクルリと回り今度は、おでこにキスをされた。

 何だか恥ずかしい気持ちだが今の状況を確認しなければならない。

 目を覚ます前に創造神が転生させると言ってたのを思い出した。そうなると私は、この家族と思われる人達の赤ん坊となって転生したんだろうと考えた。

 前世の記憶を持って転生するのも不思議な気分がする。大体理解した所で母親と思われる女性の顔を見た。何か喋らないといけないよな。


「あうー。あいーうあー」


 上手く喋れない。まだ赤ん坊だからしょうがない。 


「キャー、レオンが喋ったわ。何て可愛らしい子なの」

「クリスも過保護だな」

「いいじゃないアッシュ。だって本当に可愛い我が子なんだもん。シンディーも可愛いからね」

「お母様ありがとうございます。私もレオンは可愛いと思いますよ」


 3人が何を話しているのかが気になる。先ずはこの世界の言葉を覚えないといけないよな。

 笑顔の3人と早く会話したいと思った。




 一ヶ月が過ぎていろいろ分かってきた事がある。どうやらこのフォックス家は裕福な家庭だ。執事、メイド、コックもいるので。


 母親のクリスに抱かれて散歩していると庭でアッシュが何かの訓練をしていた。

 よく見ると手から炎やら水やら出している。

 おいおい、これって魔法ではないのか?

 転生したのも驚いたが魔法のある異世界に転生なんて驚きが数倍に上がってしまう。


 クリスだけではなく、シンディーにも凄く愛されいる。

 クリスの豊満な胸からお乳を飲んでお昼寝のためにレオン用のベッドに寝かされる時は、シンディーがやって来て寝かしつけてくれる。まさにお姉さんだ。


 レオンが眠るまで添い寝してくれるのだが、たまにレオンより先にシンディーが昼寝してしまう所は、なかなか可愛らしい。


 魔法のあるファンタジーな世界はなかなか刺激的な世界のようで、レオンはハイハイが出来るようになると、あれも見てみたい、これも見てみたいとベッドから脱走してフォックス家を心配させた。

 そんな活発なレオンもフォックス家全員に愛されて少しずつ大きくなっていった。




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