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穏やかな日常

作者: すずしろ

 潮風と海鳥の鳴き声が交じり合う港町ミュール。そこは数々の冒険者達がギルドに所属し、様々な依頼を受け、古今東西、あらゆる場所に自らの目標の為に足を運ぶ。

 目的は十人十色。大金持ちになる為、未知のものを見つける為、己の贖罪の為、騎士を目指す為、大切な誰かを見つける為。何を目的にしようが、誰にもそれを止める権利も、笑う権利も無い。

 そんな冒険者達の集まる港町の中のギルドの一つ『海洋亭』に新たな冒険者がまた一人増えようとしていた。


「──エリーちゃん、干し肉のエール煮込み二人前を6番テーブルに、あともうすぐ出来るエルダーステーキはカウンターの3番席、それと新しくお客さんが入っていたら注文も聞いておいてー! 私達は料理を作るので手一杯だから!」

「は、はーいっ! わかりました、ミズキさんっ」

 茶髪をポニーテールで纏め、胸や腰に小さなポケットがいくつも着いたエプロンを着て、方眼鏡(モノクル)をつけた青い瞳のミズキと呼ばれた少女が、自らよりも頭半分ほど身長の高い、深い青色の髪のエリーと呼ぶ少女に指示を送る。

 二人の身長はどちらも小さく、海洋亭のカウンター席に座るとようやくその全身が見れるほどに小さい。依頼を受けるためのカウンターからでもミズキの顔が見えるかどうか位だ。

 二人が厨房で戦闘を繰り広げているここ、海洋亭は冒険者達のギルドである事には間違いないのだが、酒場も担っており、一般の人間も気軽に入れるような場所になっている。加えて、今はお昼時だ。血気盛んな冒険者や、一般の客も交わって大繁盛状態だ。

 この町の存亡を賭けた魔女との戦いから数十年が経ち、今では吟遊詩人の語り草となるまでになった事件があったのだが、それの中心にいたのが、この海洋亭だったのだ。そして、エリーやミズキも当時そこにいた生き証人の一人である。


「あ、エリー姉今日も忙しそうだね……」

 絶賛大繁盛の海洋亭の中を料理を盛りつけた皿を両手で持って器用にバランスを取りながら、エリーが机に料理を運んでいる様子を、頬杖をつきながら、目で追うブロンドの髪のセミロングの少女と、

「仕方ないよ。最近はお客さん増えてきたみたいだし、それに今はお昼だしね。正直、何も頼んでない私達が席を取ってるのもちょっと申し訳ないし……」

 欠伸をしながら、椅子に座って周りの人間を見つめる目つきが少し鋭い、ミディアムの同じくブロンドの髪の少女。二人とも冒険者のギルドにいるよりは、どこかの小洒落たレストランにいた方が見栄えが良さそうな二人だった。

 そんな二人の事を見つけたのか、エリーは料理を運び終えた後に、二人のいる机に向かい心底嬉しそうな笑顔で、


「あ、ルナにエクレ! 来てくれたの?」

「いや……私は別にどっちでも良かったんだけどね……? お昼時だし、それにエリー忙しいと思ったから……それに最近コルトが反抗期なのか私にすっごい突っかかってくるし……」

 ま、返り討ちにしてるけど、と目つきの鋭いほうの少女は胸を張って答える。エリーは少し呆れた顔をしながら、

「それはルナが売り言葉に買い言葉で戦うからでしょー?」

 うっ…… と、目つきの鋭い少女──ルナが言葉に詰まる。

「はいはい……痴話喧嘩はそこまでにしたら?」

「ち、痴話喧嘩じゃないよ!? エクレひどいよー……」

 セミロングの少女──エクレに手厳しい横槍を入れられ、今度はエリーがむーっと頬を膨らませて不服そうにしていた。


「──はいはーい、三人方、お話は人が少なくなってからね? 特にエリーちゃん?」

 三人が話していると、ミズキより一回りほど小さなミズキと全く同じ姿をした人形(ゴーレム)がエリーのエプロンの裾を引っ張っていた。

「あっ……ご、ごめん、また後でね! 二人とも!」

 そう言ってエリーはそそくさとミズキのゴーレムに連れられて厨房に戻っていった。


「……それにしても凄いよね、コルト。二人の子供だからか分からないけど、私達の言ってる事も、やってる事も理解して自分の物にしてる。あれが天才ってやつなのかな……」

 エクレはポツリとそう漏らす。ルナは楽しそうに笑いながら、

「コルトはまだまだだよ。私に一発くらい入れてくれなきゃまだ冒険者には出来ないかな」

「ルナ姉に一発って……私でも出来るかわかんない事を自分の子供に要求するんだ……」

「理想は高くってね、それに、多分近いうちにしてくれるよ。なんたって私とエリーの子供なんだから」

「うーん……やっぱり何度聞いても不思議だよね……エリー姉もルナ姉も女の人なのに子供を作っちゃうんだから」


 先ほどから話題に上がっているコルトは、実はエリーとルナの子供なのだ。一応この世界には、性別を変える薬も無い事は無いのだが、変えられる時間もごく短時間の間。その間に男女の営みを行って、子供を授かったというのは、ある意味奇跡とも言えるだろう。

 そうでなくとも、エルフは寿命が長い分、子供も授かりにくいのだ。そんな諸事情も含めて、回りの人間は奇跡だと言っていた。


「……まあ、エリーに半ば無理やりされてたのは無くも無いけどね……それでも、欲しくなかったかって聞かれたら、嘘になるし……」

 普段は冷静なルナも、こんな話をされると少しは困った表情にもなる。

「ま、どっちにしても今じゃ出来ちゃった後だしね、しかも随分と生意気に育ってくれちゃったし」

 ルナはそう続けて肩をすくめる。エクレは苦笑しながら小さく呟く。

「それは間違いなくルナ姉の影響だと思うんだけどなぁ……」


「何か言ったかな?」

「い、いや、何でも?」

 ルナがじろっとエクレを睨みつける。小声で漏らしたはずのそれを地獄耳で聞いていたのか、エクレは冷や汗を垂らしながら、苦笑いをして誤魔化す。

「そういえばコルト、今日はどうしてるの?」

 話題を変えるべく、エクレは半ば無理やりにでも会話を始めた。

「ん? 今日はステラと二人で特訓だってさ。 ステラもそろそろ前線から退く頃だと思うのに、元気だよね」

「ルナ姉は寿命が延びたからそんな事言えるんだよ……普通ならルナ姉だって、そろそろ前線から退いても良いのにさ」

「エリーに長生き出来る身体に変えられちゃったからね。どうせなら私のやりたい事全部やりたいし、もうちょっと自由にさせてもらうかな。私はそれよりもエクレがハーフエルフだったって事のほうが驚いたけどね?」

「あはは……私は普通に歳を取るものだと思ってたんだけどね……寿命って母方の血に依存するんだね……」


 ルナは見た目も寿命も普通の人間だったのだが、少しばかり特殊な事情があり、自らの体の中に魔神を封じ込めていた。だが、それにも限界があり一時的に仮死状態になり全ての魔神を解放して倒す、などという大掛かりな事を行ったことがある。

 その時にエリーがルナを蘇生させたのだが、その副作用で寿命が数百年ほど伸びてしまったわけだ。エクレは母親がエルフ、父親が人間のハーフエルフの為、見た目は人間で寿命はエルフと同等なのだとか。本人は見た目が十八歳辺りから変わらなくなってようやく気付いたらしいが……


「ふー……ようやく一段落……」

 お昼時のピークも過ぎて昼下がり、厨房も落ち着いて粗方やる事が終わったのか、エリーは二人のいる机を囲んで少し遅れた昼食を取っていた。

「お疲れ様、エリー」

「今日は一段と人が多かったね……流石にこんなのばっかりだと私の身体も持たないよー……」

 エリーは疲れた表情をしながら、自分で作った賄い飯をもしゃもしゃと口の中に運びつつそんな事を漏らす。

 実際、数年前からここミュールを観光目当てで訪れる人間の数がぐっと増えているのは事実だ。詩人の詩の一つにここの名前が出るようになってからだとは思うが、そこまで増えるものなのだろうか、と思うのもある。

 だが、人間の心理など意外と単純で詩人の詩に出てくる地名がいまそこにあるとなれば、一目見に行きたい、行ってみたいと思うのだろう。


「そういえば、いつからだっけエクレがのじゃのじゃ言わなくなったのって」

「う……改めてそれを言われると黒歴史だなぁって自分で思うから言わないでよ……」

 エリーがふと気になった疑問をエクレにぶつけると、頭を抱えて唸っている。恨めしそうにじとっとした目線を送った後に、観念したように深呼吸を一つして、


「別に……いつからとかは無いけど……ただ、いつまでも過去を引きずっててもしょうがないって思っただけだよ。私がどれだけアルティス姉を憎んだって、私のお母さんもお父さんも帰ってこないから。それを分かってたけど……認めたくなかったのよ。 ……でも、それももう終わりって、自分で決めた辺りから……だったかな? 自然と普通の喋り方になったのって」

 エクレは傭兵団で生まれ育ったのだが、とある依頼によりリーダーだけを残して全滅した。エクレはその依頼に向かう直前に神殿に預けられ、両親の帰りを待っていたのだが、その事を聞いたのは預けられ数年が経った後の事だった。

 傭兵団のリーダー、アルティスは彼女に絶対に無事に戻ってくる、と約束していたのだ。幼い彼女は、約束を違えられたと感じ、アルティスの事を心の奥底では憎んでいたのだが、時が経ち冷静に物事を考えられるようになった今、彼女は過去の自分を断ち切るかのように、口調を変えたのだ。


「……ちょっと、辛気臭い話になっちゃったね」

 エリーは申し訳なさそうに、声を漏らす。二人は気にしなくてもいい、と言った様子だったが、やはり言った手前少しは負い目を感じてしまう。

「えっと……ここが海洋亭でいいんでしょうか?」

 からん、とドアのベルと共によく通り、それでいて穏やかな声が聞こえてきた。

「ああ、ここが海洋亭で合っているよ。ここに何か用かい?」

「えっと……ここの冒険者になりたい、と思っているんですけど……」

 どうしたらよいのでしょう? と、冒険者になりたい人間とは思えないほどの気の抜けた声で質問していた。


「あ、それなら私が案内するよー」

 エリーも海洋亭で働いている人間の一人だ。それくらいの案内くらいは出来る。

「まあ、ありがとうございます! 私はシルヴィアと申します。以後お見知りおきを……でしょうか?」

「うん、私はエリシア、エリーでいいよ。よろしくねシルヴィアさん」

 エリーとシルヴィアが話している様子を見て、一人だけ信じられないものを見るような目で見ている人物がいた。


「──シルヴィア姉……なの……?」


「──っ、エクレちゃんっ!」

 シルヴィアはエクレの方に向かって突然、歩き出しぎゅっとエクレを抱きしめた。それはまるで、エクレがそこにいる事を確認するためと、思えるほどにしっかりと抱きしめていたのだ。

「……本当に、シルヴィア姉……なの……?」

 エクレは震えた今にも泣きそうな声で、小さく呟く。シルヴィアはそれに答えて小さく首を振る。そして、身体を離して自らの首につけていたペンダントを開け、中身をエクレに見せる。

「これで……信じてくれる、かな?」

 ペンダントの中には、小さな光る石が入っていた。エクレはそれを知っているし、それを忘れる訳が無いのだ。

「うん……うん……信じる、よ……生きてたんだねシルヴィア姉……」

 エクレはそう言って、シルヴィアに抱きとめられながら嗚咽を漏らしながら子供のように涙を流していた。



 しばらく泣き続けたエクレは、子供のように疲れて眠ってしまい、海洋亭で寝かせておいてもいいがシルヴィアとも話がしたいと思ったエリーはルナと二人でエクレを支えながら、自分達の住む家に戻った。

 何とかして、二階のベッドまで連れて行き、寝かせると三人は一階に降りて机を囲んで座る。シルヴィアは二人に促される事なく、口を開く。

「……泣き疲れちゃったみたいね。ごめんなさいね? いきなりお邪魔しちゃって……ここってエリーさんのお家なんでしょ?」

「そんなに気にしなくていいよ? 誰かが来るなんていつもの事だしね」

「それはそうと、えっと……シルヴィアさん、でいいかな? エクレの事、知ってるようだったけど、二人はどういう関係なの?」

 ルナがエリーが話しているとじれったくなってしまうと感じたのか、本題にさっと切り込む。シルヴィアも、それを待っていたのか示しを合わせていたかのように、ゆっくりを言葉を紡ぎ始める。

「あの娘……エクレちゃんは昔、傭兵団──レッドウイングで生まれて育ったっていうのは本人から聞いてるかしら?」

 それに二人はこくりと頷く。シルヴィアはその反応を見て、続きを語る。

「私は、そのレッドウイングのかつてのメンバーの一人……ではなくて、レッドウイングのリーダーを暗殺するべく暗殺ギルドから派遣された暗殺者でした。勿論、傭兵団に入っているのだから、その一員としての振る舞いをしていたけれどね。で、機会を窺ってるときによく遊んでいたのがエクレちゃんだったのよ。あの娘は私が持っていなかったものを持っていて、心の底では羨んでいたのかしらね……そんな事もあって、よく私と一緒にいたのよ。それで懐かれちゃったのよね」

 大方、こんなところかしら? と、シルヴィアはエリーがいつの間にか出していた紅茶を飲んで一息つく。

「そうだったんだ……」

「暗殺ギルド……その事を明かすってことは、もう無くなっているって事?」

「そうね、あの依頼に向かう直前くらいに、私の居たギルドが潰れたっていう確かな情報を聞いて向かったの。あ、もちろんリーダーの許可は取ったわよ?」

 最後の一言に、普段はあまり物事を考えずに直感で動いているようなエリーでさえ強烈な違和感を持つ。

「うん……? シルヴィアさんは、アルちゃんを暗殺しようとしたんだよね……?」

「そうですよ?」

「それなら……わざわざ許可を取る必要も無かったんじゃないのかな……って思ったんだけど」

エリーは言葉を選びながらそういうと、シルヴィアは大切な事を言い忘れてましたね、と言ってぽんと手を鳴らす。

「私とアルティスさんって、暗殺しようとしてるうちに仲良くなっちゃったんですよねー、それで、それっぽーく報告してただけなんですよ。正直面倒でしたしね?」


「「……はい?」」


「いやー、私ってやりたくない依頼はやらない主義なんですけど、どうしてもって向こうのギルド長が私に言うものだったから……始めはまあまあ真面目にこなしていたんですけどね、そのうちばれちゃいまして……」

「ばれたの!?」

エリーが驚いた声を上げながら聞く。シルヴィアは変わらない調子でばれちゃいましたねぇ、と話していたが、普通ならとんでもない事のはずだ。

「私もバレる直前になるとやる事が大胆というか……半ば投げやりでしたし、見つかったのならこれまでかなぁ、と思って大人しく殺されようと思ったんですけどね、貴方程度ならいつでも倒せるからって生かされちゃいました」

面白い人ですよね、と変わらない調子でアルティスを褒めるシルヴィアにエリーは呆れた声で、

「あー……まあ、うん……アルちゃんなら言いかねないけど……きまぐれっぽいなぁ、それ……」

「実際アルティスさんの気まぐれでしょうねぇ……と、それはそうと、先ほどからアルちゃんって呼んでますけど、エリーさんはお知り合いなんですか?」

「え? あ、うん。そうだよ、私の家のお隣の大きい家がアルちゃんのお家だし?」

「……言ってよかったの、それ……?」

あっ、と慌てて口に手を当てるエリーだったが時既に遅し、だ。


「あ、そうなんですか? それなら今度ご挨拶に行かないとですねーアルティスさんも大方、海洋亭に所属しているのでしょう?」

「え、う、うん……そう、だけど……」

「大丈夫ですよ、ルナさんやエリーさんの思ってるような事はしませんから、そもそも依頼でもないのにそんな事をする理由がありませんからねー、それに仲良くもなっちゃいましたし?」

「変わってるなぁ……」

「うふふ、よく言われます。だからこそ天職だったのかもしれませんけどね?」

くすりと笑みを浮かべるシルヴィアの笑顔にはどこか黒いものが見え隠れしていた。

「……ここに来て、エクレちゃんに会えたのは正直嬉しい誤算だったかな……もう会えないと思ってたから」

小さくそう呟いたその言葉は紛れも無い本心だろう。ティーカップに少しだけ残っていた紅茶を飲み干すと、シルヴィアは席を立って、深くお辞儀をして、

「そろそろお暇させてもらうわね。エクレちゃんが目を覚ましたら私は海洋亭に所属する事にしたからって、言っておいて下さいね。たぶん、エリーさんやルナさんには今後ともお世話になりそうなので、お先に言ってしまいますね」

悪戯っぽく笑ってそう二人に言う。エリーは不思議だけど悪い人ではなさそうだなと、ルナは掴み所のない人だと心の中で思った。


それでは、とシルヴィアは陽の落ちかけているミュールの町へ歩き出していった。

「不思議な人だったねルナ」

「不思議っていうか……掴みどころが無いって言うか……まあ、変わらないか」

エリーとルナの二人は各々のシルヴィアのイメージを二人で話していた。多少差はあってもやはり掴みどころが無いという意見は一致していた。

「でも、悪い人じゃないよきっと」

「……それって元暗殺者に言う言葉なのかな……」

エリーが無邪気な笑みを浮かべながらそういうが、ルナは冷静にそれにつっこみをいれていた。

「別にいいじゃん、今はそうじゃないんだしさー」

「いや、それはそうなんだけどさ……職業柄って案外抜けないものなんだよ?」

むー……と頬を膨らませて無言で抵抗していると、ぽんぽんと頭を撫でられ、

「あはは……エリーには分からないかもね。それよりも、そろそろステラとコルトが帰ってくると思うしご飯作らなくていいの?」

「あ、忘れてた! コルトってば誰かさんみたいにすっごいご飯食べるから沢山作らないとねー」

「……普通に男の子だからでしょ……多分」

そうかな? と、エリーは悪戯っぽく笑ってから台所に向かう。鼻歌を歌いながら楽しそうに料理を作っているエリーの背中を見ながらルナは煩くなるまでの貴重な二人きりの時間に身を任せて微睡んでいた。


「ん……ふふ、この町には面白い人が沢山いそうで退屈しないでしょうね、きっとあの海洋亭の中にも沢山面白い人がいるんだろうなって思うとぞくぞくしちゃいますね」

茜色に染まる空を見上げながら、大通りを歩くシルヴィアは一人呟く。

「それに、エクレちゃんとも会えましたし。私はそれだけでも満足ですけどね……」

ふふっと無意識に口元が緩む。上機嫌のシルヴィアは軽い足取りで大通りの人ごみの中に消えていった。

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