我慢の限界
「キャリー!!」
いつも通りの休み時間。マオが教室でマーキュと楽しそうに話しているキャリーにタックルをかます。
「ゴフッ…な、なんで!?」
「聞いてくれ、またあいつがやらかした。」
くっ…と、悔しそうに顔を俯けるマオ。キャリーはマオの肩に手を置き溜息をつく。
「気持ちはわかる。だが待てもう少し我慢するんだ。」
「今度は何やったん?」
呆れかえった声、マーキュだ。しかし、口一杯にパンを溜めていてはっきり何言っているか分からない。
「心配してくれるのは嬉しいけど、口ん中のもん早く食え。」
「ふぁ~い。」
パンを食べている姿を見て効果音をつけるとしたら『まきゅっ、まきゅっ』。
「まきゅっ、ごくん。」
食事の邪魔をするためにあえて口に出すマオ。ただの嫌がらせだ。
「…で、どうしたん?」
「馬鈴薯の奴、廊下で抱きついてきやがった。お陰で一部の奴等に変な目で見られる。」
先ほどのことを思い出し、そっと目元を拭う。
「しかも、『マオ様、可愛い』だぜ!?ありえない、あいつの精神が分からない。」
息を呑む音が聞こえる。
「な、なんてこった。」
「「パンナコッタ。」」
こうゆう時にネタに走る癖はよくないと思うよ。深刻な雰囲気が台無しになるから。
「ケフン…。それで、そろそろ締め上げてやろうと思うんだが、どう?」
深刻な問題?に頭をフル回転させるキャリーとマーキュ。暫く黙っているとチャイムが鳴り響く。
「おっと、一旦ここは引き上げるか。」
「そうだな。」
ひとまず、考えをまとめるために各々考えることにした。
よく考えると、マオの一言のせいでこんなことが始まるなんて思ってもいなかったマーキュ。彼女に一番被害が及んでいるかもしれない。