WoRLd is BeqTiFuL〜世界は美しくないことない〜
この作品はフィックションでっす!ので、安心してまてください。では、どーぞ☆
僕は山を登っている。
なんて名前の山かは、忘れちゃったんだよ。
でも、山を登っているんだ。
山を登り始めて、一時間くらいかな?
道の隅で、倒れている人を見つけたんだ。
山登りの決まりとして、知らない人でも困ってる人は助けること。
ってなわけで、話しかけた。
「大丈夫ですか?」
大柄な、巨漢だった、口のまわりは髭だらけ。
「ちょっと、足をくじいてしまって・・・」
その人は、くるしそうに足を抑えてそう言った。
「怪我したんですか?応急処置の道具とか、包帯とか、もってないんですか?」
「いや・・・それが・・・」
男の人は、はずかしそうに、かつくるしそうにこう言った。
「あるんですけど、自分の腹が邪魔くさくて見えないんです。手伝って貰えませんか?」
ぼくは笑いそうになるのを堪えながら応急処置をしてあげた。
「はい。食べ過ぎはよくないですよ。」
「すいません。ありがとう。」
男の人は、それからゆっくり、山を下っていった。
それからさらに一時間くらい歩いてたら。
木の陰で蹲ってる女の子を見つけたんだ。
僕は声をかけた。
「どうしたの?」
女の子は泣いていた。
「彼氏にフラレたの・・・それで、自殺しようとして、首をつりにきたんだけど・・・」
そんな事で死ぬの?とか思ったけど、彼女にとっては深刻なんだろうから、真剣にはなした。
「かわいそうだね。でも、フラレたからって死んでもいいことないよ。お母さんやお父さんも今の君と同じくらい悲しむよ。それでも、しぬっていうの?」
彼女は、少し間をあけて、黙って頷いたんだ。
「しぬってことは、とっても苦しいし、怖いことなんだ。ホントにいいんだね」
「だって、
彼女は必死に言った。
父さんも母さんも、あたしに冷たい!家にいないし、仕事仕事って・・・!!
・・・タカシだけだったのに!あたしのことわかってくれたの!!あたし、裏切られたんだ!!もう、いいの。首をつって死にたい。でも、一人じゃうまくいかないの。
お願い、手伝って!」
そして僕は頷いて、紐を一本木にくくりつけた。
「最後にもう一回だけきくよ。ホントに、死ぬの?」
彼女は死んだ顔で、少し微笑んで、ぼくにこういった。
「ありがとう、でもいいの。あなたみたいな人と一緒にいれたら、きっと、もっと長生きできたな。お願い、来世で逢えたら、私と一緒になって。」
頷いた僕を確認して、彼女は最後に、それじゃあ、といった。
彼女は一瞬、低くうめいて、静かになった。
ロープのミシミシ言う音だけが、いつまでも耳に残ったんだ。
辺りが雲に包まれてきた。
あれから30分くらい歩いたかな?
フラフラと歩いている男を見つけたんだ。
後ろから走っていって、声をかけた。
「フラフラですよ、大丈夫ですか?」
男はやつれていた。
「ああ、あなた。すいません、僕の話を聞いてください。」
男はか細い声で、そういった。
「いいですよ、はなしてみてください。」
男は静かに話だしたんだ。
「僕には恋人がいました。幼いころから、ずっと一緒にいて、遊んでました。」
男はそこに座り込んで、僕もそこに座った。
「彼女の親は、ひどい人達でした。彼女の事を、ほとんど僕にまかせて、仕事ばかり。しまいには、一晩、どっちも帰ってこなくて、腹を空かせて泣いてた彼女を僕の家に連れていったこともありました。」
「ほう、それはひどい。それで?」
「そうして、彼女と過ごす内に、この子を一生守ってあげたいって思ったんです。その気持ちを彼女に打ち明けたら、彼女はこういいました。"一生なんていわないで、永遠守ってください"。」
「いい話じゃないですか。それで?」
「僕らはそれから恋人同士になって、3年、幸せにくらしてました。ところが、僕のことを好きだったらしい別の女が、僕をこの山に連れてきて、僕の事を襲ったんです。逆レイプされたんです。しかも、あの女、カナをここに呼び出してて、その光景をカナにみられたんです。」
「ひどいやつもいたもんですね。で?」
「彼女はなきさけんで山を登っていきました・・・僕は絡み付くその女を殴ってすぐ後をおいました。でも・・・」
「でも?」
「みつかりませんでした。きっと彼女、しんでしまったんだ!あぁ、くそ・・・なんでっ!なんで!!」
「まだ死んだって決まったわけじゃないですよ。さがしましょう。」
男は僕に掴みかかっていいました。
「お願いだ!俺を殺してくれ!!カナがいない世界なんている意味がない!!」そして、僕はさっきの女の子の時のように聞いた。
彼は、いいから殺してくれという。
僕は木にロープをくくりつけて、彼に言った。
「どーぞ。最後にきめるのはあなたです。」
彼はしばらく、そこにたちつくして―――。
とうとう登りきったんだ。
長い長い道のりだった。
振り返ると、赤い赤い太陽が、僕に目一杯燈のヒカリを浴びせてきた。
僕は思わず、呟いた。
「うわぁ。綺麗だなぁ。」
どうして人は間違ってしまうんだろう。
簡単に、命を無くそうとするんだろう。
後で後悔するような事をするんだろう。
あんなに綺麗に、太陽が、
「生きろ!」と言っているのに。
「まぁ、別にいっか。」
僕は世界で一番美しい太陽を背に、もときた道を下っていった。
いかがでしたか?ながながとわけのわからない文を読んでいただいて、あらがとうございます。さて、三作目となりましたワールドシリーズ。まだまだ続けていきます。また読んでください。それでは、また後ほど☆