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「好きです!付き合って下さい!」
「えっ?」
突然の告白に私はびっくりしてへんな声を出してしまった。
私、木ノ本紗奈はD組の神林龍に学校の体育館裏に呼び出された。
私と彼は1年生の時に同じクラスだったがほとんど話すこともなく2年でちがうクラスになった。
彼は明るい性格でいつも笑顔で男の子からも女の子からも好かれていて、いわばみんなの中心的存在だ。
そんな彼が私なんかを好きだなんて、嘘っぽい。
「なんで私のこと好きなの?私達、話したことないのに。」
「あるよ!女子が外でバスケしてるとき、男子のほうに飛んで来たボールを俺がキャッチして木ノ本に渡したら、木ノ本が『ありがとう!』って会話したし、そんときの笑顔に惚れて・・・」
それって会話って言わないじゃん。私はそう心の中で突っ込んだ。
「でも、私神林のことよく知らないし。」
「んなこと付き合ってからしればいいじゃん。」
即答だった。
「えっ!でも・・・。」
「じゃあ、3ヵ月だけ付き合って!いいだろっ!」
「ぅん。」
あまりの勢いに頷いてしまった。
こうして私達は付き合うことになった。