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5/13

自覚

今日も疲れた。

マジで疲れた。成長の実感が無いのがこんなにも精神的にキツいと思わなかったわ。




バタンッ!

ベッドに崩れる様にうつ伏せで倒れる雄治。



はぁー

毎日毎日毎日、魔力を練っても一向に湧かない。

マジで無能過ぎだろっ!!



あれは、リリアさんとセブルスさんか。


何の話をしてるんだろう?


リリアさん、あんな笑顔…するんだ……


あの2人はあの2人でお似合いだな……

リリアさんて厳しいけど綺麗だし以外に面倒見あるし、そりゃあ人気だわな。


なんだろう?胸がモヤモヤチクチク…する。



いいよなー。リア充。



◇◇◇◇◇◇◇◇


「これはこれはリリア殿。」


「こんな所でセブルス殿は如何用で?」


「今、勇者様に何か良い訓練はないかと、図書室で色々と。」


「そうですか。やはり魔法は厳しそうですか?」


「えぇ、現状、魔力が全く無い…ですね……」


「そうですか…」


「剣はどうですか?」


「こちらは、凄いですよ!勿論、今すぐに戦闘で活躍出来る訳ではありませんが、暫くもすればこの国の騎士では彼に太刀打ち出来ないでしょうね♪」


「本当ですか?それは、素晴らしいです。」


「えぇ。そんな世界が早く見てみたいです。」


「そうですね♪ハハハハハハハハ」


「ハハハハハハハハ」



◇◇◇◇◇◇◇◇


少し外の空気でも吸ってくるかな


「あら、勇者様!こんな所で!?」


「えぇそうですね。」


レイシアさんとアンドレアさんか……


なんかお似合いだな……この2人。

何の話をしてたんだろう。

レイシアさんニコニコだな。


なんか、胸がチクチクモヤモヤ…する。


何を期待してたんだか……

俺なんかじゃ……到底無理だな。ハハハハ


「では、失礼します。」



◇◇◇◇◇◇◇◇



「レイシア殿、今訓練帰りですか?」


「はい。訓練と言っても私達は基本的には見てるだけですが。アンドレア殿は?」


「私はこれから野暮用なんだ。それで勇者殿はどうかな?」


「素晴らしいですよ。毎回毎回、リリアさんに食らい付いてます。常に全力で、リリアさんも毎回驚いてますよ♪」


「そうか、そうか(笑)それは素晴らしい事だな(笑)彼には大きな物を背負わせてしまって申し訳ないのだが……それを聞いて少し安心したよ。」


「大丈夫ですよ、雄治様は私達の勇者様ですから♪あっ噂をすれば勇者様が来られましたよ!?」




◇◇◇◇◇◇◇◇



散歩から帰宅し薄暗い自室のベッドに腰を掛ける雄治。



しかし、お似合いだったよな~。あの2人……


美男と美女。


何を期待してんだか……


リリアさんも、レイシアさんも綺麗だもんな…


幸せで何より。






俺は…

何も無い……何も…何も………何も無い。


千夏も奪われ…


何も……


才能と同じだな。マジで……




◇◇◇◇◇◇◇◇


「雄治の世界は剣とかなかったのか?」


「剣はこう持つんだ。」


「雄治っ!お疲れ。お前は絶対強くなる。私が言うんだから間違いないぞっ!!」


「雄治、大丈夫だ。お前は私が指導して来た中でも指折りの根性を持ってるからな♪」





「雄治様、この後お茶でも如何ですか?」


「これはケーキって言うんです。雄治様の世界にはありましたか?」


「モンブラン…ですか?雄治様の世界にはその様なケーキが?美味しそうですね?私も雄治様の世界に行ってみたいです。」


「コーラ?喉がシュワシュワするんですか?(笑)少し怖いですね。でも、雄治様がお勧めするなら飲んでみたいですね?」


「他には?どの様な食べ物や飲み物が?」


◇◇◇◇◇◇◇◇

ポタ







ポタ







ポタ






ポタ




ポタ


ポタ


ポタ


ポタ


ポタ


何で、泣いてんだ?俺は…

泣く事なんかあった?


ポタ


ポタ


ポタ ポタ ポタポタ


ポロポロポロポロポロポロポロポロ

ポロポロポロポロポロポロポロポロ



好きだったんだ…

2人の事……

たぶん、恋してたんだ……2人に……

あわよくば、2人の内、どっちかと…

心のどっかでそんな期待をしてたんだ……



だから、辛いんだ…

だから、胸が痛いんだ…



楽しかったな。2人と過ごす時間が…

支えだった。

今日はどんな話をしようかな?ってそれを考えてるだけでキツい訓練も今日までは乗り越えられた。

本当に支えだったのに……


あ~あぁ……

失くなっちゃった。

帰る家も、遊ぶ場所も、癒してくれる人も……

全部失くなっちゃった……


ポロポロポロポロポロポロポロポロ

ポロポロポロポロポロポロポロポロ


苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい


「あぅっあぅっあぁっあぅっ」


胸が痛い。胸が張り裂けそう。

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い


助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて


「あぅっあぅっあぅあぅあっあぅ」


ポロポロポロポロポロポロポロポロ

ポロポロポロポロポロポロポロポロ



泣いちゃ駄目だ。強くならないと。

ハァハァハァハァ!!

スッハッスッハッ!!

ハァハァハァハァ!!

スッハッスッハッ!!


あれっ!?まただ、呼吸ってどうやってするんだっけ?苦しい。息が出来ない。どうしよう、どうしよう。ヤバいヤバい苦しいよ。


ハァハァハァハァ!!

スッハッスッハッ!!

ハァハァハァハァ!!

スッハッスッハッ!!


「あぅっあぅっあぅあぅあっあぅ」


ハァハァハァハァ!!

スッハッスッハッ!!

ハァハァハァハァ!!

スッハッスッハッ!!


苦しい。息が……

泣けば……

楽になれるかな………?


「あぁぁぁぁあぁぁっっあぁぁぁあぁっ!!」


「あぁぁぁぁぁぁぁ!!うぅ……うぅあぁぁぁぁ」


「あぁぁぁぁぁぁぁ!!あぁぁぁぁあっあぁぁぁ」


「がっががが!」

息が……


リズム…リズムをよく息をっ!!

ふぅーはぁーふぅーはぁー

ふぅーはぁーふぅーはぁー



なんとか…息が…息だけは出来る。

ふぅーはぁー

ふぅーはぁー


「ハァハァハァハァハァハァ」






何で……何で……

「俺なんだよっ!!」


「何でっ!俺ばっか!こんな惨めな生活を送らなきゃ行けないんだよっ!!!」


「うぅ…うぅう………」


「何もっ何もっ無いっ!!!!!!」


「才能も女もっ!!」


「何も上手くいかないっ!!!!!」


「何もっ楽しくないっ!!!!!!!」


「うぅ……うぅうぅ…うぅ」


「うぅうぅ…うぅ……うぅうぅ……」


「ふざけんなよ……マジで…」


くそっタレ……


「くそぉがっ!!!!!!!!!」



「あぁぁぁぁぁぁぁ!!」





チラッ

木刀……





木刀か…


息を整えないと。

すぅーはぁー。

「ハァハァハァハァハァハァハァハァハァ」


息を整えないと…

落ち着け落ち着け。

すぅーはぁー。

「ハァハァハァハァハァハァハァハァハァ」



何も無いなら、泣いてる暇あるか?


このまま、死んでいくのか?


NTRて才能無しで、好意を持った女性に好きって言えず、このまま死んでいくのか?




それで、良いのか?



俺はそれで、良いのか?



無能のままで死ぬのか?



このまま死んで良いのか?



才能が無いなら努力しかない。それしかない。



俺に帰る場所なんて無い。だから、死も怖くない。何かあの日から全てどうでもいい。


でも、このまま死ぬのだけは嫌だ。それだけは嫌だ。負け犬のまま無様に死ぬなら、せめて足掻く蔑まれ様が、笑われ様がやって駄目ならたぶん納得する。


どうせ、無能で時間だけはあるんだ。女に気を配って泣くくらいだ。時間はあるんだ。使い方が悪かっただけだ。時間はあるんだ。

もっとだ!もっともっともっと木刀を振り、体力作りをしてハードにワークをしなければ。


俺は負け犬なんだ。ピーピー泣いて吠える時間があるか?

ねぇだろ?俺っ!!

今は堪える。


怒り、不安、恐怖、悲しみ何でもいい。

木刀を振れる原動力になれば何でもいい。


世界を救う?


人々を助ける?


そんなものは後でいい。先ずは自分を助けないと。


自分の為に木刀を振る。


シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ

シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ

シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ

シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ



1日1000回じゃ足りない。先ずは5000回で行く。

今までのセットを後、5回すればいいだけ。


無能に寝る時間なんて無い。

こんな、自分を好きになれる様に何が何でも1日5000回の素振りだけは続けよう。





◇◇◇◇◇◇◇◇


「よしっ!雄治、今日からは打ち込みもやる。その木刀で私に打ってこい。」


「ハァハァハァはいっ!」


「よしっ!今日はここまでだっ!」


「はいっ!ありがとうございました。あの~リリアさん。」


「どうした雄治?」


「リリアさんとの訓練以外でもここを使わせて貰えないですか?」


「あぁ、いいぞ!だが、日によっては国王軍の騎士が訓練で使う時があるかもしれないが。」


「その時はお譲りします。」


「いや、構わないよ。見ての通り、ここは広いからな。気にしないで存分に使っていいぞ。」


「なにアンタ急に目覚めたの?」


アイナ・テプールか…コイツが居ると気分がマジで下がる。


「まぁ、そんな所。」


「アンタ、才能無いもんね♪その感じだと魔法が使えないんでしょ!?隠しても無駄よ(笑)精々努力しなさいよ~」


「別に隠してる訳じゃないよ。その通り俺に才能は無い。0だ0。だから努力する訳じゃない。自分を愛する為に好きになる為に努力するんだ。才能の塊の君には理解出来ないと思うけど。」


「アッハハハハハ!!!何それ!!アンタ、ウケる(笑)まぁ頑張って~」


「雄治……まぁ無理の無い程度でな。」

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