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リリアと鉢合わせ



「この様な場で申し訳ないが、雄治殿感謝する。此度もまた、御主に救われたのじゃ。」


「いえ、当然の事をしたまでですから。」



魔人の襲撃から翌日の事。

半壊した城で国王に呼ばれ感謝をされた雄治。


「正直な話、雄治殿が勇者として召喚され何の能力も持たないと聞いた時、鷲は絶望したが今では希望じゃ。本当にありがとう。今回も報償を考えているのだが、金でいいかのう?」


「ありがとうございます。ですが、今回の報償分のお金は街の復興にあててください。私は毎月、多額の給料を頂いてますので。」


「…」


「後、今月から3ヶ月の私の給料も復興に回して貰って大丈夫です。」


「ゆっ雄治殿、正気か?」


「えぇ。それよりも、これからの事を話しませんか?」


「わかった。復興の件は有り難くそなたの提案を受けるとしよう。で、これからとは?」


「えぇ、魔人との戦争を終わらせます。」


「「ッ!」」


「それは、雄治殿は…ダーディムを倒せると?」


「えぇ。まぁ倒せるかどうかはかりませ。ですが、俺がやらないと。」


「でっでも、魔人の居場所は?我々も詳しくは把握しておりませんよ?」

話し合いの場で初めてハデルが口を開く。



「大丈夫です。俺にはこれがあるので。」


「それは…ガイル王国の国旗っ!なぜそなたがそれを?」


「実はライルで倒した魔人との戦闘中に気を失って、そしたら現実と隔離?されてる様な世界で目を覚まして、その時に伝説の勇者ガレス・ガイルに授けて貰った物です。」


「そんな事が……」


「えぇ恐らくですが、この印の影響か知りませんが俺にはアイツらの位置がわかります。だから、俺は行ってきます。」


「…」


「いつも、魔人には襲撃されてばかりだから、ここで先手必勝として今度は俺が襲撃してきます。」


「それは、勝算はあるのか?」


「勿論あります。ただ、ダーディムがどれくらい強いのかわかりませんから、何とも言えないと言うのが本音です。」


「そなたはもう、決心したのじゃな?」


「えぇ。」


「なら、雄治殿。儂らは毎回、そなたに頼んでばかりで申し訳ないのじゃが、必ず生きて帰って来てくれ。それが、儂からのお願いじゃ。」


「はい。では、失礼します。」




◇◇◇◇◇◇◇◇



「雄治!!」


「リリアさん、昨日ぶりですね。」


「雄治は体の方は大丈夫か?」


「えぇ、大丈夫です。」


「そうだ、雄治にこれを渡そうと思ってたんだ。初めて作ったから不恰好だけど…」



ふぅー。

これで死んだら、もう会えないし言おう。

今までの感謝と気持ちを。

ふぅー はぁー。

いきなりだから、緊張するな。


落ち着け。落ち着け。

ふぅー。はぁー。


「リ…リリアさんっ!」


「…どうした?……やっぱりいらないかな…?」


「いえ、本音を言えば欲しいです。でも、止めときます。俺はこれからダーディムの所に行きます。戻ってこれるかわかりません。だから、最後になるかもしれないので言います。聞いてください。」


「あぁ。」


ふぅー はぁー。



「俺はリリアさんに憧れてました。それは騎士としてではなく1人の女性としてです。何の能力も無い俺が烏滸がましい話ではありますが…俺はリリアさんの事が好きでした。いや、これも失礼だな。俺はリリアさんとレイシアさんが好きでした。今まで、無能な俺の訓練に付き合ってくれてありがとうございました。それでは失礼します。」


「まっ!待ってくれ!!」


「はい?」


「私もだ!私も雄治の事が好きなんだ。27歳の私が…一回り近く年が放れている私が言うのも笑われるかもしれないが、私は雄治の事が好きなんだ。お前があの、騎士に絡まれてから私との訓練は終了してしまった。そこから、私は…私は人生の楽しみを奪われてしまった。だから、雄治!最後なんて言わないでくれ。」



そうか…

リリアさんも好きでいてくれたんだ。


嬉しいな。

でも、不思議と清々しい気分だ。

あの時と違って男女の関係になりたいって気持ちが全く無い。

恋心を忘れられたって事…かな?


なら、自分に課した道をちゃんと歩めてるって事かな。

これまでの経験は無駄じゃ無かったのかな?


言った。言いきった。

伝えられた。

自分の気持ちを伝えられたからか、満足だ。

本当に満足。

強がりも見栄も無い。

心が晴れ晴れとしてるよ。



そしてリリアさん。

ありがとう。

俺に剣を教えてくれたのがリリアさんで良かったよ。

何度も何度も励ましてくれて、根気強く剣を教えてくれて。貴方との訓練は俺の財産だよ。

彼女をNTR後に貴方と出会えて良かったです。

こんな無能な俺を好きになってくれて、本当にありがとうございます。



「フフフ(笑)ありがとうございます。リリアさんなら、俺よりも強くてカッコいい人がお似合いですよ?それでも、さっきのリリアさんの言葉がどこまで本音かわかりませんけど、こんな俺を好きになってくれてありがとう。そして、さようなら。」



「あっ……」




◇◇◇◇◇◇◇◇


雄治!


待って…行かないでくれ……


私も…私も行く。


雄治…


何で?

何で?


声が出ないんだ?

声が…


「あ…ま…ま…て……」

上手く喋れない。


雄治。私を置いてかないで……

雄治…私じゃ駄目か……


私は雄治じゃなきゃ…

お願い雄治。

また、一緒に訓練をしようよ。

今度は、街を出掛けよう?巷ではデートって呼ぶんだろう?


こんな、気持ちになったのはお前が初めてだったんだ。お前の顔が見れる日が待ち遠しくて待ち遠しくてあの時は1人で舞い上がってたよ。日々強くなっていくお前の成長に私は師として喜んでいたと思ってたが、違ったよ。私は騎士としてお前に接してるつもりだったが私の本心は女としてお前に接していたよ。


わからなかったよ。自分が……

お前があの騎士達にやられた時、私は本気でお前を抱き締めて、もう2度とその手を放すつもりはなかった。


雄治…


待ってよ……


雄治は乗り越えたんだな……

どんどん強くなっていく。

それに比べて私は…



人を好きになるってこんなにも美しくて儚いんだな……



ありがとう雄治。

私の事を好きになってくれて。

私と出会ってくれて。


恋ってこんなにも、胸が苦しくなるもんだな…


今日は瓦礫の撤去なんて出来そうにないや。



今日は雨か……



窓から差し込む日の温もりを感じ自室に帰るリリア。


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