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新型魔力兵器


「遂に完成したか。これで、魔人を蹴散らしてくれるわ!!」国王。


「えぇ。遂にですね。これで、戦力が好転してくれればいいのですが……」ハデル。



「やっと、やっとですね。これで、魔人に対して強く出れますね。」アンドレア。


「よしっ!早速、試運転と行きましょうや!!」

 ジャッジ。


「ジャッジよ、そう焦るな。戦いと同じだ。焦りは禁物だろうよ。」アイス。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇




 あれ、裏庭ってどうやって行くんだっけ?

 これじゃハデルさんに待って貰えば良かった。

 急にお腹が痛くなるんだもん。

 生理現象、生理現象。


 トイレにいっといれー


 …


 …


 心細い…

 こういう時に限って誰ともすれ違わないんだよな。



 行ったきり戻れないよっ!!

 どうやって裏庭に出るのっ!!


 …


 あれっ?


「セブルスさん?」


「おや?こんな所で。」


「セブルスはどうしたんですか?」


「私は重要な打ち合わせが控えていてな。これから向かう所だったんだ。」


「そうですか。」


「君の活躍は定期的に聞いてるよ。自分の事の様に誇らしく思うよ。それに赤い魔人を倒したんだって?凄いじゃないか?」


「まぁたまたまですよ。」


「そう謙遜する事もないと思うぞ?それで、君は何をしているんだ?」


「はい。裏庭への行き方がわからなくて…」


「フハハハ(笑)なら、私が送るとしよう。付いてくるといい。」


「ありがとうございます。」






「そこの入り口を開ければ裏庭だ。また会おう。私はこれで。」


「ありがとうございます。はい。またどこかで。本当にありがとうございました。」




 ◇◇◇◇◇◇◇◇



「すいません。遅れました。」


「おぉ勇者殿!これじゃ、これが出来たのじゃ!!」


「これは?」


「うむ。これはそなたと同じ人類の希望の一つ新型魔力兵器、その名もバリスタじゃ。」


「バリスタ?」


「この大きな大砲に魔力を流し込んで撃つ。撃てば最寄りの魔人に対して当たるまで追尾する、正に人類の希望じゃ!!」


 追尾?

 マジで!!そんな事出来るの?


「では、今ここで撃てば遠くの魔人を討伐出来る訳ですね?」


「いや、それは厳しいのう。この大きさじゃ、反動が大きい。その青い所から中に入れるのじゃが、そこに入って撃たないと振動で回りの建物から人まで粉々じゃ(笑)」


「えっ!?じゃあどうやって使うんですか?」


「うむ。こちらを裏庭から我が国の南の砦アスファルト領の何も無い広大な場所まで輸送しするのじゃ。仮にここから撃てたとしてもターゲット認定には100kmが射程圏内らしいのじゃ。だからアスファルト領で使う方が良かろう?」


「えぇ、そうですね。」


「フフフ。雄治殿、この新型魔力兵器バリスタと雄治殿が居れば百人力ですぞ。一刻も早くにお披露目したい所です。」ハデル。



 いや絶対、バリスタの方が戦力でしょ!?

 俺、こんな化け物兵器と同じ扱いなの?

 やめてほしいんだけど…

「えぇ、そうですね……頑張ります…」


「それで、輸送日はお決まりで?」


「うむ。アンドレアよ、その事なんじゃが…早い方がいいじゃろ?今はリリアがアスファルトにおるから同じくらいの強さを誇る騎士を3~5名程、護衛を付け様と思っとる。皆の意見を聞かせてくれぬか?」


「私は賛成です。」

「俺も賛成です。」

「私もです。」


「勿論、私も賛成です。こうなるとおもい一応、私の方で護衛の騎士はリストアップしてあります。」


「うむ。流石、ハデルじゃ。」



 こんなデカイんじゃ、転移は無理だわな。

 転移魔法陣がある部屋にそもそも入らないしな。


 これが、あれば俺いらなくね?

 だって追尾でしょ?

 しかも、話を聞く限り攻撃力、高そうだし…


 …


 う~ん。

 どう考えてもいらないよな…?

 違う?


 これでさ後、赤い魔石の魔人に3発、ダーディムに1発で全て終わらね?

 ジ・エンド。

 正にバリスタ・ザ・エンド。


 はいっ!お疲れっ!!!!!


 どの世界も結局は兵器ですよ。

 刀、クナイから銃になり気が付けば兵器。殺戮兵器の登場で終わり。チャンチャン。


 仮に、バリスタで上手く魔人を全滅させられたら俺って帰れるのかな?

 そこ、重要だわ。



「雄治殿は如何か?」


「はい。俺も賛成です。一刻も早くに魔人を全滅させましょう!!」


「フハハハ(笑)そうだな。そうだな。」





 ◇◇◇◇◇◇◇◇



「皆の者、必ず送り届けてくれ。これは儂達だけでなく、全人類の希望じゃ。よろしく頼む。」


「「「「「はっ。」」」」」


「我々5名の騎士が国王軍としての矜持を胸に必ず送り届けてみせます。」


「うむ。よろしく頼む。」




 ◇◇◇◇◇◇◇◇



 全人類の希望、新型魔力兵器バリスタがガイル王国南の砦アスファルトに到達する事は無かった。



 それは、ガイル王国王都を旅立ってから4日目に起きた。アスファルト寄りの中間地点で起きた。


「これが、新型魔力兵器ですか。」



「お前は…」


「魔人っ!魔人だっ!!」


「赤い魔石だっ!!構えろっ!!」


「行くぞっ!!」


「フフフ。貴方達では私には勝てませんよ。」





 ◇◇◇◇◇◇◇◇



 転移を使わず馬車で行く場合、王都から南の砦アスファルトまで通常6日。


 到着後、常勤している聖女2人の内、どちらかが連絡してくる手筈になっていた。


「国王様っ!!」


「おぉ。キロロか。」


「はい。聖女キロロ・ベルカンプでございます。」


「到着したかっ!?」


「それが予定の時刻を過ぎても到着しておりません。予定では今日でしたよね?」


「来てない?」


「はい。その様な報告は上がっておりません。」


「ハデルよ。どういう事じゃ?」


「…どういう事でしょう?」


「何かあったのでは?」


「う~む。只でさえ、自走出来るバリスタに不測の事態など考えられぬがのう。」


「では国王様、王都とアスファルトから調査団を組んで調査をするのは如何でしょう?」


「そうするか…ではキロロ、そなた達からも調査団を組んでくれ。王都とアスファルトの間で何があったか調べてくれ。」


「はい。畏まりました。」






「ハデルよ。我々は雄治殿に頼むとしよう。彼ならまた解決してくれるかもしれん。」


「えぇ、すぐに呼んで参ります。」




 ◇◇◇◇◇◇◇◇




「雄治殿、お主を頼ってばかりで申し訳ないのじゃが…」


 えー。

 何っ何っ何っ!!

 また、ダルい案件?

 嫌なんですけどっ!!



「新型魔力兵器バリスタが到着予定時刻を過ぎても到着していないのじゃ、これを調査して欲しいのじゃ。」



 ほら出たー!!

 ダルい案件…


「え~と、調査って具体的に何をすれば?」


「南の砦アスファルトまでの道中で何があったのかを調べて欲しい。バリスタの車輪の後があるはずじゃから、それを追跡して欲しいのじゃ。」



 まぁそれくらいなら…

 と、言うか今までで1番、楽じゃね?

 調査して終わりでしょ?

「はい。なら、直ぐに行きます。」


「待つのじゃ、ハデルよ。例のあれを。」


「はい。畏まりました。」


 ハデルは少し大きめのポーチを雄治に渡した。



 ん?

 バッグ?

「これは…?」


「それは、アイスが開発した魔法が使えない人物でも使用できる収納バッグじゃ。中には多めに15日間分の食料と簡易テントや寝袋が入っておる。」


 マジで!?

 凄くね!

 アイスさん、ありがとう。

 後で、直接お礼を言おう。

「ありがとうございます。では、お借りします。」


「いや、それはそなたの為にアイスが作った物じゃ。じゃから、それはそなたの物よ。」


「ありがとうございます。」





 ◇◇◇◇◇◇◇◇




 車輪の後を追っていけば問題ないか。

 氣を放出して一気に駆け抜けるか。



 スパワーンッ!!

 雄治の体から大量の氣が放出された。



 よし、出来れば今日で終わらせたいんだけどな…

 早く帰って訓練をしたいんだけどな…


 今、ガレスさんから授かった印のお陰で氣の放出時間が凄く延びた。今、1回の最大時間は15分20秒前後。これを延ばしながら、もっともっと強くならないと。



 ん?

 あれじゃね?

 誰かいる?

 何だ?



「あの~。」


「はい?」


「すいません。国王様から調査の命を受けた戸川 雄治と申します。え~と…」


「貴方が勇者様ですね。武勇はこちらまで届いておりますよ。私はキロロ。キロロ・ベルカンプです。南の砦アスファルトに聖女として常勤しております。雄治様、よろしくお願いします。」



 聖女なのか。

 確かに、よく見ればそれっぽい姿をしてたわ。

「そうなんですね。こちらこそ、よろしくお願いします。それで…」


「えぇ私達も先程、発見をしまして……これをどう取るかで変わってきますよね?」


「どう取るとは?」


「雄治様もおわかりの通り、新型魔力兵器バリスタは自走且つこちらの意のままに行動出来る兵器です。なので、エネルギー不足ならまだしも、この様に横転などしないはずです。それに、ボロボロ…」


「襲撃ですね…」



「キロロ様っ!!」

キロロの護衛達が慌てながらキロロを呼ぶ。


「どうされました?」


「向こうにっ!向こうに国王軍の騎士達の死体がありました。」


「「ッ!」」




「これは…今すぐアスファルトに連絡をして人を呼びましょう。死体回収とこの地で何が起きたのか…それを調べましょう。」



 おいおい、マジかよ…

 また、このパターンかよっ!

 絶対、魔人とかじゃないの?

 もうーこうやって巻き込まれていく……


 だけど、1番の問題はそこじゃない。

 これが魔人の仕業なら、どうやってここまでたどり着いた?言い方が悪いけどこの人達、騎士は単純に邪魔だから殺された。1番の狙いは新型魔力兵器バリスタの破壊だと俺は思うんだけど…


 と、なると……


 なぜ?

 魔人はバリスタを知っていたのか?

 魔人が輸送中のバリスタを破壊する事自体はわかる。理にかなってる。


 だが、どうやってたどり着いた?

 確か王都からアスファルトまで中6日って言ってた気がする。

 6日とは言え、ピンポイントで狙えるか?

 普通に考えて、無理だろ。

 なら、どうやって…



 答えは…



 内通者が居る。

 ガイル王国に裏切り者が居るんだ。

 だから、いつ新型魔力兵器バリスタが完成して、いつ輸送するか把握出来た。


 誰だ?

 誰が内通者だ?



「雄治様…考え事ですか?」


「えぇ少し。」


「向こうにハーブティーをご用意しました。ご一緒に如何ですか?」


「えぇ頂きます。」





「アスファルトからの増援が来るまで3日と言った所でしょう。雄治様は野営出来るご準備は?」


「はい。まだ確認してませんが、このバッグの中に入ってるみたいです。」


「そうですか。なら、良かったです。約3日ここで過ごさなければいけませんから。」


「3日かー。長いですね(笑)キロロさんは聖女…?なんですよね?」



「えぇそうです。雄治様はこれまでずっと王都に?」



「いえ、少し前までバラガン帝国南の砦ライルの方に援軍として行ってました。」



「あっそうでした、そうでした。すいません、私も少し考え事をしていて、どうかしておりました。ライルでは確かアイナとご一緒でしたよね?」



「えぇ。」



「後は、王都だとレイシアが居ますよね?」



「えぇ。」



「その彼女達と同じ聖女です。常勤は南の砦アスファルトなので、これまで雄治様とお会いする機会はございませんでしたが。」



「えぇ、まさか初対面がこんな形とは…なんと言うか…変な出会いですね。」



「変な出会いですか?フフフ(笑)確かにそうですね。それで、この話が終わってくれればいいのですが…」



「魔人ですか?」



「ッ!!」



「そんなに驚きますか?おそらく魔人による被害が1番しっくり来ますよね?」



「えぇ。すいません。私が考えていた事と雄治様が仰った事が一緒だったので驚いてしまいました。ですが、問題はそれだけではありません。」



「内通者。」



「フフフ(笑)流石ですね雄治様。そうです、ここに来て内通者の存在が出てきました。どうして魔人は新型魔力兵器バリスタの存在を知っていたのか?どうして輸送日時を把握出来ていたのか?」


「えぇ。」


「それに、雄治様はお気づきですか?」


「何をですか?」


「この場所です。」


「場所?ここが何か重要って事ですか?」


「いいえ、この場には特に何もありません。ただ重要と言えば重要だったと私は考えています。ここは王都からアスファルトまで道のりでアスファルト寄りの中間地点になります。」



 アスファルト寄りの中間地点?

 中間地点?

 …

 中間地点…

 ここで、俺達もしくは別の調査をしに来た猛者を足止め出来る?って事か…?


「ここで我々を足止め出来る?」


「えぇ。間違いありません。しかし、それだけではありません。私の知る限りの情報を整理してもよろしいですか?」


「はい。お願いします。」


「雄治様は武術大会で額に赤い魔石を埋め込んだ魔人と対峙したと聞きましたが?」


「えぇ、ですがあの時は対峙と言うほどではありませんでしたが、その後にその魔人とはライルでも会いましたね。」


「確かにその様に伺っております。そして雄治様がライルで倒したのはその魔人ではなく、あくまで同格指定の別の魔人…ですよね?」


「えぇ、別の魔人です。最初に出てきた魔人はライルではいつの間にか消えていました。それに、赤い魔石を埋め込んだ自分達の事を四将と言ってましたね。だから、最初に出会った男の魔人、ライルで倒した女の魔人と別に同じくらいの魔人が後、2人居ると俺は考えてます。」


「言葉通りなら、私もその考察をします。話を戻しますが、最初に姿を現した男の魔人は雄治様の強さを知っている訳ですよね?それは、自分と同格の魔人を倒せると?」


「まぁそこは知ってると思いますよ。」


「後は魔人がどこまで我々の政治的な外交を理解しているかによって話が変わってきますが、龍神属の国であるバラガン帝国の南の砦ライルに人間の勇者が援軍として来ている。この認識を仮にその男の魔人が持っていた場合……」


 ヤベー。

 頭が理解出来ないぞ……

 何だ?その認識を魔人が持ってたら…

 どうなるんだ?

「場合…?」


「その場合、おそらくですが狙いは新型魔力兵器バリスタの破壊及び雄治様の足止めではありませんか?」


「足止め?」


「えぇ、バリスタを中間地点で壊せば誰かしらを調査員として派遣する。ライルという他国の砦に援軍として勇者が派遣されている実績から今回の調査員筆頭は雄治様だと推測出来ます。」



 そういう事か。

 なるほどね~。

 ってか、この人頭キレキレじゃね?

 なんか諸葛亮みたいじゃん!!

 諸葛亮キロロ……


 …


 凄くね?

 やっぱ、聖女も色んな人が居るんだな。


 この人が王都を離れて砦の守護を任せられている意味が少しわかった気がする。

 この人いたら、異常事態も直ぐに解決出来そうだし。

「すいません。理解出来ました。後、キロロさんの凄さも理解しました。改めて仲良くしてください。お願いします。」



「フフフ(笑)雄治様は素直ですね(笑)」









 作者より

 ☆ありがとうございます。

 嬉しいです。

 これでヒロイン全員が登場しました。

 カクヨムだと予約投稿が設定されているのでおわかりだと思いますが、予約投稿分でこの作品は完結になります。予定だと3/15です。なのでもう少しだけお付き合いして頂けると幸いです。3/15日分は本編1話分とキャラクター紹介、補足、初期案を1つにまとめましたので合わせて2話分の投稿になります。


 皆様のお力により、なろうで日間85位と木曜日から週間150~200位を記録出来ました。

 後、1つの目標だったキャラクターに対してのコメントをなろうでもカクヨムでも頂けて感激しております。

 コメントして頂いた方、本当にありがとうございます。


 他の作品と比べるとPV含めて決して誇れる様な数字ではありませんが私にとっては大きな大きな出来事でしたのでこちらで報告させて頂きます。

 雄治みたく、コツコツと励みます。





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