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私事について  作者:
27/37

19、閉店について ①スーパー銭湯

19、閉店について


①スーパー銭湯


 2017.12

 当時働いていた会社は残業が多かった。(振り返ってみればこの時期だけだった)

 ずっと立ちっぱなしの仕事ということもあって、疲れが抜けきらないまま毎日働いていた。残業代が出るから、ある程度は好きなものを食べたり、銭湯に行って体を休めるのもいいだろうと思った。体を壊して仕事ができなくなるのが一番まずい。


 そういうわけでそのころは週に1度、日曜日の早朝にスーパー銭湯に行くことにしていた。その銭湯には露天風呂があって、私は雪の日に露天風呂に入るのが好きだった。乙な感じがしたからだ。


 私は人が多いのが苦手なので、まだ人の少ない(と思われる)午前7時前くらいに行くことにしていた。その時間帯なら人影はまばらだった。

 毎週同じ曜日、同じ時間に行くと、同じく日課にしているのだろうか。いつも同じ親子連れに会った。別に挨拶をするわけでもないのだけれど、なんとなく仲がいい家族なのかなと微笑ましく思っていた。



 外に出る前に一通り巡る。電気風呂、薬湯、若干ぬるい湯船、種類はそれくらいだった。サウナと水風呂もあったけれど、私は倒れてしまいそうなので利用していなかった。

 

 雪が積もっている日も風情があっていいけれど、雪が降っているとなおよい。

 冷たい空気と暖かい湯船、雪が溶け、湯気が立ち上る様子をぼうっと見ていた。

 露天風呂に入った後、壺湯(これも外に置いてある)も空いていればそこにも少し入る。私は壺風呂も好きだったりする。1人1つというのがとても安心する。

 

 風呂上がりに何か飲むときもあれば飲まないときもあった。飲まないときは、アパートから銭湯への通り道にある牛丼屋に入って朝の定食を食べて帰ることにしていた。いい休日の過ごし方だったと思う。


 結局、春が来るころには仕事はそこまで忙しくはなくなって、銭湯にも通わなくなった。けれど、冬が来て雪が降り出す時期だけは利用することにしていた。


―――――――――――――――――――――――――


2020.冬~

 実を言うと、当時のことをよく思い出せない。

 とにかく行かなかったのは間違いないのだけれど、もしかしたら休業中だったかもしれない。新型コロナウイルスの影響で銭湯の売り上げは下がったと聞いていた。

 そんな風にして行かないうちに、2023年の年始に銭湯は閉店してしまった。



 2023年の後半からは新型コロナウイルスの分類が変わったこともあってか、銭湯に行くことにも抵抗が減ったように思う。

 雪が降り始めるとやはり露天風呂に入りたくなるのだけれど、他の銭湯に行ってもどうにもしっくりこなかった。朝早くにもかかわらず、人口密度が高すぎるのだ。昨今の情勢下で、銭湯の閉店が続出しているせいもあるのだと思う。行き場をなくした人々が現存している銭湯に集結しているのだ。(大げさなものいいだけれど)


 私はやはり人が多いのが苦手だ。(自分勝手なことを言っている自覚はあるのだけれど)そういうわけでここ数年は銭湯に行っていない。


 今年は水虫になっているということと、無職になっているということもあって、当分行くことはできない。無職はともかく水虫は駄目だ。


 

 同じような体験をしようと思っても、やはりそれは無理なんだなと思いました。悲しいけれど、あの時の感覚も風景もその時だけのものですよね。

 

 極端なはなし、なにもかも一期一会ですよね。

 同じ川に二度入ることはできないと言われるように、同じお湯にも二度つかることはできないのかもしれません。


 あのころ、経験できたことは幸せだったと思います。


(完)

読んでくださり、ありがとうございました。

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