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私事について  作者:
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17、悩みについて

17、悩みについて


①話せないということ


202X.1.1(雪)

 午後4時過ぎ、アパートのポストを見ると年賀状が2通届いていた。

 車の整備店と友人からのものだった。友人とは何年か前、結婚式に呼んでもらって、それきり会っていなかった。

 勇気を出して裏返してみると、また子供が産まれて大変だと書いてあった。

 私はそれを見て辛くなった。もちろんこういう時は子宝に恵まれておめでとう、と言わなければならないし、もちろんその旨と遅れて申し訳ないという文を入れて年賀状を出した。(私の勘では今年は送られてこないものと思っていた)


 私は年賀状を持っていなかったので、元旦の営業時間を調べて車で大きい郵便局に向かった。郵便局で年賀状1枚と、自販機で缶コーヒーを買う。雪の日は車で出かけるだけで一仕事終えた気分になる。

 その日のうちに年賀状を書いてポストに投函した。



 他人の幸せを見せられるのって辛いな、と思ってしまった。

 実際幸せなのかどうかは本人にしかわからないことだけれど、今回の年賀状は、腹が減っている自分の目の前で、美味しそうなものを食っていて、なおかつ本当は食べたくはないんだけどね、と言われているような感じがした。

 面識のない家族連れが楽しそうにしていても、あら、いいですね、と思うくらいの心は持ち合わせているつもりだ。そう考えるとどうしてこの場合だけ、しんどく感じるのだろうか。


 考えた結論としては、悲しいけれど、私はその友人のことが好きでないということだった。

 事細かに嫌いなところを書くのも感じが悪いし、というかこんなの書いている時点でよくないとは思うけれど、1つだけ怒るべきだったなあ、という所を挙げると、昔小説を書いているのがバレたことがあったのだけれど、それを馬鹿にされたことがあった。読んでもらって馬鹿にされたなら、まあ辛いけれど仕方ない。

 ただまあ読みもしなかったんだよなあ。ただ書いているという事実を笑われた、というね。まあ、でも彼はそういうところあるからなあ、流したけれど、やっぱり嫌だったなあ。(ちなみにその小説は1次選考も通らなかった)

 というか、そういうことをする人はまあ友達ではないですよね。結婚式に呼んでくれたのも、なんというか他に人がいなかったからだろうなあ、と思う。我ながら感じ悪いなと思ってきたので、もう止めます。すいません。


 年賀状じまいというのが流行っているとニュースで耳にしていた。

 「郵便代も上がっていることだしお互い面倒だろうから、これで年賀状じまいにします」と書いておいた。本当は単に私が辛いというだけなのだけれど。


 その後、連絡は一度も取っていない。まあ、そういうわけだから年賀状じまいして正解だったのだ。


――――――――――――――――――――――――


2025.X カウンセリングにて


「なんかいつも、自分の話は聞いてもらえないのに、相手ばかり自慢話とか悩みとか愚痴を自分に話してこられるんです」


『……』


「まあ、それはいいんです。話してこられるのも悩みを打ち明けてくれるのもそれはいいんです。でも……なんか、俺の話は誰も聞いてくれないんです」


『話しにくい?』


「いや、話せないわけじゃないんです。ただみんな露骨に興味ないって感じを出してくるんですよ。自分の悩みとか話したら……。電話だったら、向こうが言いたいことだけ言ったらスッキリしたから切るわ。みたいな感じのときも結構あって……。なんで俺ばかり気を遣わないといけないんだろうって。そんなんだったら、もう自分から話す気にならないというか」


『でも……あなたには話しやすいのかもしれないですね。優しそうだから』


「でも今まで人に親切にして……見返りは求めずにとか……あ、いや、なんでもないです」


『……』


「これって、友達と呼べるんですかね。なんかサンドバッグというか。いやこれを言ったらサンドバッグに失礼かもしれないですけど、一方的すぎると思うんですよ。友達って、完全に対等とはいかなくても……対等ではないからこそ、なんか思いやりとかで、対等であろうとするべきなんじゃないですかね」


『……1度距離を置いてみたらどうです』


「距離置いたんです。もう嫌になって、今精神辛いからって言って、連絡切って……。もういいように使われるの嫌だなって。それでその結果、もう独りやなあって」


『……でも、結局その友達がいても話せなかったわけですよね。そう考えると……それほど悔やむことでも……ないという見方も』


「35年生きてきて、これが人生の答え合わせっていうか、採点結果というか。何も残ってないというか、なにも得られなかったのかなあって。まあでも結局、自分自身が価値のない人間だから周りの人もそういう人しか集まらなかったのかな……みたいなこと思ったり」


『……今まではそうだったかもしれないですけど、これから先もそうとは限らないんじゃないですか』


「いや、でもほんと……」


 カウンセラーの方を困らすなよ、という感じですが。


―――――――――――――――――――


 悩みを話せないと嘆いてはみたけれど、実際話してもどうにもならないと自分自身認識している。特にそんな人たちに話しても何も解決しないだろう。話すだけでも気が楽になるというのはあるけれど。

 その当時、そういう人たち以外にも、少し離れたところにそうではない人たちはいた。ただそういう人たちにも話せなかった。そもそも解決しようがないということもあるけれど、自分から見たら相手が立派すぎて、恥ずかしくて言えなかった。困らせるのも嫌だった。だから結局話せる人は誰もいない。

 

 私が腹が立っていたのは、不公平なところと、その人たちは私の気持ちを微塵も考えたことがないのだろうな、という点についてだった。そして私はその不満を面と向かって言う度胸のある人間でもないし、言ったとしても関係がよくなるとも思えなかったから、だから縁を切るしかない。


 これを読んでくださっている方は、こんなことを書いて大丈夫なの? 友達に読まれたらまずいんじゃないの? と心配してくれるかもしれないけれど、まあ読まれることはないですよ。今まで書いたものも。


 もし仮に読まれたとしても、それが自分のことだとは気づかないと思います。もしも「おい、この思いやりのないやつって俺のことだろ」と怒られたら、それは勝手に書いて申し訳なかったと謝ろうと思います。それから、最初に言うことがそれなのか、と聞こうと思います。


 

 そもそも悩みって話しづらいですよね。なんか弱い部分を相手に見せるということになるし、その結果、馬鹿にされたりしたら余計辛いですし。そうなったら、ああもういいやってなりますよね。


 でも本当に信頼できる人がいる人って、どれくらいいるんでしょうか。

 みんな誰にも相談できないまま、頑張って生きているのかもしれないですよね。


 実質、昔から一人だったようなものだから、これからも今まで通りやっていこうと思います。行けるところまで行くだけの話ですよね。


 ある部族の風習の話で孤独にならないでくださいと書いたけれど、まあでも嫌な人と一緒にいても仕方ないというのもありますよね。


――――――――――――――――――――――――――――――


②悩みの分析


 あるあるかもしれないけれど、夜眠れないとき、「消えたい」とか「生きる理由がない」みたいなことをスマートフォンで検索したりする。そして検索結果の一番上に電話番号が表示される。それを見て、そういうことじゃないんだよなあ、となる。じゃあどういうことなんだよと聞かれると、答えられないんですが。


 「生きるのが辛い」というのは悩みとして漠然としすぎていて、手の付けようがないのかもしれない。もっと細かく「仕事が辛い」とか「お金がなくて辛い」とか原因を追究できれば、対策も取りやすくなったりするのだろうか。

 でも、「お金がなくて辛い」を解決するために取った行動の結果、今度は「仕事が辛い」が生じたりして、そんな簡単な話ではないのかなと思います。そもそも全体として、対処しきれないくらいに辛いことが多いのかもしれない。そうすると「生きるのが辛い」であっているというか。


 書き出したものの、なにもいい結論が思いつかないです。簡単にわかったら苦労しないですよね。


――――――――――――――――――――――――――――――


③五百羅漢


2025.Ⅹ

 少し遠出をした日、目的地を見終わった後少し散策していると、五百羅漢の看板を見つけた。私は見てみたいと思った。

 阿羅漢の石像が一面に並んでいて壮観だった。一通り像を見ようと思ったのだけれど、途中アブが飛んでいる箇所があったので諦めた。全体を見渡せるところで、なんとなくお参りをしてみた。


 すると荘厳な雰囲気のためだろうか、少し気持ちが軽くなったように思えた。500人に悩みを共有してもらい、希薄にできたような気がした。

 昔「羅漢に逢うては」という言葉を聞いたことがあった。それは強烈な言葉だったので覚えていた。私は羅漢像に助けてもらえた気がしたので、その存在に感謝した。

 

(完)

 今回もグダグダになってしまい申し訳ありませんでした。


 カウンセラーの方、阿羅漢の方々、その像を作ってくださった方々、読んでくださった皆様に感謝します。ありがとうございました。

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