表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私事について  作者:
19/32

11、図書館について

11、図書館について


2024.12

 匿名掲示板で漫画の神様と呼ばれる方の漫画が話題になっていた。

 特にそのころ何かイベントがあったからというわけではなくて、名作なので定期的に話題に上るのだ。

 私は冬休みで時間があったので読みたいと思った。けれど全巻集めると結構な値段になるよなあ、(買えばいいんですけどね)と思い図書館に置いていないか調べてみたのだけれど、市内の図書館にはなかった。

 

 いつ頃からあるのかはわからないけれど、図書館の蔵書を横断検索できるサイトがある。(作ってくださった方ありがとうございます)それで調べてみると、住んでいる市内にはないけれど、一つ隣の市の図書館にはおいてあることがわかった。利用規約を確認すると、そこに住んでいない私でも本を借りられるとあったので、借りて読んだ。無料で本を読めるというのはありがたいですね。

 皆さんご存知かもしれないのですが、横断検索はとても便利なので使ってみてください。知っていたらごめんなさい。



2025.5

 私は無職になってお金はないが時間はあったので、本を借りて読んでみることにした。何から読めばいいか、ぱっと思いつかなかったので学生のころ、国語の教科書で部分的に読んで気になっていたものから読んでいくことにした。それから有名な作品やタイトルが気になったものを読んでいった。あとは投資とかデイトレードの本も読みました。

 以前から気になっていたフィリップ・K・ディック氏の本も読んでいくことにした。ただ、最寄りの図書館では所蔵されている本の数は多くなかった。著作の中で映画化されているものはDVDを借りて観たりした。


 #


 隣の県にオシャレな図書館があるという噂を耳にしていた。

 試しに横断検索で調べてみると、そこにはフィリップ・K・ディック氏の著作が沢山置いてあった。規約を調べてみると近隣の県の人でも借りていいことになっていた。太っ腹だ。そういうわけでありがたく借りることにした。


 こう思われているかもしれない。

 いや、買えよ、と。その通りなんですよ。その通りなんですけど、実はガソリン代を考えると通販で中古本を買うのと、ほとんど変わらないんです。かなり離れたところにあるんです。だったらなおさら買えよ、と思われるかもしれないですが。無職は出かけた方がいい、というのが持論なんです。ずっと部屋にいるのは精神的によくないと思っていて、だからわざと用事を作って出かけた方がいいくらいに考えているんです。

 

 そういう訳で結構読ませて頂きました。

 私のおすすめ(読んだ中での)の本は「ティモシー・アーチャーの転生」と「宇宙の眼」です。「宇宙の眼」はSF作品ですごく面白いです。こういうのもっと読みたいなあというくらいです。「ティモシー・アーチャーの転生」はVALIS三部作と呼ばれるものの最後の一冊なのですが、単体で読んでも純文学のようでいい話だなあと思います。三部作の最後がこの作品ということは、(前の2作は神学的な要素が強かった)これが作者の方の答えなのかなあ、みたいなことを考えたりもします。


 翻訳小説を読むときは、人物の名前がよく分からなくなってしまうので、簡単なメモを書いたりしています。


―――――――――――――――――――――――――


 皆さんは家で本を読むことができますか? 私は本当に家 (アパート)で本を読めなくなってしまいました。読めたとしても、全然進まない。

 そういうわけで本を読むときにも図書館に行ったりします。その館で借りたものでない本を読みに行ったりもするので、他の利用者の方の邪魔にならないところに座って読みます。図書館の玄関ロビーに置いてある椅子だったり、休憩所的なところだったり。私の思う本を読むコツは今日は閉館時間までいるんだ、と決めて行くことです。


 あとは暑い時期は無理ですが、公園とかの駐車場に車を止めて運転席に座って読むのも私は好きです。


――――――――――――――――――――――――――――


 私の最寄り図書館は市立図書館なのですが、10年くらい前に中心市街地に移転されました。移転されたことはいいのですが、問題は、その際駐車場がなくなってしまったことです。もちろん近くにコインパーキングは沢山あるのですが、無料で本を読みたいから出かけるのに駐車料金取られるのは本末転倒だ、と思って市立図書館に行くときは徒歩か自転車で行くことにしています。雨の日は本を濡らすといけないので借りた本を持ち歩かないことにしています。

 無料駐車場があったらなあ、せめて図書館を利用すれば1時間までなら駐車料金は無料になるサービスとかがあればよかったのですが。……けち臭いですかね。(実際私はけち臭いとは思うのですが)


―――――――――――――――――――――――――――― 


2025.9

 その日は本を読もうとして市立図書館に行ってみたのだけれど、定休日だった。

 このままアパートに戻ったところで本は読めない(変な話だけれど)ので、県立図書館の方に向かうことにした。そして玄関ロビーに置かれたソファに座り本を読んでいところ、声をかけられた。私はめったに話しかけられることのない人間なので少し驚いた。


「すいません。ここって勉強できるところありますか」

「……あ、2階に上って、で奥の、地図の……この辺でみんな勉強してますよ」近くにあった地図を指さしながら伝えた。

 

 しばらくして、あれでよかったのだろうか、と不安になった。


 そもそもこの図書館には学習室というものがなかった。ただ、みんな勝手に勉強しているというだけで。机のあるスペースもあるのだけれど、そこは本来資料閲覧か食事をとるための場所だった。


 もしかしたら今の方も、市立図書館に行ってみて開いていなかったからこちらに来たのかもしれない。市立図書館には学習室があるから。


 私は少しの間そんなことを考えていたけれど、そもそも私自身間違っている感があるし、まあいいや、と考えるのをやめた。


(完)

「アルべマス」は中古で購入して読みました。

 読んでくださって皆様、図書館を運営されている方、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ