10、無職について
10、無職について
いつも無職になるとはやく再就職しないと、と不安や焦りに襲われていたのだけれど、今回はまるでそういうことがなかった。それは、自分にはそういうのが向いていないのだと身に染みて分かったからかもしれない。
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2025年の4月から無職になったのだけれど、すぐにハローワークの失業給付をもらいに行くことはしなかった。
有志の方が作ってくださった雇用保険の計算サイト(ありがとうございます)に必要事項を打ち込むと、基本手当日額(1日分の金額)と所定給付日数(もらえる日数)がはじき出された。手当の額は伏せるのだけれど私の場合、最長で150日分の保険が出してもらえるということがわかった。
失業保険を受給できる期間は無職になった日から原則1年間となっている。
私の場合は2026年の3月31日までもらえるということになる、と思う。単純計算で11月あたりから保険をもらい始めても、もらいきることができるという計算になる。
なぜこんなことを考えていたのかというと、失業給付をもらわずに株のデイトレードで生計を立てられないかと考えていたのだ。ハローワークの職員の方に聞いてみたところ、株取引を、趣味としてやる分には問題ない、とのことだった。(事業としてやってはいけない)私はやらないのだけれどパチンコみたいな扱いなのではないかと思う。
ただ給付をもらいながら、株でも儲ける(←実際には損しただけで終わりました)というのは少しズルいかな、と思った。
そういう訳で、社会で働くことに嫌気がさしてしまった私は、デイトレードを何か月か頑張ってみようと思った。それで芽が出なければ失業保険を申請して、働き口を探そうと思った。
そして……5月半ば、私は失業保険を申請しにハローワークに足を運んだ。
私はまた負けたのだ。
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失業給付は、28日に1回(4週間に1度)もらえるという感じで、月額に換算すると私の場合は17万円くらい支給されていた。17万円ももらえたら、私は十分1月生きていくことができる。
1月の生活費を計算してみると、(車検とか住民税とかも計算して)約13万円となった。
もし、月々の食費を1万円に抑えられたなら、11万円。(自分でも高いと思うのですが、食べることしか楽しみがないのでこうなってしまいました)
家賃を払わずに済んだら、7.5万円。
7.5万円のうち、健康保険、年金、住民税が約4.8万円。意味のない仮定だけれど、これを払わずに済めば、月2.7万円稼げれば生活できることになる。でも意味がない。払わないといけないんだから。でも年金(1.8万円)はあまり払いたくないなあ。
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毎月13万円で生活するとして、株で稼ごうとすれば2割は税金で引かれるから額面としては16.25万円稼がないといけない。月20日株式市場が開いているとして、1日8,125円稼がないといけない計算になる。改めて私には無理だ。
そもそもやっててもコツコツドカンというやつで、トータルでもう……とにかくマイナスになっていた。
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お金の計算はこの辺にしておく。
なにもしなくても失業保険がもらえるというわけではなくて、(私のところの場合)月2回以上は求職活動をしなくてはならない。
実際に求人に応募してもいいし、セミナーとか説明会(ハローワークで開催されていたりする)に参加したり、窓口で相談するだけでも回数にカウントされる。
私も説明会に出てみた。
警備員と配送の仕事のものだった。配送の仕事は給料もよかったし、1人で任せてもらえるようになれば、もう人間が嫌になっている私にはうってつけのように思えたのだけれど、やはり自分の運転技術でトラックを運転するのは不安だと思って応募しなかった。
バイクの配達の仕事も考えてみたのだけれど、大変そうなのに給料はあまりよくなかった。実は125㏄までの免許は持っていたりする。
こんなことばかり言っていたら、できる仕事なんてないよな、とは思うのだけれど。
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2025.X
その日、私は映画を観にショッピングモールに行ったのだけれどものすごく混んでいたので、別の回に変更することにして時間を潰すためにお店を見て回っていた。(結局一度帰った)
その時、自衛隊の立て看板を見つけた。どうも装備を展示しているらしかった。私は折角だから見ていくことにした。
自衛隊の方に勧誘していただいたけれど、私は実はわかっていたのだ。35歳はもう入隊できない。
……と思っていたのだけれど、予備自衛官を勧められた。私は予備自衛官について詳しく知らなかった。どうも技能職というのもあるそうで、資格一覧を確認すると、「第3種電気主任技術者」とあった。
「あ、自分これ持ってます」
『資格をお持ちなら技能の方がいいですよ』
技能の方が訓練の日数が少なかった……はずです。(自信がないので申し訳ないですが、気になる方は調べてみてください)
私は資格もいかせるのなら、ちょうど無職だし、やってみてもいいのではないかと思った。こういう言い方はよくないかもしれないですが、私が死んで悲しむ人もいないというのあるし。自暴自棄になっているということではないです。そこだけ誤解なきよう。
ただ、予備自衛官だけで生活していくのは不可能だった。やはり皆さん、本業を持っていてそれプラス予備自衛官、ということらしい。ものすごく立派だと思う。
そうすると訓練に理解のある職場に就職して、2つの仕事を両方頑張らなければならないことになる。それは私にできるだろうか。そもそも訓練に理解のある職場を探すのがかなり難しい気がした。
やはり難しいですね。
(完)
書いていることが間違っている可能性もあるので、お手数ですが調べてみてください。特に失業給付を受けているときの株取引についてはよくご確認ください。
読んでくださってありがとうございました。