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Dear  作者: 遠藤 敦子
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 真治さんのアドバイス通り、私は雅人に「エッチできれば誰でも良いんでしょ? 私はそういうの求めてないし他を当たってください」と返信した。すると雅人は「るなとエッチしたいから連絡したのに。したくないならもういい。それではさようなら」と捨て台詞を吐き、私のインスタグラムのアカウントをブロックしたようだ。

 断ったら捨て台詞吐いて消えていったと真治さんに報告すると、真治さんは「ライバルが減ったみたいで良かった」と喜んでいる。それ以降もLINEのやりとりを重ね、ついに真治さんとの初デートの日がやってくる。



 雅人との初デートで着ていくはずだった服を、真治さんとの初デートで着ることにした。思い出を塗り替えたかったからだ。私は約束の10分前に集合場所に着いたが、真治さんもその頃に着いたという。

「月ちゃんですか? 真治です!」

真治さんから声をかけられ、合流した。モスグリーンのニットに黒いパンツ姿だったけれど、写真で見るよりもかっこよくてスラっとしている。

「ごめんなさい、緊張してて……。今日はよろしくお願いします」

緊張している私に真治さんは「全然大丈夫。俺もだよ。じゃあ、行きましょう」とエスコートしてくれた。それから私が予約したイタリアンのお店に向かう。

 「いらっしゃいませ! 2名様ですか? ご予約されてますかね?」とお店では、女性の店員さんが出迎えてくれた。

「12時半から予約している、大越です」

私がそう言うと、店員さんは「大越様ですね。あちらのテーブル席にどうぞ」とテーブル席に案内してくれる。それから席に着き、私と真治さんはまずメニューを見て何にするか話し合った。私はミートソース、真治さんはカチョエペぺを注文する。セットなのでサラダとスープもついてくるという。

 料理が来るのを待つ間、私と真治さんはLINEでは話せなかったことを語り合う。同い年だとわかっていたので敬語なしで話そうということになり、私たちはタメ口で会話した。

「月ちゃんはなんでアプリ始めようと思ったの?」

真治さんは私がアプリを始めたきっかけについて質問する。

「大学が女子大で、バイト先のレンタル着物店も女性しかいないから出会いなくて……。そういう真治くんは?」

私もなぜ真治さんがアプリをしているのか不思議だったので聞いてみた。医学部だし見た目も悪くないので、アプリをせずとも彼女できるのではと思っていたからだ。

「彼女ほしいなって思うけどさ、サークルとか大学とか同じコミュニティだったら別れたときとか気まずいじゃん? それが嫌だから」

真治さんもアプリを始めたきっかけを語った。何かあった時に気まずいのもそうだが、付き合い始めた時に噂になるのも嫌だからだそう。

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