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Dear  作者: 遠藤 敦子
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 そこで大学生のみに絞って探そうと思い、いいなと思った人にいいねを送っていく。すると英語教師を目指しているという21歳の雅人(まさと)とマッチングした。雅人は有名私立大の1つである夏命館大学の2回生だが、浪人しているため私より2歳上だ。この雅人とは恋愛に関する価値観が似ており、LINEで意気投合する。

 数週間LINEでやりとりするうちに、雅人から「どうしよう、LINEしかしてないのに好きになっちゃった……」「付き合ってほしい」「るなさん、本気で好きなんだが……」と来るようになった。会ってもいないのに何がわかるのかと思うし、信用ならなかったので「私でいいの?」と雅人に訊いてみる。すると「るながいいな」とのことだった。私はこのひと大丈夫かなと心配だったので、「付き合うかどうかは会ってから決めるね」と送信する。

「そうだよね。アプリの写真がタイプすぎて舞い上がっちゃった」

雅人から返信が来た。最初は信用できなかったけれど、やりとりを重ねていくうちに問題なさそうな気がしたので、1ヶ月後に雅人と会う約束をする。抹茶パフェを食べて、夜ご飯はどこで食べるかという話をした。雅人からLINEが来るのを楽しみにしていて、気づけば私も会ったことのない雅人をどんどん好きになっていたのだ。

 そうこうしているうちに雅人とのデートの2週間前となる。夏休み中にバイト代をいつもよりたくさん稼げたこともあり、私はバイト終わりにお気に入りのアパレルショップへ寄った。いつものお姉さんに「マッチングアプリの人とデートなので、何を着ていけば良いかわからなくて。一緒に選んでもらっていいですか?」とお願いし、白地にピンクのバラ柄のオーガンジースカートとボルドー色のベロアのバレエシューズを買った。それ以外は手持ちの洋服で合わせる予定だ。お姉さんに雅人とのLINEを見てもらい、「ちょっと月さん、脈アリじゃないですか! 当日は頑張ってきてくださいね」と言ってもらえた。

 帰宅後雅人からLINEが来ていたので、デートに向けて新しい服を買ったと報告する。雅人とのデートを楽しみにしているということも。すると雅人から「俺とのデートが楽しみだなんて、可愛いとこあるんだな」と返信が来た。これは雅人と付き合えるのでは? 私は頭の中で、雅人との初デートの流れを想像した。顔はアプリの写真である程度わかっているので問題はない。後は駅で待ち合わせして、抹茶パフェを食べ、夜ご飯を食べるという流れだ。あわよくば夜ご飯の後に告白されたりして。そう思うと私は興奮して眠れなかった。しかし舞い上がり過ぎて気づかなかったのだけれど、後に私は雅人の本性を知ることになる。

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