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Interview with the 魔王軍  作者: つまころ.ch
第一章 国境付近
5/9

5-国境付近 東の森林付近の村 村長

よく来られましたな、国境を越えてこられたお客人は久しぶりだ。

戦争が始まってからこの村を訪れる方々も減っておりましてな、国境を越えてこられる方は尚更ですよ。

北側から南側へ越境するのは別に止められてはおりませんよ、ただ元より少ない状態でしたな。

北側は様々な様態の部族や民族が点在しております、それぞれが自治を行っておりますから、その自治地域ごとに産物があるわけですな。

地域ごとに産物を売り買いしとるわけです、この村で言えば東の森林から採れる薬草や木材、北側の果樹園の作物も取引材料になりますな。

わたしは村長をやっておりますが、本業は果実酒を作って売っておるのですよ。

税ですか、南側の国々では町や国に税を納める必要があるのでしたな。

こちら側にはありませんよ、それで国が成り立つのかですか、良いご質問ですな。

北側には国という考え方がそもそもないのですよ、色々な場所に人が集まる集落や町がありますな、それぞれが自給自足をやっとるわけだ。

大陸の北、中央に最大の都市がありますな、カモナルという都市ですな、ここには北側の全てが集まります、人も物もですな。

どうやって戦争が継続できるのかですか、はてどうやっておるのでしょうな、私にはわかりません。

ただ軍隊はありますぞ、当たり前ですがな。

この村にしても北の町にしても軍隊や自治隊等はありません、必要ならばカモナルに依頼するのですよ。

例えば盗賊団がいるから討伐してくれないかとか、どこそこに獰猛な野獣が出没するから退治してほしいとかですな。

すると軍隊が派遣されてくるわけです、費用が必要な場合もありますが、先ほど言ったような内容でしたら費用はかかりません。

盗賊団ならなにやら貯めこんでおるので没収、野獣なら肉や皮が費用になりますな。

戦争の為の軍隊がどのようになっておるのかは辺境の村の村長ごときでは知る由もなしという事です。

欲しい物品があれば売っている場所に行く、売りたいものがあれば売れる場所に行く、危険が伴うのであればカモナルに護衛を依頼する。

北側はそういう所なのです、不思議そうな顔をしておられますな。

使用人でございますか?

確か南側では人族以外を亜人と呼ぶのでしたな、ふむ。

ここではただ人ではないだけです、それだけですな。

ただあの子は不幸な目にあっております、ちょうど人手が足りておりませんでしたから雇い入れたわけです。

当時家内が病に臥せっておりまして、いやいや今は元気ですよ。

私は果樹園の作業と酒造りの作業もありますので、家の仕事を手伝ってほしかったのですよ。

働き者ですので家内が元気になってからも家にいてもらっています。

食い扶持が増えて困らないかですか、増えた分は稼げばよいだけでございましょう。

果実酒を多めに作って北の町や駐屯地の兵隊さん達に売ればよい、1人くらいの食い扶持くらいどうとでもなります。

駐屯地に行くのは可能でございますよ、村の西の出口から3日ほど歩けば着きますよ。

道があるわけじゃないですが、頻繁に往来があるので轍が道の様になっております。

手土産?

必要ないと思いますが、なんでしたら果実酒を持っていくと良い、格安でお譲りしますよ。

他にも薬師の婆様が西の出口近くに住んでおりますので、傷薬なんかを買っていかれてはいかがですかな。

駐屯地には必要なものです。

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