後書き
ふと湧いてきたネタを何度も試行錯誤して、ある程度書いてから投稿するに値するか……そんな作者の無駄な努力をしていたのがざっと3ヶ月前、7月の終わりでした。
はい、遂にメスガキ転生完結しました。
思えばあっという間に駆け抜けたお話で、タイトル反して内容はバリバリのダークファンタジー寄りとかいう、一見さんかなり序盤で逃したなぁという印象でした。
タイトルの通りメスガキことオーグが、転生の謎と暗躍する転生教団を追うという内容になっております。
正直終わってみて思うのは、色々失敗したかなぁという後悔だったりしました。
折角なので各キャラクターの作者の評価と共に見ていきましょう。
・魔女
我らが主人公オーグこと魔女。
バリバリ山賊の親玉がメスガキエルフになるというギャップがテーマでした。
概ね主人公だけに作者の想定通り動いてくれた頼れる主人公でした。
いわゆる完璧超人だとか、チート系のような人物ではありませんが、少年マンガ的な明朗快活な性格と、意地悪いメスガキ成分が危機を脱していきました。
とりあえずメスガキエルフ万歳!
・リン
中東系とかインド系のキャラが欲しかったから、オーグの次に誕生したキャラ。
リンも概ね想定通り動いてくれましたが、思ったより読者受けが悪かったように思えます。
元々序盤章にリンが主役の話を入れる予定だったんですが、リンちゃん回って何故か露骨にいいね減るんですよね。結果的な全体の文章量もあって、本人の話は無かったことに。
その分随所でリンは活躍してくれたので、作者としては満足です。
最終的に本当に猫獣人になっちゃいましたが、最終的にはどう思われたかな?
作者的にはお気に入りでした。
・ベン
リンと同じく最初期に誕生した一人。
ヘタレで慎重で勉強が出来るというガリ勉キャラだったのですが、気がつけば心配性の頼れる酒場のマスターになってました。
実のところ、オーグ達の行きつけの店というのはとても重要なアイコンで、物語の発端は殆どがベンの店で始まる程で、見方を変えるとベンは波止場の女枠でした。
戦いには一切参加しないけど、帰るべき場所は絶対に守ってくれる、心の安心を与えてくれる人です。
ベンはストーリー的にみると二転三転しました。
元々ケイトに一目惚れしていて、物語を通じて交際し、結婚式を挙げる予定でした。
それ以外にも地上げ屋に店の土地を狙われるという短編回も予定してたんですけど、尽くベン関係はボツになってしまいました。
個人的に戦うキャラより、力はないけど待っていてくれるってキャラは作者の大好物なんですよ。
そういう意味でも、地味だが掛け替えのないキャラでした。
・メル
初期に確定していたキャラの一人でした。
元々メスガキと同じくらいの幼い騎士キャラが欲しかったのですが、初期案ではボクっ子でちょっと個性が弱かったので、軍人口調で喋るショタ騎士となりました。
メルは未熟だが男らしいというオーグを困らせるキャラでした。
オーグのことを最初は勘違いから始まり、気がつけばオーグを最も信頼する人物になっていました。
メル関係は概ね予定通り、一つだけメルの特訓関係がボツになり、最終章で急に強くなったように感じるかもしれませんが、実はメルは修羅場を潜り強くなったんですよ?
個人的にはもっとオーグとイチャコラさせたかったんですが、女性陣に比べて遥かに奥ゆかしい性格が災いして、結局告白もできませんでした。
ボンボンでお金の感覚がおかしかったり、家族が個性的過ぎたり、メル関係はかなり優遇することになりました。
一方でルキに嫉妬したりなど、年相応な部分もあり、よく言えば修羅場慣れした少年ですね。
無事本編が終わったあとは、父の下で政治を学んでいるようです。
メルはもっとも動かしやすいキャラでした。
・ケイト
実は結構設定変更したキャラ。
元々ケイトに相当するキャラは実はエルミアでした。
ただエルフが二人いるのは絵面的にないなとなって、ケイトという女性は爆誕しました。
ベンに恋心を抱いていて、後々結婚するんだとか。
良くも悪くも脇役の一人ですが、店主がアレな性格なので人懐っこい彼女がオーグと親しげに話します。
オーグを前提にすると実は不必要なキャラだったりするんですが。
当初は第三章でケイトとオーグが人攫いに誘拐されるという想定だったんですが、結局ボツになり第7章で改めて誘拐されましたが、もうその頃にはギャグ入れている余裕がなかったのが悔やまれる。
・コールガ
書きながら全面改訂入れさせれた難産なキャラでした。
ヴァイキングで異国の文化観を持つオーグと別の意味で蛮族キャラ。
実は初期案では登場予定すらないキャラで、ケイトの方でも書いていますが、三章が殆ど内容変えてしまった為に爆誕したキャラだったりします。
それもこれも、揃いも揃ってガキばかりのオーグ一行には華がないという問題に直面し、美女が欲しいという理由で絶世の美女になりました。
元々異国の紋章魔法を操る魔法戦士という案自体はあったので、それをコールガに当てはめ、時々ボケちゃう良識人となりました。
コールガという名前も北欧神話を知っている人ならニヤリとしたんではないでしょうか。
シモヘイヘといい、彼女は結構北欧ネタてんこ盛りです。
メインキャラの一人としては、とにかく書いてて楽しい頼れるねぇーちゃんでした。
押し寄せる荒波は伊達じゃない!
・エルミア
最も設定変更が多かったキャラです。
エルフの姫君という設定のみが存在したエルミアは当初オーグの性奴隷として首輪付きで、その時の設定だとおっとりした爆乳金髪エルフの治癒術士というサポートキャラでした。
前述でも言っている通りエルフ二人は見栄えが悪いという理由から、初期案エルミアはあえなくボツになり、当初は登場予定もないまま第四章でいきなり登場したのはビーフジャーキー大好きな戦闘狂でした。
どうしてこうなったって位設定変更して登場しましたが、実はこれでもこの代案エルミアは当初囚われのヒロインを演じたら出番終了の予定でした。
ですが書いてる内にやっぱり愛着って湧くんですね、元々ベーオウルフクランの五人目はエルミアの予定ではなかったのですが、それが結果として良かった気もします。
良くも悪くも魔女ラブ勢で、色々はっちゃけたキャラ性は個性があってグッドでしたので、初期のエロゲ的なくっ殺エルフはどこかへ行ってしまいました。
・シルヴァン
メルの兄にして、エルミアを誘拐する為だけに誕生したキャラでした。
一応軽薄だが本当は家族愛が強く、本当に惚れた相手には一途という設定は最初から決まってました。
断っておきますが敵役前提の登場でしたが、殺すつもりはなかったので悪しからず。
本当はそれだけで最終章に登場予定もなかったのですが、最後くらいオールスターで行くかってことで再登場、見事に魔女の舎弟と化してました。
魔女のことは真剣に愛しており、いつかプロポーズを受けて貰えると信じてシルヴァンは男を磨きます。
こういうキャラが最終的に頼れる味方キャラになるのって良いよね。
・ヴァサラガ
当初登場予定のなかった一人。
メルとシルヴァンの父親で軍務卿を務める程の大物で、かつメルを超溺愛するキモいおっさんでした。
カイゼル髭といい、とあるモデルそっくりな辺りから、ネタキャラでしたね。
と言っても頼れる大人としては、ヴァサラガは貴族らしくない人物で、オーグが数少なく信頼する貴族でした。
・マーガレット
ヴァサラガ同様元々は登場予定のなかった一人。
メル激似の低身長ママさんで、オーグのことをすごく気に入ってます。
結局お茶会はできませんでしたが、もう少しマーガレットは書いてあげたかった。
・クラリス
初めて顔を出した作品通しての宿敵転生教団がどんなやべー組織か表す為に誕生したキャラ。
良くも悪くもクラリスも転生教団の被害者なのですが、転生のしすぎで魂は磨り減り、自我はボロボロでした。
それだけに利用されて最後は龍の魂にされた際には、作者も同情してしまいました。
この子との出会いと死こそが、オーグを転生教団との戦いには導きました。
・老人(名称不明)
転生教団の老人で司教を務めた男。
オーグを早期にフェニックスの巫女と判断し、肉体を奪おうとしましたが哀れ、最後はフェニックスに魂焼かれました。
クラリスが被害者ならこちらはまさしく邪悪な教団の本性そのものといったところ。
この老人の死こそ、オーグを巫女として覚醒に導かせてしまった感は拭えませんね。
敵役としては百点満点の敢闘賞をあげます。
・マルコ
小人族の魔物学者のおっさん。このコンセプトは当初から確定していました。
実はマルコはエルミアとメインキャラの席を争ったボツキャラだったりします。
もしコールガが登場しなければ早ければ三章には登場する予定で、この時はオーグに尽くセクハラするちょっと信用できない貴族という設定でした。
結局メンバーが確定したため、クイーンスライム編でスポット参戦となりました。
最終章はまったく戦っていないのですが、これもある意味初期設定のなごりでした。
・クイーンスライム
魔王級スライム娘、章名を冠することからわかる通り彼女もある意味でメインキャラでした。
最初に出した魔物がスライムなら、最強のスライムも出したいと誕生しました。
元々強大な魔物として敵対を想定してましたが、最終章で頼れる味方で登場することが確定していたので、かなり彼女は丁寧に描きました。
なにげにナチュラルな女王さま気質ツンデレで、クイーンスライムは書いてて本当に楽しかったです。
マルコともどもメインキャラ案は露に消えましたが、本編後もマルコと一緒に暮らしているでしょう。
・ルキ
序章に登場しておきながら、再登場がなんと第五章、そして本格的な参戦が第七章ととにかく出番は少ないが、出たら出たで復讐しか頭にない狂人っぷりで個性を爆発させました。
実はルキの設定にはブレはないものの、当初の予定では第三章でオーグとニアミスする予定でした。
結局ターニングポイントである転生教団戦から本格登場でしたので、ちょっとオーグとの交流は遅れてしまいます。
オーグは意識してなかったのですが、ルキには恋心を抱いており、彼の死がオーグから自分のエゴに対する未練をかき消し、フェニックスの巫女と化した魔女を逆に人間に戻したのもルキという。この作品の最も重要キャラでした。
殺すことは確定していたのですが、ヤルダバオト戦は作者的にもやり過ぎた気がしました。
オーグを庇って死ぬなんてプロットもあったことを考えるとどっちが良かったやら。
作中味方キャラでは唯一の死人になってしまったため、魔女の気持ちは宙ぶらりんに。
うーん、実に罪深い男である。
・ヤルダバオト
ラスボス、ヤルダバオト戦は中々決定稿が決まらず、かなり苦戦しました。
ヤルダバオトが弱いとラスボス戦が盛り上がらないし、かといって強すぎてルキを嬲るところは書いてて辛かった。
勿論ベーオウルフ一行もまるで敵わず、自分を悪人とは思っていない吐き気を催す邪悪は書いてて痛快でもありました。
フェニックスの巫女に覚醒した魔女に一方的にやられましたが、その最期は涙し、フェニックスに許しを請いました。
無論ラスボスなのでヤルダバオトは同情の余地が一切ない外道なのですが、ラスボスとしては実質オーグでしたのでちょっと可哀相だったかも。
・フェニックス
ある意味で諸悪の根源。
神の一柱で輪廻を司る紅蓮の神鳥でした。
性格はかなり邪悪であり、目的のためなら手段を選ばない……というか平気でオーグとアリスを利用する割と外道です。
なんで味方側なのって作者が疑問に思うほどですが、毒をもって毒を制すというコンセプトでしたので仕方ないね!
魔女はフェニックスがオーグの人格を転写させた存在であり、フェニックスからすればたまたま触媒を持っていたのがオーグだっただけで、オーグを特別視はしていません。
アリスの死にたくないという生存欲求に従い、アリスを器にオーグの人格を転写し、魔女を誕生させました。
最終的には魔女はフェニックスに対する生贄であり、フェニックスはその時を待ち続けます。
繰り返しますが、こんなんでも味方キャラです。
メスガキ転生、いろいろ残酷な描写などもあったりしますが、基本的には少年誌のようなノリを忘れず書いてきました。
もしもこの作品が良かったと思ってもらえたなら幸いです。
メスガキ転生、もしも続編希望があれば、虹の空編やってみていいかも。
2023/10/13/18:01 メスガキ転生ここに完結します。
ここまでいいねやレビューくださった方本当にありがとう御座いました。




