画竜点睛の瞳の色が決まるタイミングについて
ふとしたタイミングで思いつくシリーズ。
今回は創り手にまつわるお話です。
いつものごとく全員に当てはまるとは思ってはいないので、私はこうですって事です。
なので「そんな変なやつも居るのか~」くらいに読んでください。
今回のテーマはずばり
『エンディングっていつ決まるの?』
です!
短編小説ならその1話に起承転結が全て詰まっているので良いのですが、
長編の場合、描き始める前から最後どうなるのかは決まっているものでしょうか。
もちろん人によっては全プロットを綿密に組み立ててるって人も居ると思います。
逆にサザエさんを始めとして登場人物が一切(時間的に)成長しない作品の場合はエンディングが無いって事もあるでしょう。
サザエさんは元々4コマ漫画ですしね。
この『小説家になろう』サイトに投稿されている作品は今年遂に100万の大台を突破した訳ですが、その中で連載小説として投稿されているものは約50万件あるようです。
そのうち完結13万件に対し、連載中のものも含めて未完36万件です。
連載中を除いても20万件くらいはエタっているのでしょう。
ではなぜエタるのか。
もちろん作者様の都合、怪我や病気によって続けたくても続けられなくなってしまったというケースは十分考えられます。
他にも誹謗中傷コメントを受けて筆を折ってしまった方、試しに投稿してみたものの読者が付かなかったので止めてしまった作品も多々あるかと思います。
でも残りの内の何割かはこうなんじゃないかと思うんです。
『エンディングが決められない』
エンディングって難しいんです。
それまで様々な体験を積んできた登場人物たちの有終の美を飾らないといけないんです。
作品によっては何年もかけて育ててきた我が子を嫁に出す様なものです。
漫才みたいに「もうええわ」で終わらせる訳にはいきません。
どうしても頭を悩ませて悩ませて、それでもやっぱり決められなくて筆を置いてしまう。
そんな人も居るんじゃないでしょうか。
そうでなくても多くの葛藤を乗り越えて最後の1話を描き切るんです。
だから内容はどうあれ、完結した作品は一定の評価を得るべきだし、完結させた作者は称賛されて然るべきです。
ではそのエンディングは一体いつ、どうやって決まるのか。
私の場合はハッキリ言ってエンディングは全く決めずに投稿を開始しています。
一応言い訳をしておくと最初はちょっとくらい「こうかな、ああかな」と考えることはあるんです。
でも連載を続けていくうちに気が付けば当初の計画をまるで無視して成長を続ける登場人物たちのお陰で最初の構想は基本無駄になりました。
お陰で今では最初の10話分くらい、長くて第1章の内容くらいを思い描いたところで飛び出していきます。
なので毎日が自転車操業でエンディングなんて考えている余裕がない。まさにその日暮らしです。
そうして早ければ中盤に差し掛かった頃でしょうか。遅いときだと最終章の1つ手前くらいの時です。
まるで天啓のように降ってくるんです。
「ああ、この物語の最後はこれだな」
って。
後から見返すとまさにそれしかないって思える内容で、実は最初から決まっていたんだろうかと疑いたくなることも良くあります。
……というのは私だけの体験でしょうか。
でも本当に、それまでは最後どうするかなんて全く考えては居なかったんです。
だから天が、というのは違うとしても、登場人物たちが「ここだよ」って教えてくれているのかなって思ったり。なんて言うのはメルヘン過ぎる思考でしょうか。
ただそれくらい登場人物たちは作品の中で成長しています。
親であり作者である私は大事な子供たちの巣立ちを見届ける為に最後の1文を書き上げます。
そこに喜びと感謝とちょっぴり切なさも籠めて、完結ボタンを押します。
画竜点睛の竜もそんな絵師の思いによって命を吹き込まれたんだと思います。