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最強伝説トマホーク次郎  作者: サメシャーク
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最強伝説トマホーク次郎

第2部

第6章「夕焼けの昼」

「あっぢぃ…まぢあぢぃ」

「心を燃やせ!ハムペパクータ!」

「あぢぃ…まぢ…」

トマホーク次郎とシージはポンポマンマミーヤを大きく離れた都市、インテリポンコツシティを探していた。そのため、冒険用具をそろえるために始まりの村「タントパンプキン」を目指していた。

「ダメだ…あっぢぃー…」

「おいおいこれはいいおにぎりだ」

「何回め?…その話…」

「おいおい………これはいいおにぎりだ」

「このままじゃ26番サボテン通りで野垂れ死にだな…せめて水さえあれば…」

トマホーク次郎の住んでる地域は惑星の重心に近いため地熱がとても伝わりやすい地域だ。そのため郷土料理には岩盤焼き肉など地域の特色をいかした地方創生型の社会を築いている。

それと同時にパイプラインができていないため一歩外の世界へと出ると残酷な地獄のような環境へと様変わりする。町郊外にはなにもないからだ。地熱のため動植物は淘汰され、知能をもった生命体ですら寄り添って矮小に生きざるおえないからである。

「おいおい…」

「(またか…)」

「見えたぜ。始まりの村タントパンプキンパンプキンが!」

トマホーク次郎の指差す先には雲で覆われたモノがあった。

トグロを巻きピラミッド状に積み重なり、先端が空へと向いている。

「まるでソフトクリームだな」


「いやぁ!すき焼きはうめぇなぁ!」

トマホーク次郎はすき焼きが大好きである。

シージは次郎を横目に卵を手に取った。卵をテーブルで殻を割ったあと、器用に黄身だけを器にうつしかえた。すき焼きの液体を黄身と混ぜ合わせ、オーロラ状になった汁に食べごろの肉を落とす。これはうまい(^^)d

「はフッ!フン!フッふ」

「クチャクチャミグュクンチャ」

二人はしゃべる間もなくすき焼きを食べ尽くした。完食である。


「すき焼きの好きなところはなにいれてもうまいところよ!」

「合点。野菜がうまい。これほど健康志向料理はほかに類を見ない。全生命体の味の志向の頂点だ。」

「料理は山登りに似ている。どの料理、どんな土地、思想の違いがあったとしても到達点はすき焼きだと。食べればわかる、必然的因果関係がある。」

経済的哲学の話をはずませながらすき焼き専門店をでた一行は

武器屋さんに向かった。すき焼き専門店のとなりである。

店頭から武器のサンプルが置かれている。赤い文字で商品名を書いており、みるからに安っぽい。木製の店舗からは漏らしたような異臭がしており、人を避けているように見える。

「「よし!」」

二人は店を後にした。


第7章「時間がない」

タントパンプキンを出た二人は次なる町「トロピカルぷっぷ」を目指していた。暑さから解放された二人はテンションが上がっていた。ノリノリである。広大無辺に続く道も気にしなかった。彼らは若かった。体の火照りに身を任せ本能のおもむくままに躍動した。互いの体温の火照りを感じる。汗が体を伝い、やがて、靴下に。

靴下は限界だった。水分量の飽和度を軽く超え気化するのに時間はかからなかった。足を伝い、腰を伝い、異臭はトマ次郎の鼻をおおった。

悶絶。

濡れた靴下は単にべちゃべちゃしてて気持ち悪い、それだけではない。歩む時に発するノイズ、そして異臭。5感すべてを不快にするサルベージ。それが濡れた靴下である。

満身創痍のトマホーク次郎は薄れゆく意識のなか楽園を想起した。匂いである。バナナの甘味が全体的に漂い、チョコレートが流れる音が聞こえる。イヤと言うほどトッピングされたクリーム、苺の笑い声、アーモンドの足音。重い頭を上げると、トロピカルぷっぷが広がっていた。


第8章「イキリメガネ」

時刻が右手の人差し指の付け根くらいの刻。トロピカルぷっぷは最も盛んになる。果実類の購買。よそ者の食べぐい。そしてシーチキン。営業が栄え、飲食業界の人のかき入れ時である。

だが世はまさに競争社会。勝つものがいれば、惨めで憐れ、可哀想な敗者がいる。ここ「オ・ソレミーヨパンナコッタイランコッチャ」わたあめ専門店もトロピカルぷっぷでの競争社会に破れたひとつである。

わたあめのモチーフキャラクターである「わたちゃん」が油汚れがひどく、見るに耐えない姿で出迎える。店内に入ると油汚れが壁、天井、床とグロテスクに張り巡らされている。カウンターでは全自動わたあめ製造魔法でわたあめが製造され、無人化に成功している。人件費がかからない代わりに店内は出所がわからない油汚れに汚染されていた。

そんな店を通りすぎてトマホーク次郎とシージはパフェのお店屋さんに並んでいた。パフェを食べる一般客が自分たちに経済格差を自慢しているように見えたからである。許せない。

このトロピカルぷっぷでは金額が大きい商品ほど機能的価値が大きいと思い込む愚かな民衆たちが蔓延っている。トレンドという恐怖観念に脅かされ、まんまと売り文句にはまっている輩だ。自らが支払った代価の正統性を示そうとマイノリティの者は異端と名付け、魔女狩りにする。ここトロピカルぷっぷは社会の縮図である。

「おっちゃん、~パフェデラッソスカイクロラ巷からくる風を添えて~ と「とんでもピーナッツ」ちょうだい!」

「おけおけコロピアーナ」

パフェのお店屋さんのおっさんは注文を受ける前に準備していたかのようにとりかかった。溶岩の温度がねつねつしている鉄板に生地をのばす。くるくるとへらを回転させのびのびと生地がのびのびしてる。ものの数秒で焼き上がると、空色のチョコレート、群青クリーム、海原のようなソースをトッピングした。

「あいよ!ジェンキンスハラミソースパフェお待ち!」

注文違いだがたべてみた。

「おっちゃん!これ!ホッヨケペ!」

「わかるか!坊主!」

「分かる!インテリポンコツシティで食べた味だ!」

「違う。」

完食のち、注文違いのためケチつけてただ飯になった。

この世は諸行無常。でも温かい。まるで世界はこたつである


第9章「目覚ましアラームださ男」

トロピカルぷっぷを出た二人は「ソウオンウルサメイワククソッタレバイクタウン」を目指した。機械仕掛けのジャングルをぬけた先にある。いざ着くとこじんまりした村だった。しんまりしていて逆に耳がウルサイ!

「誰かいるかー!」

トマホーク次郎は人を探した。帰ってくるのは木霊と空から降り注ぐsushiだけ。とても正気をたもてない。

トマホーク次郎たちは迂回して魔王城にたちよった。


第10「世界のみんながオーケストラ」

壁は30m、城は平屋の魔王城についた。城門はすでにズタズタに引き裂かれていて、見るも無残、見ないと無残の平屋がみえていた。

「今日はここで泊まろうか。」

トマホーク次郎たちは疲れていた。平屋の扉を叩いた。静寂が世界のすべてを統べる。空しい。

「ここにいるだろ!出てこい!」

声を荒げ魔王城を叩く。すると中から幼女のわりには胸部が発達した。女児が出てきた。白旗を振っている。

「てめぇ!口先だけじゃ誠意が見えねぇ!形で表したらどうだ!ここに泊めろ!俺たちは人間様だ!」

腹から声を出し、幼女を恐喝した。トマホーク次郎たちのお泊まりかいがはじまった。

トマホーク次郎たちは大酒をのみ、飯を食らった。タンスに隠れていた雀の涙ほどの金を見つけ、また隠した。

幼女は魔王をやっているらしく、平屋で一人で住んでいる。

口数が少なく、細々と空気の音しか聞こえない有り様である。

盛り上がった球体に名札が付けられ、「まおう」とチューリップが描かれていた。

「魔王なら、もっとデッッケェ城に住めよ。狭苦しいぜ。お布団が一つしかないから3人で寝るしかねぇじゃねーか!」

まおうはうつむき、部屋の隅で丸くなった。

「だいたいなんでいろいろぶっ壊れてんだ?」

まおうは戸棚に置いてある絵日記帳をとってきてくれた。


×月×日 ゆうしゃがきた。日照権の問題でしろととびらをこわされた。


勇者とはこの世界で変態を示す。自らを勇者と名乗り、家々を荒らし、気に入った女がいれば、自作自演のイベントを起こす厄介者である。しかし、勇者という肩書きは偉そうなので誰も歯向かえないのである。

「なるほどね…」

「俺は恥ずかしい!こんな事情がありながら!!!ウウッ!ウッ!」

トマホーク次郎は泣いた。辛いから泣いたのである。泣いた。

「よし!俺が何とかする!」

そう言うとトマホーク次郎は平屋がを飛び出し、ソウオンウルサメイワククソッタレバイクタウンへ向かった。帰った。

トマホーク次郎は瓦職人だと思う。なので城を瓦で覆った。そして、sushiを滑り台みたいに滑らせて魔王城に滑らせた。魔王城はとたんに生臭くなり、sushiが3人に牙を向いた。一進一退の攻防の末、魔王城はsushiに占拠された。

まおうは泣きながら絵日記帳に記した。


×月×日 ゆうしゃがきた。しろをこわされた。


「すまねぇ!頑張ったんだが…!」

トマホーク次郎一行は3人めの仲間が増えた。









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