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ある日空から女の子が降ってきた

いらっしゃいませ!

ご来店ありがとうございます。

第二部もやっと折り返し。もうしばらくお付き合いくださいませ。

 あれは中学校の二年生の頃だったと思う。通学に地下鉄を使っていたのだから恐らく間違っていない。


 乗り換えに使っていた大きな駅の地下街にはウエディングドレスの専門店があり、大きなショウケースに美しい緑色のドレスが展示されていた。


 そのドレスに、少年だった自分は見惚れてしまった。


 男の自分が立ち止まってドレスを眺めていては変に思われるだろう。まかり間違って同じクラスの奴らにでも見られようものなら目も当てられないことになる。


 分かっていても目が離せなかった。こんなに美しいものがあるのかと思った。許されるならずっと眺めていたかった。


 とうとう自分は自分が生涯を欠けて為すべきものに出会えたのだと、そう思った。



 だけどそんなことにはならなかった。



 ■□■



 幼い頃にはいろんな夢を見た。


 変身ヒーローになって悪の組織と戦うこと。

 妖精と出会ったり妖怪と友達になること。

 不思議な力を隠しつつ日常生活を送ること。


 あるいは空から降ってきた女の子に頼まれて一緒に世界を救うこと。


 もちろんそんなことは起きなかった。


 少し大きくなってからも同じように夢を見た。


 宇宙飛行士になって誰もたどり着いたことのない場所を目指すこと。

 冒険家になって新しい生き物や誰も見たことのない遺跡を発見すること。

 俳優や歌手といった有名人になってテレビに出ること。

 発明家になって後世に語り継がれること。

 手品師になって世間をあっと驚かせること。


 あるいは見た全ての人が涙するような、美しい緑色のドレスを作ること。


 そんな特別な何かに、いずれ自分はなるのだろうと思っていた。



 でも、そんなことにはならなかった。



 あの頃の感覚は不思議だ。一日の間に色んな事が詰まっていた。一日あれば何でもできた。いくつもの夢を同時に見る事さえ可能だった。


 思い返してみれば<ネオオデッセイ>というネットゲームを始めたのはあのドレスに出会ったのと同じころではなかっただろうか。


<ネオオデッセイ>の世界はまさに幼い頃に見た夢の具現だった。


 異世界から召喚された勇者として世界を救う。ドはまりした。


 毎日毎日、勇者になって世界を救うことに明け暮れた。



 それから2年くらいして最初の選択を迫られた。


 周りと同じように無難な高校を選んで無事に進学して二年。さらに次の選択を迫られた。


 選択肢を増やすためにネオデをやめようと思った。やめるため一度も倒せなかった強敵に本気で挑むことにした。


 ネオオデッセイには何体もの強力なボスがいる。今までに一人で倒すことが出来なかったのはそのうちの二体。<悪魔の女王 テレジア>と<最古竜 セルペンス>だ。


 徹底的な対策を行い、何度も何度も戦いを挑んだ末、テレジアの討伐に成功した。


 でも、結局セルペンスを倒すことはできなかった。


 その後それなりの大学に進んでそれなりの会社に勤めた。


 このころにはいい加減気が付いていた。特別になれないのは何も自分だけではない。みんなそんなものなのだろうと思っていた。


 与えられた仕事は一生懸命やった。


 ただあまり要領がいい方ではなく、優秀な同期たちと競争していくためにはちょっとやそっとの一生懸命では足りなかった。というか一生懸命にやろうとすればするほど仕事が増えて行くだけで前に進まないのだ。


 ちょっと頑張りすぎたのかもしれない。ふと、


 もしかしたら自分はこの世界に向いていないのではないか。


 そんなことを考えた。


 今はといえば衣料の量販店の店長として可は無く不可少々の成績を維持している。


 最後に見た夢の欠片くらいは手にしているのだと自分をごまかしながら、掲示板で与えられた報酬の見合わない日替わりクエストのような日々をかろうじてクリアしていく。



<ナゴミヤ>こと麻倉和矢はそんな何処にでもいる社会人だ。



 仕事でのささやかな成功に意味を見出せなくなった頃、和矢は大学時代の友人、海藤孝明 と再会した。


 孝明はインドア派の和矢とは対照的な体も声も大きな男で、普通なら和矢が積極的に関わろうとは思わないタイプであったが、何故か不思議と気が合った。それに昔ネオデをやっていたことも共通でそれを話題に盛り上がることもできた。大学時代は和矢のアパートに他の悪友と共に集まって、色々と馬鹿なことをしたものだ。


 孝明との再会を機に二人ともずいぶん久しぶりにネオデを再開することになった。古いアカウントはログイン用のパスワードも曖昧だったがいろいろと試した結果無事に復帰することが出来た。


 再び始めたネオデの世界<ユノ=バルスム>は以前と比べてかなり人が減っていた。無理もない。あれから何年たったか。ネオオデッセイの再開は和矢の生活に少しだけ潤いを与えたが、昔ほど熱くはなれなかった。それは仕方がないことだろう。


 ネオオデッセイの世界で孝明のアバターであるヴァンクと共に冒険に出かける一方、昔のようにソロでのボス討伐にも挑んでみた。


 休止期間中のアップデートによりボスクラスのモンスターは増えていたが特殊なギミックを解決すればそれなりに戦える相手であり、テレジアとセルペンスが最強の存在であることは依然と変わりなくそのこと自体は嬉しくさえ思えた。


 再び全てのボスに挑み、最後に再びテレジアを討伐した。


 でもセルペンスには勝てなかった。「誰もが主人公」が売りのネットゲームの中ですら、やはり自分は特別にはなれなかった。



 ネオオデッセイの世界である<ユノ=バルスム>の地図では北西部に位置する島<フリギダス島>。島と言っても相当な広さがある。現実世界では大陸と言っても差し支えないだろう。中央にある巨大な大陸<コンチネント>に比べれば小さいというだけのことだ。


 しかしこのフリギダス島には町が一つしかない。島内にある二つのダンジョン<ウモ>と<イブリズ>の影響で島の三分の二以上が人が住める環境にないからだ。


 このうちの一つ、<ウモ>は氷に閉ざされたダンジョンである。


 ここはかつてこの世界の神のような存在<ボナ>の代替となる<人工精霊ウモ>を作ろうとして失敗した際に出来たダンジョンであるとされている。


 他のダンジョン同様に謎が多いためこれが本当の事なのかはわからない。結局はプレイヤー達の想像に委ねられることになる。このあたり、幼い頃から想像力だけは逞しかった自分には<ネオデ>は合っているのかもしれない。


 人工精霊作成の実験が行われる以前から、フリギダス島には月と狂気のダンジョン<イブリズ>が存在していたのだという。<イブリズ>も<ウモ>と同じように人の過ちによってできたダンジョンだ。人工精霊作成の研究の場としてフリギダス島が選ばれた理由は想像がつくが、この島の住民であるNPC達にとってはたまったものではないだろう。


 その日、和矢は<ウモ>で資金稼ぎを行った後、食品とポーションの類を補充するためにフリギダス島唯一の町<ジャンブ>に立ち寄った。


<ジャンブ>は町としての大きさは中規模程度。銀行や冒険者ギルドといった重要施設が互いに大きく離れている為拠点としている者は少ない。ネオデは古いゲームであり過疎化が著しい。少なくなったプレイヤー達は中央都市マディアや河川都市アウグリウムのような利便性が高い町に集まって暮らしている。


 もう一つジャンブの町に人が少ない理由はシステム上「プレイヤーを殺したことのあるプレイヤー「PK」はこの町に入ることが出来ない」というのもあるかもしれない。PKも貴重な人口の一人だ。もっともふつうのプレイヤー以上にその数は少ないが。


 PKには昔は散々苦労させられた。だが対人可能エリアにPKが出没しないのはそれはそれで寂しいものだ。PKはモンスター以上に恐ろしい存在であるが、彼らは彼らである種の「悪役」(ヒール)であり、ネオオデッセイの世界を彩る大事な存在なのだろう。


 プレイヤーのやってこないジャンブの町だがNPC達は普通に生活している。NPCショップの商品は効果の割に割高だが品切れがないのがいいところだ。


 だが自分が来なかったらこの店の今日の売り上げはゼロなんじゃないだろうか。一日、一週間、一か月の間に、どのくらいのプレイヤーがこの店を訪れるのだろうか。



 そんな他愛もないことを考えながらのいつも通りの何気ない買い物。


 でもふとそこに、店で働くリアルの自分の姿を重ねた。



 PKが出ないとはいえNPC達にとって二つのダンジョンの脅威にさらされる<ジャンブ>の町は住みやすい場所ではないだろう。しかし彼らはそこを離れることは無い。そこは彼らにとっての日常で、同時に彼らはプログラムによってそこで生きることを設定されている。プレイヤーが世界を救うために、救われない世界での生活を運命づけられている。そのことに彼らが気付くことは無い。



 もしかして、そうなのではないだろうか。



<ユノ=バルスム>は過去のいくつもの世界の終わりの残滓により滅びかけているのだという。これまでかろうじて世界を保っていた神に近い存在<ボナ>は、世界を救えと最後の力でプレイヤー達をこの地に誘い、消滅した。


 だがこの世界はいつか本当に救われるのか。


 ネットゲームにクリアはない。あるとすればサービス終了だ。果たしてその時本当に世界は救われるのか。それまで滅びかけの世界で彼らが苦しむことに、彼らの生に意義はあるのか。


 町の住人だけではない。


 フィールド上に存在するモンスターも、美しき悪魔テレジアも、最強の存在セルペンスも、それどころか<ボナ>や<ユノ=バルスム>そのものも、プレイヤーを楽しませるために存在している。


 ゲームなのだから、作られた世界なのだから当然だ。



 もしかして、そうなのではないだろうか。



 リアルとはそういう物なのではないだろうか。リアルは誰か特別な「主人公」達の為にあり、自分はそこに暮らすNPCなのではないだろうか。いつか「主人公」がやって来て魔王を退治し、世界が変わることを夢見るだけの。



 別に自分を投影したわけではないのだが、そんなことを考えたのがきっかけだ。この世界のNPCはどんな生活をしているのだろうと思った。NPCでも出来そうなことだけをしながらこの世界で過ごしてみようと思った。


 こうして和矢は自分のアバター<ナゴミヤ>のスキルの数値を全てリセットした。


 NPCは強力なモンスターを退治したりはしないだろう。少々使える魔法と逃げ足の速さを頼りに素材集めとお宝さがし、それに自分でも何とかできる弱い魔物の討伐。この世界に冒険者がいたならきっとそういう物だろう。勇者に会えた時の為に彼らを補助するための魔法はあってもいいか。幸いすぐ近くにもヴァンクと言う名のちょっと変わった勇者がいる。NPCとはいえ勇者の冒険に同伴するくらいのことは許されるだろう。


 スキルを変更した結果ボスクラスのモンスターを一人で狩ることはできなくなった。それでもNPCと、一般人と言うには強すぎると思った。そこで一部のスキルを向上させるために他を著しく引き下げる装備品を、デメリットが多くなるように選んで身に着けた。


 それでもきっと一般人とは言えない。勇者と一般人にはそのくらいの開きがある。


 リアルの自分と何かの夢を叶える者達の差もきっと同じくらいあるんだろう。



 NPCになる為スキルを変更したと伝えるとヴァンクは笑った。でもそれだけだった。



「いや、何でだよと思うけどよ。今更お前に何でだよって言ってもなあ」



 自ら狂戦士(バーサーカー)を名乗るパンツ一丁の友人に言われたくはないと思った。



 モンスターを倒すことはできなくなったが和矢のアバター<ナゴミヤ>にはそれなりに財産があった。これ一つとってもナゴミヤがNPCであると言い切るのは無理がある。<ナゴミヤ>が持っていた今は手に入らない貴重なアイテムを、ネットを通じて<骨董屋>と呼ばれるプレイヤーに買い取って貰い、そのお金でマディアの町の近くに家を建てた。


<骨董屋>と言うのはアバターの名前ではなく、<ブンプク>という奇特なプレイヤーに付けられた二つ名で、その人物は手に入れた貴重なアイテムを陳列する博物館なるものを立てて誰にでも見られるように展示している。三つの巨大な建物に所狭しと並べられた収蔵品の数々は正に壮観であり、NPCとなった<ナゴミヤ>自身も博物館を訪れることを楽しみにしていた。


 こうして出来上がった<ナゴミヤ>の家にヴァンクが入りびたるようになった。さらには町やダンジョンで会ったおかしな奴らが訪ねてくるようになった。大学時代の自分のアパートさながらだ。このおかしなメンバーでギルドを立ち上げてみるのも一興じゃないか。リーダーはお前がやれよ、家主なんだからな。


 勇者たちの中に一人混じるNPCがギルドマスターだと言うのはおかしな話だが、そもそもおかしなメンバーぞろいのギルドだ。別にいいかと思った。


 そこから、おかしなギルドにおかしな人が増えて行った。


 ある時対人エリア内で真っ赤なケープで顔を覆った殺人鬼に襲われたことがあった。からくも逃げ切ったのだが再び会った時には向こうから話しかけてきた。彼女が一部の間で要注意人物とされていることと彼女が自分の友人であったことはその時に知った。いつの間にか彼<リンゴ>もギルドの一員となっていた。


 際限なく強力なモンスターが沸き続けるダンジョンの中で、ひたすら死んでしまった冒険者たちを蘇生し続ける妙なアバター、<辻ヒーラー>の<ハクイ>にあった。その時は顔の見えないチャットでやり取りの行き違いのせいでヴァンクとハクイが本気で喧嘩しそうになったのだが、誤解が解けた結果何故かハクイもギルドナゴミヤの一員となった。


 マディアの町で初めてまだ一か月だというプレイヤーに会った時には驚いた。ネオオデッセイにもまだ新人プレイヤーという物が存在したのだと。ショウスケと言う名前のそのアバターは自分を含めた先輩たちのアドバイスを受けてものすごい早さで成長して行き、やがてはナゴミヤが到達し得なかった<竜殺し>を成し遂げることになる。


 このショウスケを連れて博物館に行った時、<骨董屋>の<ブンプク>本人にあった。意外にも女性アバターで中の人物も女性だという。よく考えれば当たり前のことだが骨董屋にも中の人物がいるのだと偉く感心したものだ。ギルドには加入してないとのことだったのでダメ元でと声を掛けたら意外にもあっさりOKされた。


 同じくマディアを拠点としているために一緒に遊ぶことが多かった名無しの猫にも声を掛けたがこちらは断られた。これはまあ、案の定ではあった。



 この間に他にも加わった者もいたし、やめてしまった者もいた。やめた理由は様々だ。リアルの生活が変わったり、他のギルドに移籍したり。寂しいと思う気持ちもあるがいずれも気持ちよく送り出した。リアルにしてもこの世界のことにしてもそれぞれ大事にしているものがあるのだ。ただ何もなく一日を超えることを繰り返す自分とは違う。



 ギルド結成から二年が経ったころの同じ時期、<ヴァンク>と<ハクイ>とがそれぞれ結婚した。


 ヴァンクの結婚相手は大学時代から交際していた人で和矢も会ったことがある。ヴァンクはその人と共にヴァンクの、孝明の実家に戻るのだそうだ。卒業してから今まで続けて来た仕事のノウハウを生かして実家の仕事を継ぐのだという。しっかりとした人生設計だ。ヴァンクは自分と同じような生き方をしていると思っていた。随分差があったのだと痛感した。


 その後しばらくして、リアルで会ったことをきっかけにショウスケがブンプクのことを気にしだして、ブンプクがショウスケのことを気にしだした。



 自分と同じだと感じていた者達も、みな、自分の物語を進めていく。


 成長しないのは自分だけだ。


 微かな焦り。でもそれ以上の無力感。


 自分には何も起こらない。起きてもきっと今までと同じように「そんなことにはならない」。



 後に<占い師>となる人物に会ったのはその頃であった。


 初めての出会いはとても印象的だった。


 初期装備のアバターが沢山のゴブリンに追いかけられて逃げ回っていた。出会った時のショウスケ以上のほやほやの新人だ。


 始めてこの世界に来た時のことを思い出した。あの人はきっと今から暫くが一番楽しいに違いない。今ゴブリンに殺されて死ぬことだって、後できっと素晴らしい思い出になる。


 邪魔をしてはいけないと思ったが向こうも自分に気が付いたらしくゴブリンを引き連れて何度も自分のまわりを往復しだした。



 助けてくれ、ということだろうか。


 恐らく和矢を自分と同じ勇者だと思っているのだろう。


 助けること自体は容易い。だがそんなことをしていいのだろうか。迷ったが折角求めてくれたのだ。それなら始まったばかりの彼女の冒険に、一つ面白いエピソードを添えてみることにしよう。



「始原より前に在りし、神々を統べる王。名を持たぬ偉大なる御方に(こいねが)う!」



 有名な漫画に登場する魔法使いのセリフだ。ネットで引用されることも多いので向こうも知っている可能性が高い。


 ちょっと前ならいざ知らず、今の自分には魔法でゴブリンを退治することは出来ない。だが別に倒す必要はない。ゴブリン達に雷の魔法を当ててヘイトを高め、攻撃のターゲットを自分へと移させた。


 魔物蔓延るこの世界でNPCとして生きることを信条とする自分だ。逃げ足には少々自信がある。ゴブリンの十や二十、物の数にはならない。


 何が起きたのかわからずぽかんと立ち尽くす初心者を残し、全てのゴブリンをその場から連れ去った。



 十分な距離を引き離した。あとは転移魔法で町に帰ればゴブリン達は勝手に散らばっていくだろう。討伐は自分の仕事ではない。


 だが念のため。一応先ほどの場所に戻ってみると初心者はまだそこにいた。話を聞くと重量オーバーで動けないらしい。恐らくバックの中は二束三文のアイテムでいっぱいなのだろう。


 その気持ちはわかる。この世界のすべてが宝物のようにキラキラと輝いて見えた時期が自分にもあったから。


 それを捨てる選択も大事な思い出、経験。サポートしたいと思うのはエゴだろうか。



 迷った末に騎乗生物を連れてもどり、その人を町へと運び、別れた。



 ギルドのメンバーやこのところ退屈気味の名無しの猫にこの話しをしたらどんな反応をするだろう。きっと皆羨ましがるに違いない。もうあの人に会うこともないだろうけど。


 始めたばかりの新人に会ったせいだろう。ログアウトした後も自分にもあの頃に戻ったような興奮が残っていた。この日はなかなかに衝撃的な一日だった。



 でもそれも翌日の衝撃に比べれば大したことではなかった。



「ナゴミヤさん、私の師匠になって下さい!」



 昨日別れたマディアの町。和矢を発見した<コヒナ>という新人プレイヤーが駆け寄って来てそう言ったのだ。


 自分だって、和矢だって驚いた。でも自分のアバターの<ナゴミヤ>はもっと驚いただろう。



 NPCである<ナゴミヤ>にとってそれはきっと「空から女の子が降ってきた」くらいの衝撃だったに違いない。


お読みいただきましてありがとうございます!


このお話を書いている間ツイッターに綺麗なドレスが沢山流れて来て、それが気になって仕方がなかったです。ナゴミヤさんが乗り移ったのかもしれません。


そう言えば私は誰かを書いている時はその人と同じ表情になってることが多いです。


カクヨムさんの方でも投稿させていただいておりますがそちらでもブックマーク200を達成いたしました。読んでいただける人がいると思うとやっぱり力が沸いてきます。いつも見に来ていただき、本当にありがとうございます。


次回も張り切ってまいります。


また見に来ていただけたらとても嬉しいです!


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