やり直したい!願いはかなったけど、どうせなら見た目も変えて欲しかった!
ひさびさにリアルで長い夢をみたところから、なんかこれは書かないともったいないのでは??
と、勢いで書き始めたお話です。
もし、みなさんにもこんなやり直したいことがあって、もしよかったらぜひ教えてください!
「・・・・・い、唯!!そろそろ起きなさい!!唯ッ!!」
「・・・・うーーーん、もう少しだけ」
「今日から3年生なんだから、もういい加減自分で起きなさいッ!!!」
「うーーーん、もう3年・・・3年、せい??」
だんだんと頭の中がハッキリしてくるものの、3年生という単語にひっかかってようやく目をパッチリ開ける。
視界の中に入る、眉間のシワを寄せたエプロン姿のお母さんはーーーーー今よりも若かった。
「・・・・あれ?お母さん、何で急に若返ってるの??」
黒髪で背中まである髪型は、私が学生時代の頃で、今は確か茶髪でショートカットにしてたよね??
心なしか体型も今よりほっそりしてるような??
シワもシミも少な・・・ってこれは怒られるか!
「何寝ぼけて変なこと言ってるの!!さっさと着替えて、ご飯食べてきなさい!!」
「・・・・・わ、わかった」
何だろ??
エクステでもつけて、急なイメチェンでも始めたんだろうか??
まぁ、とりあえず早く着替えて、ごはん食べてーーーーーーー。
「・・・・・・小さい」
何これ??
タンスの中に入ってる服という服が全部子ども服。クローゼットにも子どもサイズのワンピース。
何の嫌がらせ??
朝からいきなりの家族ドッキリですか??
「ちょっと、お母さん!何で私のタンスの服が入れ替わってんの??私のスーツはどこ??」
私の部屋の窓を開けて空気の入れ替えをしてくれていたお母さんは、さらに眉間のシワを深くしながら手を止めた。
「はぁ??あんたまだ寝ぼけてんの??スーツなんて、子どものあんたに必要なわけないじゃない!鏡見て自分の姿をしっかり見てらっしゃい!!」
「・・・・こ、子ども??」
確かに、お母さんからしたら私は子どもですけども、一応私は三十路の大人になるわけで。
体型的に決して細身ではないから、このサイズが入るわけがないですよね??
「・・・・・・・・こども、ですね」
鏡の中に映るのは、黒く長い髪の毛が背中の腰まである女の子。
人生でそこまで長く伸ばしたのは、七五三の為に伸ばした子どもの時だけだった。
その後、2つ下の妹の七五三に一緒に映る時の為に髪の毛をバッサリ切ったのは小学3年生の時。
毎日毎日長い髪を2つに分けた三つ編みにされ続けた結果、髪の毛を切っていいという了解が降りた瞬間、何かが吹っ切れたようで、私はいきなりのベリーに近いショートカットにチェンジすることとなる。
うん、あれは快感だった!
そして、そのまだ快感を得る前の、寝起きはボサボサのライオンのたてがみのような、スーパーサイ○ジン形態ナンバー3のような、ものすごいことになっている、背は平均よりは高いものの今よりもずっと小柄な女子が目の前にいた。
「・・・・・・なんで??」
確かに、ふと見た自分の手もいつもの何周りも小さい。
うん、これは可愛い。
「唯!!いつまで鏡の前でボサッとしてるの!!さっさと着替えてごはん食べてきなさい!!遅刻するわよ!!」
「は、はいぃぃ!!すみませんでした〜〜!!」
とりあえず、目の前に入ってきた青いワンピースを上からかぶり、靴下を履いてリビングにまで急ぐ。
あのままいたら、2、3発ビンタか拳あたりが平気で飛んできてもおかしくない。
それぐらい、若い頃のお母さんは子育てに仕事にと大変でイライラしてることが多かった。
「・・・・あぁ、これ夢だ!きっとリアルな夢に違いない!ほら、夢の中で目覚めるやつ見たことあるし!」
なんとか無理やり自分を納得させて、とりあえずリビングに行って朝食を食べる。
ボサボサ頭は、洗面台で軽く濡らしてから適当にポニーテールに結んだ。
昔はできなかったが、今の私ならこれぐらいはできる。
「おはよ、お姉ちゃん!今日も寝坊したの??」
「・・・・・おはよ、藍!やだ!相変わらず可愛い〜〜!」
「はぁ??何変なこと言ってるの??」
「ご、ごめん」
嫌でも、本当に可愛いんだって。
私と違って女の子らしい服や髪型が大好きな妹は、ピンクと白のワンピースに、髪型もツインテールにした髪を赤いリボンで結んでいる。
今はモノトーン色で、デザインもシンプルでシックな服が大好きな妹は、この頃は女の子らしい服を好んでいた。
目もパッチリ猫目で大きくて、ツンデレキャラ的な感じが可愛い!
久しぶりに見たけど、昔からモテてたもんな〜〜♪
「・・・・うん!おいしい!!」
この頃の朝の定番だった、食パンに目玉焼き、背を伸ばそうと夢中で飲んでた牛乳に、毎朝具材が変わるお味噌汁。
うーーーーーーん、懐かしい!!
今はもう自分達で勝手に用意して、食べなさい!ってスタイルだしね。
起きるとご飯ができてるって、マジですばらしい!
あの時はお礼を言うこと自体考えたことはなかったけど、毎朝大変だったよね、
お母さん、ありがとう!!
「お姉ちゃん、そろそろ行かないと本当に遅れるよ??私先に行くからね!」
「えっ?!ちょっと待って!!一緒に・・・・って、あぁ!!懐かしきランドセル!!」
「はぁ??」
こ、この独特の丸みをもつシルエット!!
持つ人で思い出とともに自分だけの傷が扱い方によって刻まれる、この世でただ1つのマイカバン♪
な、な、懐かしいーーーー!!
この頃は今みたいにカラフルオシャレランドセルじゃなくて、赤と黒、女子なら赤しか選べなくて、毎日毎日毎日同じカバンで行くのがだんだん嫌になってきてたんだよね!
小学生の5年生から、上級生ならオッケーと了解が降りて、笑顔で早々に卒業してしまった、懐かしき我が相棒!
「ちょっと、唯!!いつまで食べてるの!!髪の毛も・・・・って、あらまさか自分でやったの??」
「うん!ごはんおいしかった!いつもありがとう♪行ってきまーーーす!!」
「えっ??ちょ、あの子ったら、何いきなりお礼なんて言ってるのかしら??変な子ね」
怪訝そうな顔をしつつも、なぜかお母さんの顔は嬉しそうに微笑んだ。
「まぁ、当たり前のこともたまにお礼を言われると、やっぱり嬉しいもんよね」
カチャカチャと、唯と藍の食べ終わった食器を片付けると、ふとお母さんは振り返ってそこにいる人に声をかける。
「ねぇ、お父さん♪」
「そ、そうだな。いつも、感謝している」
「それをこっちが催促しなくても、言ってもらいたいものだわ!早くあなたも食べてしまってちょうだい!」
「あ、あぁ」
「全く、あの子の寝坊癖は絶対お父さんに似たせいですからね!!」
「す、すまない」
懐かしく、愛しい、私の大好きな家族。
桜並木が続く、懐かしい小学校までの登下校の道を私は藍と一緒に走る。
そうだ、毎日この道を私は寝坊して遅刻ギリギリで学校に向かってたな〜〜。
寝るのが昔から大好きだったから。
「いやぁ〜〜〜なんか体もメチャクチャ軽い!!子どもってすごいね!!」
「はぁ??お姉ちゃんも子どもでしょ??」
「あ!そうでした〜〜!」
「変なお姉ちゃん」
あぁ!その冷たい視線ですらも懐かしい!
いや、それは時々今もあるか。
なんかよく分からないけど、こんなに楽しい夢なら楽しんでしまおう!
起きた時に、いきなり叩きつけられた現実に心が折れそうになるかもしれないが、それは仕方がない。
現実の私は大人だ。
きっと、神様が夢の中でくらいはと優しいお心でご褒美をくれたに違いない!
ありがとう、神様!
アラサー神野唯、人生2回目の子ども生活を楽しんできまーーーす♪
唯ちゃんは、どんな風にやり直していくのか、私もまだ先が真っ白な、本気でいきあたりバッタリスタートです。
とにかく、書き始めないと!という衝動にかられて書いたもの。
どうか、暖かく見守ってやってください!