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魔族と人間
ザーザー
朝から滝のように降り注ぐ雨
深い緑に囲まれた魔帝国を手加減なしに濡らしている
溢れそうな川がいくつもあった
シーアは心配だったそしてつい、声に出してしまった
「大丈夫かな?」
しまったと思ったときには遅かった
前に座り書類に目を通していたシゼルはいつの間にか隣に座り腰に手を回し
「大丈夫だ、水害には昔から慣れている」
最近シゼルは心配性この言葉に過ぎる
ワンピースの丈が短過ぎと口を酸っぱくして言ったり、雨が降ると風邪をひくからと外に出してくれなかった
正直うざりしていた
シーアほ腰に当てられた手をやんわり緩め、横にずれようと必死に動いた
だか思ったより力が強くうまくいかない
「シゼルさん、最近 過保護過ぎます。」
言ってやったといった気持ちだった
だが、
「そんなことはない、もっと過保護でもいいと思ってる。」
泣きそうだった、