始まりの鐘は唐突に
リドォン リドォン…
海の底から 聴こえしは
遥か昔から鳴る鐘の音
リドォン リドォン リドォン…
その鐘の音は100の水の精が鳴らしてる
今日も休まず…リドォン リドォン リドォン
その鐘の意味を知る者は……
ジリジリジリリリリリリリリ
「ふぁわわあっ!」
奇妙な声を発し飛び起きた少女
彼女の名前は紫衣愛
今日【7月14日】に14歳の誕生日を迎える
重たい瞼を擦りなんとか布団から出る
「うー…まだ眠いけど、もう起きなきゃ、」
「ちょっと、しーあまだ起きてないの⁉︎」
朝から鬼のような声を轟かしている女性は
紫衣愛の同居人、家族とは言えない関係である
「ごごめんなさい!寝坊しちゃって…」
できるだけ急いで準備し階段を降りてきた紫衣愛はさっそく謝罪の言葉を口にしていた
「ごめんじゃないわよ!何が寝坊よ!あんた自分の立場わかってんの⁉︎身寄りのないあんたを拾ってやって、ここまで育ててやって、あんたはね、私に飼われてるのよ!自分の立場を理解なさい!」
大声でまくし立て最後の言葉とともに紫衣愛を平手打ちにする パシッ
この横暴な女こそ紫衣愛の名目上の保護者
【室町カエデ】である
「まったく、早くしなさい」
カエデはパン屋を営業している
手間のかかるをパン作りを朝早くから紫衣愛にやらせている
今は午前4時、成長期の中学生にはまだ眠たい時間だ
仕込みを終えて7時カエデは終わるとすぐ仮眠に入ってしまう、
「あ!今日は早く帰って来なさい、特別な日なんだから」