5.★ 青春クロス†
突然だが、
俺の(多分)トモダチ・麻川アキは、
よくモテる。
青春クロス†
まぁそうだョね。なんてったってあのルックスだもんさ。
身長は170cm弱、ほっそりした顔は一級品でおまけにあのストイックな雰囲気。
頭もヨシ、運動もバッチリ。
モテなきゃおかしいんデスよ。中身を知らない愚かな純情少女達から・・・!
「麻川アキくん!あのっ、私2年A組の東野カナといいます。ずっと好きでした、付き合ってくださいっ!」
これぞ青春。ビバ青春。フィーバー青春。(は?)
多分恐らくきっと俺を待っててくれた(んだよね?)アキが裏庭のベンチでおさげの純情そーな女の子に告白られてまス。
なんのタイミングかその時ちょーど裏庭に面する2階の廊下を歩いてた俺は、そのまま窓から傍観モード。
いやぁ、いいねぇ青春。(あれ親父臭い?過年臭漂ってる?)
ふとアキがこっちを見上げてきたんで、俺はひらひら手を振った。目が「見るのかよ」と訊いてきたんで親指ぐっと立てて「もちろんだZeチェケラ☆」って返事したら、馬鹿にしてスト(馬鹿にしてる、の最上級)な顔で哀れみに満ちた視線をくれた。こ…これも、ひとつの…ア…アイの…カタ、チ…?
俺の耳はアフリカの先住民並にいいから、窓があいてりゃ青春トキメキ☆ガールとアキの会話がよぉぉぉぉぉっく聞こえた。
「ごめん、俺きみのことよく知らないし」
「これから知ってもらえれば!」
「でも俺今恋愛に興味ないんだよね。だから」
「じゃあメル友からはじめてください!」
麻川氏…きみオスカーとれるよ。なんだいその新宿歌舞伎町ホスト並のキラキラスマイル、こういうのを営業用っていうんでしょーか。でもここまで見事だとあたいホれちゃうZe!(いらん)
アキが考えるようにはぁと溜息をつく。今きみ「うぜェ」を語外に含めたよね。
東野カナちゃんもやめなよ、そいつ性格悪いよ?
アキが見上げてきたんで慌てて目をそらす。性格悪いなんて考えてたのがばれたらあたいの貞操が!( 埋 ま れ )
「そんなところにいたのか、ユウ。降りてきなよ」
誰 の 声 だ 。
今の何!?ねぇ今の石●彰ばり“胸きゅん☆ハートフルスゥィーツのなかにも青春のレモンみたいな甘酸っぱさアリ・効果は青春きらきらシャインとフローラル系コロンで!(きゃっ)”ヴォイスは誰のデスか!!?
慌てて見下ろすとアキがにこにこ(いつものにっこりではなく)手を振っていた。
「嫌よ!どうせあたいが降りたら襲うつもりなんでしょ!?このケダモノ!」
「遊んでないで早く降りてきなって、な(にっこり)」
「(ヒィ)」
俺の頭の中じゃしっかり翻訳。あれはこう言ってる「つべこべ言わずにさっさと降りて来いやゴルァ」。貞操どころか殺される・・・!と思ったけどアキのにっこりのほうがよっぽど恐いんでとりあえず窓枠に足をかけて思いっきり飛んだ。
「きゃあッ!」
カナちゃんの悲鳴が聞こえたけど大丈夫オールオッケイ心配ナッスィン。上手くいけば、
バキボキベキッ
「植え込みに落ちるからネ」
唖然としてたアキが一言。
「それって上手くいくって言うんですか」
ごもっともです。
ちょっとつぶれたハムカツサンドとデザートのホーム●ンバーとう●い棒×5が入った袋をアキに預かってもらって、やっとこさ植え込みを抜け出て葉をはらってると、
「怪我しなかったか、ユウ」
とアキが言ってきた。(この時体中にトリハダが立ったのはいうまでもなく。このままだとサメハダになっちまうぜあたい。水泳選手にでもなって「チョーキモチイー」って叫んでこよっか)
「あんまり驚かせるなよ。全く心配させあがって」
誰ですかあんたわ。
訊きたかったけど飲み込んだ。アキの目が「余計なこと言ったらしばくよ?(にっこり)」と無言の圧力をかけてきてる。はっちゃけ恐い。
そんな無言のカツアゲ(アブナイのはあたいの貞操☆(もういい))を見ていたカナちゃんが、「麻川くん…もしかして…!」と息を呑んだ。
もしかしてって何。
「ごめん」
なんとも自然にアキの腕が俺の腕に絡み付いてきた。恐怖で声が出ない俺に更にトドメ。
「俺こいつと付き合ってるから、邪魔しないで?」
うっそダーン。
いつのまにそんなことになってたんですか。俺の貞操はもうきみに奪われちゃったんデスか?(ありえない)
呆然としてる間に泣きながら走り去るカナちゃん。止める間もありゃしない。
「麻川氏」
「何」
「どっちがカレシですか。俺ですか」
「(そっちかよ)むしろあんたはイケニエです」
「は、イケイケ?そりゃ俺は今をトキメク銀河系のアイドルだけどォ」
「(無視)あんたにはしばらく、うざったいのを追い払うネタになってもらいますので」
「…いつまでデスか」
「無期限」
「ユウヤきゅんは高いですョ」
「覚悟の上です」
「…利子つきますョ」
「俺んち金持ちですから」
「嫌味ですか」
「そーです(にっこり)」
「(ヒィ)」
「とりあえず」
「とりあえず?」
「明日から、頑張ってくださいね?」
「?なんで」
「いや、色々とさ」
翌日、女の子からのイタイ視線男共からの「幟堂センパイとタメはる美形とだなんて女達が黙っちゃいねぇだろ、大変だろうけどがんばれよ。俺応援してやっから」等々のわけのわからん励ましにあいやっと昨日のアキの「がんばれ」の意味を理解した。
そーだったのねと報告すると、
「ごめん…あんたがトリ頭で馬鹿で阿呆だってことをふまえて言わなきゃいけなかったね」と哀れんでスト(哀れんでる、の最上級)な視線をくれた。
こ…れ、も…ひとつ、の…ア・アイの…カタ…チ…?
なんにしても、俺この高校で2度と女の子との恋愛はできねぇな。
誰か俺の青春返してください。
僕は今日から
学園で“幟堂センパイ”とタメはる美形で
恐らく学園で両手の指に入る腹黒策士の
無期限有利子イケニエ
比類無きいちごカフェオレ好きの暗殺者・アキと白石財閥の令嬢・ユウヤとの恋は!?アキが所属していた組織、“バーコード禿げにはなりたくないぜチェケラ☆”との対立はどうなるのか!?待て次週!(違う)