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24.★ 血液型・B型 上


 僕たちは考えながら生きている。

 僕たちは感じながら生きている。

 僕たちは疎外を怖れながら生きている。

 僕たちは死を恐れながら生きている。

 僕たちは必死で生きている。

 僕たちは必死で死んでいく。


 この手に掴めたもの全て、護りきれるとでも思ってるの。



                      血液型・B型 上



 暑さも大分和らぎ、

 と言いたいですがちっとも和らぎやしません。 

 っていうかむしろ今がピークです。

 なんだろ今年の太陽、ホント頑張りすぎてますョ。たまには有給とれ。

「おっハヨーさん。もう御機嫌斜めを通り越して垂直ですね麻川氏」

 アキの顔にはものすごい疲労感っつかもう悲壮感。

「あんたは朝からテンション高いね。ウザイ」

「冷たいこと言うと僕ちゃん拗ねますョ」

「キモイ」

 はぁ、とホントに機嫌悪そに溜息つく。アラやだホントに不機嫌絶好調?

 なんでかとかそんな野暮なこと聞きません。

 知ってるから。(爆)

「『学園アイドルナンバーワン』」


 どさっ


 荷物おとしたよ、思いの外過剰な反応を見せましたねクールな君に似合わず。

 アキが鞄拾って無言で靴箱に手を伸ばす。

 開ける瞬間を見計らって続きを読み上げて差し上げよう☆(止めれ)

「『第一回学園アイドルナンバーワンコンテスト・王子の部1位、綾峯学園高等部2年麻川アキくん』」


 がさどさばきぐしゃめしゃどしゃぱりかこんどんがんばこぼこっ


 さながらアキ誕生日リフレイン。

 素敵に簡易雪崩が起きてピンクカラーのやたら多いプレゼントやら手紙やらがアキの足元に溜まった。

 靴箱開けたまんまのかっこで止まってるアキ。あっそんなさながら梅雨のナメクジ並にじっとりした目でにらまないで下さい!

 カラーの見開きばばーんと使ってジャニ系アイドルもびっくりの爽やかオーラを振り撒くアキがでっかく斜めに。

 目の前にいて不機嫌オーラ振り撒く人と同一人物とは思えませんね!

 余談ですが全国女子高校生御用達の雑誌はついさっきレキから押しつけられマシタ。

 なんか「ランキングなアキが彼氏で弟が幟堂リナで10:24分がトップに生徒会長でおいでませ!」とか叫びながら俺にぶつけていきました。

 全訳:お前の彼氏で俺の弟でもある麻川アキがランキングトップやでっていうか10:24分までに生徒会長・幟堂リナに会わなあかんけこれでな!

 まぁね、人間伝達手段は色々あるけどね、省きすぎ。

「オメデトウ、全国紙じゃないですか。もう芸能界入りは決定しました?」

「どーもそれはない」

「ちなみに2位は幟堂生徒会長ですョ」

「そーですか…」

「3位は長崎の兄崎カヲルくんです」

「誰…」

「二枚目ですヨ、背高めで。ほれ」

「…確かに」

「こいつを抑えるとはやりおるね麻川氏と会長」

「はぁ…」

「『京都の綾高はチョーレベル高いョ、Yoチェックすべし☆』って書いてある」

「何の」

「男のでしょ、ねえこれって俺も含まれてると思う」

「少なくともそれだけはあり得ない」

「まぁ傷つく。そしてきみの兄上のレキが最終候補に残ってますよ」

「それはまた趣味の悪い…」

「ダブルでおめでとうですね!」

「どーも…」

 律儀にプレゼントとかレターを集めて鞄に詰め込む麻川氏。

 そこに集まる視線視線視線。

 あれですよ、ラヴヴィームです、熱い上に俺にくるのはイタイです。

 まぁあれだしね、俺に来るのはズェラスィーストームだけだしね。

 それにしてもこの雑誌発売日昨日のはずなのにこの広がり様、メディアの力は恐いね!

 じっと視線に我慢して鞄に諸々詰め終わったアキが顔あげる。

「…」

「…」

「…俺、帰る」

「は、え!?なんで」

「駄目だ、帰ってもウザイのいる」

 思いなおして自己否定。

 あぁ、つまるところ

「あれですか、取材」

「あとスカウト」

「電話が鳴り止まないと」

「留守録メモリーパンク」

「うわ」

「安眠妨害されて最低。ちょっともういい加減にしてほしい」

 それで朝から御機嫌垂直なわけだ。

 その上この視線にさらされてちゃね、ドンマイ!

「あんたあんま励ます気ないだろ」

「まあね!だってぶっちゃけ他人事だしね!」

「それならそうと早く言ってくれれば俺もためらわずに殺れたのに(にっこり)」

「(ヒィ)」

 寝不足のせいですかいつもより過激ですね、にっこりにも生気がありませんそれでもイケメンなんだからもう何、麻川氏あんたは黄金比率のカタマリですか?

「で、サボりますか」

「…いい、なんかもうそれすらもめんどくさい」

「じゃあ教室行きましょう」

 ぽんと軽く肩に手を置くとブーイングの嵐。まぁ煩い。

 ふとアキの目線が俺の足元へ。

「靴、履き替えてないよあんた」

 …目聡いですねホントにきみわ。

 靴箱開けたらどうなるかなんて考えなくてもわかりますよいくらアホの子の俺でもね!

「麻川氏が開けるんなら履き替えてもいいんだけどねェ」

「…あぁ、そっか」

「そうなんです。今日はお客様スリッパにしとくしかありませんョ、アキ軟禁錠とか持ってない」

「あるけど」

「まじでか」

 っていうか、何で。

 俺もこれ以上処理しきれないもらい物するつもりないから。

 麻川氏は相変わらずクールに言う。

 乙女ゴコロにポティブロー。痛た。

 とりあえずアキにもらった南京錠で鍵をした。

 背後から「ちっ」とかって舌打ちが聞こえた気がしました。

 女の子は恐いねぇ。


 五割り増し。

 何が?

「中傷文ってヤツですよ」

 机に書かないだけ小学生より進歩してます。

 ただし引き出しの中にわさわさ。これが札束ならどんなにいいことか。


 オレンジサワーの中にいるような生ぬるい橙色の教室に独り。

 実は今日独りになったのこれが初めてです。

 人気者なわけではなく。

 ほんとね、俺の友達はいいヤツばかりなのです。

 アキの偽彼氏になったときから偏見のHもなく、ごくごく普通に付き合ってくれてます。

 女子までそうなんだからホントすごいよね。

 ああ、なんか単にオタクと呼ばれる人種が多いだけかもしれませんが。

 それでもステキだよホント、愛してるぜ2−C!

 放課後もなにやら最近サッカー部員と化しつつあるアキを一緒に待ってくれると言われましたが、さすがにそれは断りました。

 でもねえ、世の中そうでない人のほうが多いんですよ。

『キモいんだよホモ!麻川くんを返せ!』

「キモとホモで韻踏んでる、高等テクニックだなー」

『調子に乗ってんじゃねえぞ、手前の顔なんて十人並なんだからよ!』

「ほうこれはお嬢に指紋鑑定キットでも借りてそのツラ拝みに行きますかね。レキの筆跡鑑定でもいいけど。っていうか素直にブスと書けばいいものを」

『死ね!』

「ストレートだー…」

 こうやって自信がないヤツとかは文字で相手を傷つける。

 逆に中途半端にプライドがあると。

「あんたが白石ユウヤ?」

 逆光で顔は良く見えませんが、スカートはいてるとこと色からして三年女子ですね。

 しかも一人じゃなくて複数名ですね。

 丸めた中傷分をゴミ箱へ放る。

 教室のドアに当たって、軽い音をたててゴミ箱に落ちた。

「そうですけど何か」

 その行為が挑発的に見えたらしく、先輩方はこっちをにらみつけてきた。

 見えないけどわかるんだよね、そういうの。


 OK、いいよ。

 受けてたちましょう。



 遅くなりましてすみません。

 励まして下さった方、ありがとうございます。

 停滞ぎみなのにはKの個人的な事情で…(最悪)PCに触れない状況下にいるためです。


 関係ないですが、最近アキの人気がスゴイです。

 もうKもどうしたらいいかわからないくらい人気です。

 どうしたことか、どこがツボなのでしょうあんな腹ぐげふげふ。

 いえ?好きですよ腹黒策士。


 また次ぎの話をあげるまで間が開くかもしれませんが、気の長い方だけ待ってやって下さい。

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