22.★ ニアミス・お嬢の恋愛講座
多分、
認めたくないだけなんだろうけど。
ニアミス お嬢の恋愛講座
アキだ。いや秋ではなく、今は夏。
こんな暑苦しい時によく麻川氏は涼しげにサッカーできますね。すごいよ。
アキだからか。あ、江崎と競ってる。
カオルはぼーっとしてんな、ぶっか…った。あほですかあいつわ。(あほです)
やぁカッコイイですね麻川氏、あたいホの字しちゃいますよ。(古い)
視聴覚室のエアコンフル稼働させて(天国。ヘヴン!)校庭で玉蹴りもといサッカーに勤しむ(大会に助っ人として参加するんで練習中)アキを目で追う。
視聴覚室って鍵壊れてっから開いちゃうんだよねではなく、針金で泥棒よろしくピッキングしました。(悪)開いちゃうもんだね。
内側からバッチリ鍵かけたから俺と同じことやるやつくらいしか入れまい。まさか校内で堂々とピッキングするやつもなかなかいないだろーし。(俺は例外)
カチっどかずぱんっ
「今日こそは何か幟堂のボロをみつけて見せるわよ!」
い た よ 。
何きみもピッキングしたんデスか。そんな堂々とドア開けて入ってこられてもっ。
「相変わらずすごいですね、それ…(犯罪まがいに)」
「それなりに金はたいたからね!すごいでしょうこの合鍵製造機」
俺よりすげェ!
ピッキングどころの話じゃないってそれ、犯罪なんじゃないの?
モデルガンみたいの(多分合鍵製造機)を持った1年生女子とその後をおろおろついてくる1年生男子。
あぁ…、ご主人様とわんこね…。(一発でわかる雰囲気かもし出してるよ)
わんこがびくびくしながら持ってきたらしいノーパソ起動させる横で、お嬢がこっちを向いた。
「誰あんた」
先輩にも物怖じしねぇこの態度。
「名乗るほどのもんじゃあございませんよ」
「ふーん」
納得しちゃうのかよしかも満足そうに鼻鳴らすな。
「サッカー部みてんの?」
「そうディス」
「…好きな男でもいるの」
ごっっっ
窓枠に激しく頭をぶつけてあまりの痛みにトリップしかける、あっ川の向こうで死んだパトリシアン(アリゲィター)が手を振ってる。(ワニが手を降れるんですか)
「はっはーん、図星ね?」
「3分の1くらいは」
「残りは」
「意外過ぎること言われたからかな」
「矛盾」
「そーだよね。お嬢は気持悪くないの」
「ドジョウよりウナギのほうが好きだわ」
ドジョウじゃないよ、お嬢だよ。
「男同士で気持悪くないかって言いたいんでしょ」
わかってんじゃん。
「そ」
お嬢は窓の外に視線を投げて、言った。
「私には関係ないし」
「まぁそうですネ」
完全シカトされてるわんこがうろたえてますよ。
「なんか、悪いことって気がしてなんないんですョ」
「なんで」
「相手は美形で金持ちの長男じゃないけど男だし」
「相手が迷惑がってんの?」
「さぁね、言ったことないからわかりません」
「ふーん、じゃああんた馬鹿なのね!」
何故SOーなるのー?
お嬢の思考はミステイク。(お前もな)
「相手が嫌だって言ってないのに悪いことのよーな気がするって、あんたは神様なの?いいこととか悪いことってあんたが決めるわけ」
なるほど、ミステイクなのは俺なんですか。
「ま、そうですね。でもぶっちゃけまだ好きかどうかわかりまセン」
「『尊敬、友情、独占欲と恋愛感情は表裏一体でありながら非常に近しいものである。しかしそれに境界線をひくのは自分自身であるのだから、他人に「これは恋か」などと野暮なことは訊くべきではない』」
「…ゲーテ?」
「麻川レキ」
あ い つ か 。
まじかまじかまじでか、なにそれレキきみ顔に似合わずロマンチスト!?
「私にはさっぱり役に立たないオッサンのたわごとだけど、あんたにはちょっと意味があるんじゃないの」
そうですね。
確かにその通りです。
うしろからわんこが目ェキラキラさせて「かっこいい」って唇動かしてるよ。まぁ俺から見てもお嬢はカッコイイよなかなか。
「そっか、なら大告白でもしてきますかね」
「せいぜい頑張れば」
「どーも。ところでお嬢はわんこ連れて何しに来たの?」
「幟堂のコンピューターにハッキング」
うわぉ。
それまたデンジャラスな、幟堂って生徒会長でしょ。
なんでってそれはさすがに訊かないよ俺ちびっちゃうかもだし。(埋まれ)
あぁ、後のわんこもそんな泣きそうな顔すんな。大丈夫未来は案外明るいZe☆
「お嬢ありがとね、なんかふっきれた」
「崇め奉りなさい!」
「そーしとく」
俺の好きなやつは、
偶然にも同性で同級生の、麻川アキという人間だ。
だいぶUP遅れましたすいませんごめんなさい。
ユウヤとレキはマブダチです。(古い)
でもサキが一体誰かは知ってるようで知ってません。