13.★ あのひとのフルネーム。下
「いやぁ、ロマンチックなプレゼントですよねェ」
「金なかっただけじゃん」
「(ドキッ)いえいえ「モノより思い出」でしょ。それに麻川氏物あげたら迷惑がりそう」
「まぁね、もういらない」
「その点俺のプレゼンツ☆ならほっときゃ自然に帰るからエコマーク!」
「金かからないしね」
「(ドキッ)いえいえでも麻川氏嬉しそーでしたし?」
「嬉しかったですから嬉しそうなのは当然じゃない?」
「そーですか」
あのひとのフルネーム。下
『フラワーシャワーですョ。そうですか?』
『草臭い』
おぅ…まぁそりゃ。
『しょーがないでしょ草だし。それに俺一日中かかって集めたんデスよこれら!』
『どろだらけじゃん』
『犬のよーに這いずりまわりましたもので』
『……』
『あの、麻川氏?』
無言で俯くアキ。え、何もしかして怒ってますか?
『麻川氏ぃ?』
『…ぶっ』
ぶ?
『くくっ、は、ははははは!ちょっ、もーなんか駄目!ははははははは!』
爆笑する麻川アキ。
ムービー写メしといてファンに売りつけりゃよかった、とあとから思った。(悪)
そのまま2分くらい笑いつづけたアキは、目元に溜まった涙をふきながら(そんなにおもしろかったのか!?)言った。
『なんかもう非常にあんたらしいね』
『それ褒めてる?』
『さぁ』
偶然肩に乗ったらしい四つ葉のクローバーを摘み上げて、アキは笑った。
いつものにっこりじゃなく、女の子たちに振り撒くにこにこでもなく、
『熱でもあるんじゃない、白石ユウヤ』
『は?何でですか麻川氏』
『顔、真っ赤』
すっげぇかわいい笑顔だった。
ま、本人に言ったら殺されそうだけどネ。
「麻川氏」
「何」
「なんかヘヴォくてすみませんネ」
「いえいえ」
それだけ持ってきたらしい四つ葉のクローバーをくるくる回しながら、アキは言った。
「非常にあんたらしくて珍しいプレゼントでしたから、大分印象に残りました」
そーですかそれわよかった。(よかったのか)
「多分、今までで一番嬉しいプレゼントだと思います」
うん、まぁね、
こんなことしかできないけどさ、
それでも精一杯、きみが生まれてきてよかったって思ってる。
※そのちょっと後※
「でもさすがにヘヴォすぎだと自分でも思うのでもいっこプレゼント」
「は?あんた金あんの」
「全財布財産210円です」
「100均グッズ2つとか」
「違います」
「210円商品?」
「いえいえ、来月まで210円でのりきらにゃならんので」
「(結局どっちもタダじゃん)」
「今月はひもじいですよ。ひもの爺さんじゃないです」
「(無視)で、何?」
「(うわシカト)トリビアですョ」
「(無駄知識?)」
「ハリポ読んでます?」
「一応」
「リーマス・J・ルーピン先生っていますよね」
「(ちょっと考え)いたね、そーいえば」
「彼のフルネームは「リーマス・ジョン・ルーピン」です」
「……へぇ」
「うわ1へぇ!反応うっす!」
「だって…ホント無駄…」
しばらく本編・準本編ともどもネタ充電期間に突入します。
捜さないで下さい。
は、冗談ですけれども、しばらく番外編攻めになるかと思われます。御了承ください。