詩 方向音痴のばけもの
「北が分からないし、南も分からない」
「東も分からないし、西も分からない」
「誰かがいれば地図を見られたり、方角を教えてくれるのに」
どっちに行けばいいんだっけ
分からないから適当に歩いた
どっちから来たんだっけ
分からないからまた適当に歩いた
どこに行きたいんだっけ
分からないけど何もすることがないから歩く
どこへ行こうとしていたんだっけ
分からないけど退屈だから歩くしかない
なんか たどりつきたい場所があった気がする
なんか 忘れちゃいけない事があった気がする
どこか 終着点 終わりの場所
そこにいけば 何かが終われる そんな気がする
始まったまま 終われない何かが やっと休める気がする
でも分からないから 行けない
分からないままだから ずっと行けない
分からないまま 歩き続けるしかない
誰かに教えてほしいけど
誰も教えてくれないから困ったまま
誰か 出会えないかな
誰かに 聞けないかな
どうしたら どこかに 行けるんだろう
何をすれば どこかに たどり着けるんだろう
「たどり着きさえすれば、きっと何もかも思い出せるはずなのに」
「正しい方向に歩いていけてるのか分からないから、不安でたまらないよ」
「ストーリー」
迷いのばけものは、空間をおかしくさせるばけもの。
そのばけものの居場所は分かっているから、我々が近づかないようにしなければ、それで大丈夫だ。
けれど、その空間にひきずりこまれると、一生迷いつづけることになるぞ。




