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タイトル未定2025/06/26 11:33

次の日、私達は焔達と合流した。


「どうだった?二人の方は」


「意外と意見は2極化してたな」


「2極化?」


「うん。こんな支配されながら暮らすのは嫌だって言ってる人と、普通に社会人してる時と大して変わらないから、安全が保てるこのままが良いって言う人もいたな」


「凄いねそっちは」


「こっちなんて一人を除いて全員開放されたいって言ってたよ」


「そんなに労働環境最悪か?」


「最悪でしょ。だって少しでもミスしたら罰則があるんだから」


「え?そんなのあるのか?」


「え?逆にないの?」


「うん。普通に多少ミスしても連中は何も言ってこずただ見てるだけだし。流石に凄いミスしたら何かされるかもだけど」


「こっちなんか皿割るだけで罰則だよ?」


「そうなんか。こんなに待遇に違いがあるなら意見も大きく違うのも納得だな」


「うーん男女比が同じだと仮定して民主主義に則ると連中の支配を潰した方がいいのかな?」


「でも余計なことをしてここにゾンビが侵入してきても私達責任は取れないよ?」


「だよなぁ。光達がずっとここにいるわけにもいかないし」


「じゃあどうする?このまま何事も無かったかのように出て行く?」


「それだと後味悪いし、連中のボスの厄飼さんに直談判してからにしようよ」


「まぁそれならいいか」


「じゃあ善は急げだよ」


私達は早速昨日行った連中の屋敷に向かった。


屋敷の前に着くと、連中が私達に話しかけてきた。


「お前らなんでこんなとこにいる!今は業務時間中だろ!」


「いやぁ、ちょいと厄飼さんに話がありましてぇ」


「面会の予定があるなどとは聞いていない!さっさと戻って業務をしろ!」


連中は話が通じないらしい。


「はぁ、おじさん達そんなに頑固だと将来老害になるよ?いやもう老害かwww」


「www」


ちょ、光やめてよ。私まで笑っちゃうじゃん。


「おい、お前ら死にたいようだな」


連中が銃口を向けてきた。


「あっ、ちょっと今日はそういうのいいんで」


蒼雷がそう言って連中の身動きを取れなくした。


「な、なんだ?!体が動かねぇ!」


「お前ら何をした!」


「あーはいはいうるさいからちょっと黙ってて。【レムスリープ】」


焔が魔法で連中を眠らせた。


「よし、行こっか」


こうして私達は連中の屋敷の中へ入った。


「おいお前らどっから入って、、」


「【レムスリープ】」


バタリ。


「な、なんなんだ!お前らは」


「【レムスリープ】」


「お前らは昨日来たやつか!何しにきた!」


「【レムスリープ】」


「あ、そこの詐欺男の娘!昨日はよくもやってくれたな!」


「あっ、ごめんねぇ。騙すつもりは無かったんだよ」


「うるせぇ死ね!」


「【レムスリープ】」


このように侵入してきた私達を排除しようとした連中を次々に焔が眠らせた。


一名だけ目的が違ったが


こうして遂にボスの部屋に到着した。


「たのもー!」


沙莉が勢い良くドアを開けた。


「君らは昨日来た」


「どうも〜あなたにお話があって皆さんに無理言って入れてもらいましたぁ」


「そうか、侵入者と言うのは君達だったか。今の今まで外で過ごしてきたって聞いて何か怪しいと思っていたが」


流石ボスと言われるだけある。


私達のことに何か勘付いていたみたい。


「それで話とは何だ?」


あれ?もしかしてやっぱこの人話が分かるタイプ?


「女性の待遇改善を要求します」


「待遇改善?」


「はい。女性が細かな一度ミスをしただけで罰則を受けなければいけないと言うのを無くしてもらいたいのです」


「なるほど」


厄飼さんは少し黙り込んだ後、


「そのようなことは私は指示していないのだ」


「え?」


「多分、バカどもが勝手にやっているんだろう。後で厳しく言っておこう」


あ、あれ?す、すんなり話が終わっちゃった。


「さて、話はそれだけかい?」


「は、はい」


「そうかなれ良かった」


あれ?なんだかこの人雰囲気も前より変わってる気がする。


「そう言えば君たちは観光でここに来てたのだよね?もしかしてそろそろここを出るのかい?」


「あっ、えーっとどうする?」


代表して受け答えしていた沙莉が私達に聞いてきた。


「俺はそろそろ出発しよーかなーって思ってたとこ」


「私も充分技術は盗んだし、もう出てもいいかな?」


「光はちょっと遊び足りないけどそろそろ出ないとね」


「俺も別に問題ないぜ」


「ではそう言うことなのでそろそろ私達は出発させてもらいます」


「そうか。では君達のキャンピングカーのタイヤを軽く直しておこう。武器や食料も返そう。そうだな、今日の夕方までには出来ると思うからそれまでここの観光をして行ってくれたまえ」


「いいんですか?そんなに良くしてもらって」


「ああ元はと言えば我々が君達のキャンピングカーを撃ってしまったからな。ちゃんとした修理は出来ないからここからしばらく行ったところにデカい車屋があるそこでちゃんとした修理をするといい」


「分かりました。ありがとうございます」


「ではとりあえず観光を楽しんでおいで」


「はーい」


私達は厄飼さんの優しさに甘えて今日一日中桜島の観光をしたのだった。




「厄飼さんいいんですか?」


「いいって何が?」


「あんなこと言っちゃって」


「いいのいいの。って言うかあいつら多分ヤベェ奴等だ。だってここまで生き延びて、ここの屋敷の連中を次々に戦闘不能にさせたんだぞ?」


「た、確かに」


「そんな奴らを敵に回したらこっちが潰される」


「そんなことされたら大問題ですね」


「あぁ。でもついてることに奴らはすぐに出て行くと言い出した。ならとりあえず奴らがいる間は大人しくして、奴らが出てったら元に戻せばええだけだ」


「流石ボス!頭が冴えてますね」


「この世界は弱肉強食だからな。この世界でいい思いをしたけりゃ、自分より上のやつは敵に回さず、自分より下のやつを支配するのが一番だ」


「でももしかしたらこの現状を男どもに伝えてるかもしれないですよ」


「伝えられてたとしてももうやめる宣言したんだか大丈夫やろ」


「男どもに反乱されたらたまったもんじゃないですからね」


「そういう訳で奴らがいる今日と念の為明日までは何もするなって全員に伝えとけ」


「了解です」


「この世界で生き残るには賢くやらなきゃな」

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