オリジナル三人将棋
光が脱落した状態で再開したオリジナル将棋。
「んー、横側の焔は攻めにくいし、蒼雷は防御型だから攻めきれるか分かんないし。うーん」
「光に攻め込むので相当駒使っちゃったからなぁ」
全員が攻め込めず状況が硬直していた。
「草乃、これじゃあ決着付かなそうだけど、どうする?」
「うーん、そうだ。一番多く王を獲った人には私特製のカヌレをプレゼントしまーす」
「!」
「ふぅー、これは攻めるしかねぇな」
「なんで光が脱落した後にそのルールが出来るんだよ」
「守るだけの時間はもう終わりだ」
私が前にカヌレを作った時があったんだけどみんなその時目の色変えて食べてたからね。
実際に凄く美味しかったし。
その後は三人とも死に物狂いで攻めに転じた。
「さぁ、焔王手だよ」
沙莉が焔に金を置いて王手をした。
「その程度じゃ詰ませられないね」
「それはどうかな金を進ませて成る」
「金が成る、だと?」
「私のオリジナル駒は金の進化先、黄金だよ。全方位に動けるのに加えて2回行動が可能だよ」
このの四人でやる将棋では横の人を攻める時に真横に動ける飛車と金は非常に重要な駒。
そんな金をオリジナルにするなんてよく考えたなぁ。
でも、
「2回行動は流石にダメじゃね?」
「俺もそう思う」
「えー、焔のやつの方がやってることはヤバいし、なんなら光は沢山ある歩であの性能だよ。私は金でこの性能だから」
「審判判定を」
「うーんセーフ」
「やったぁ」
「チッ」
「あーってわけで焔、詰みだよ」
「え?は?」
「黄金は2回動けるからねどう足掻こうが焔が逃れる方法はないよ」
「う、うぅ、負けました」
これにて順番は光、焔となった。
「後は蒼雷だけだね」
「残念だけど沙莉、俺の勝ちだ」
「え?」
「さぁ成れ、香車」
蒼雷の香車が沙莉の陣地に侵入した。
「オリジナル駒、香車の進化先、猪突猛進。効果は前と後ろに好きなだけ移動でき、邪魔な駒は全て飛び越えられる」
「は、はぁぁ?!インチキだろそんなん」
「草乃審判、光のを認めたんなら俺のも認めざるおえないよな」
「うーん、まぁセーフにするしかないね」
「ってなわけで王手」
「でも横に避ければ」
「もう一枚、王手」
2枚目の香車を成らせた。
「まだ逃げれば」
「王手」
「さ、3枚目」
「この時のためにみんなから香車を奪ってきたんだよ。四人分全部で8枚。残りの退路は残り全てで塞いだ」
「そうか、この猪突猛進が出て来るまでちょっと両端が塞がれてたり、香車がいたけど守りがまぁまぁあったから問題なかったと思い込んでたけど」
「それも作戦の内だったってわけね」
「やるなぁ」
「そんじゃ、王手!」
「っ!負けました」
「やってやったぜ」
「じゃあ過去編の順番は光、焔、沙莉、蒼雷だね」
「なんかいざ、話すとなると恥ずかしいよね」
「うん」
「まぁでももう決まったことだから」
「そんなことよりカヌレはどうなんの?」
「ん?」
「光を倒したのは焔、焔を倒したのは沙莉、沙莉を倒したのは蒼雷。つまり光以外はみんな王を獲った数同率一位だよ」
「確かにそうだねぇ。じゃあ今日この後作って、明日光の話を聞きながら食べよっか」
「えっ、じゃあ光は食べれないの?」
「そういうことになるね」
「そ、そんなぁ〜」
その後カヌレを作りながら私はみんなの過去はどんなのだったのかなぁと楽しみにしていたのだった。
【追記】
過去編はスピンオフとしていつか作ります。
いつか、




