安全地帯最後の作戦
「今何時?」
「56分」
「後四分後か」
「なぁこれ別に早めに始めても良いんじゃね?」
「ダメだよ。光とも朱里さんとも一時からって決めてるんだから」
瀬戸大橋に着いた焔と蒼雷と沙莉は作戦開始の一時までバリケードの上でのんびりと待機していた。
「でも光のやつ、一人じゃ暇だからって勝手に始めてそうじゃね?」
「有り得なくはない」
「おっ、後一分じゃん」
「さて、やりますか。【ストレージ】ジャジャーン久しぶりの登場勇者の剣」
「そう言えばそれ初めの時しか使ってなかったな」
「ってきり、強くないんだと思ってた」
「別にそんなことはないさ。ただ迫力が足りないだけ」
「あーなるほどね。どれだけ道を綺麗に出来るかの勝負で派手なのは不利だからか」
「そそ、そう言うこと」
「じゃあ私も武装展開!」
沙莉の周りにスナイパー多めの武装が展開されていった。
「おっ、発電所のゾンビやった時のやつ」
「今日は被害出せないからねスナイパーで確実にヘッドショットでワンパンしていくよ」
「じゃあ俺は今日は落ちてる瓦礫とゾンビ振り回して攻撃しようかな」
「それじゃあ私達が倒せば倒すほど蒼雷が有利になるってこと?」
「そう言うこと」
「うっわぁ、ハイエナしやがって」
「まぁ別に良いじゃないか。あっ、もう一時になったぞ」
「オッケー、じゃあ一番乗りは私が貰うよ」
沙莉の武装の10本のスナイパーが同時に発射されゾンビの頭を綺麗に撃ち抜いた。
「あっ、ずるいぞ。俺も【フェニックスの加護】」
焔は背中きら燃え盛る羽根を出して不死鳥のように飛び回りながら勇者の剣でゾンビを斬り殺していった。
「さてさて、俺も」
蒼雷は道端に落ちている瓦礫や死骸などの障害物を空中に上げグルグルと回転させていった。
「ちょ、蒼雷。そんなことしたら風が舞って軌道がズレちゃうでしょ」
「悪りぃ悪りぃ。なら沙莉は奥の方狙ってくれ。焔は左側やりに行ったし、俺は右側やるから」
「分かったよ」
蒼雷の起こしたゴミの竜巻はどんどん大きくなっていっていつの間にか周囲の動いているゾンビも吸収していった。
「これなら中で勝手に他の物とぶつかって死んでくだろ」
「【トルネードファイアー】」
「おーおー、あっちもあっちでなんか火柱立ててんな」
焔も蒼雷に負けじと炎の竜巻を起こし周囲の物やゾンビを巻き込みながら燃やしていった。
「あーあ私も竜巻とか起こせたらなぁ。あっ、そうだ」
沙莉も何か良くないことを思いついた。
「武装変更!超高速操縦型ミサイル」
沙莉の武装が一変し、2本のミサイルが現れた。
「これを発射!そしてー高速旋回」
沙莉から放たれた2本のミサイルは少し飛んだ後、お互いを追うようにグルグルと旋回し始めた。
「もう少し追加」
何本もミサイルを束ねて旋回させているうちに少しずつ竜巻が出来てきた。
「おっ、沙莉までも竜巻やり始めたか」
「周りのゴミを収集して掃除するならやっぱこれが一番」
こうして三つの竜巻は色々な所をグルグル回りながら各所のゾンビや障害物物を吸収し、三十分ほど暴れ続けた。
一方その頃草乃は、、、
『この地域周辺にお住まい、又は避難している方々は移動を開始してください』
放送が流れて付近の人々は車を出し、移動し始めた。
「私はどうしよっかなぁ。この集団に紛れてるとみんなが見つけにくいだろうし」
そんな感じでどうしようか悩んでいると
「ん?あれは竜巻?あーなるほど蒼雷のやつかな」
瀬戸大橋から大きな竜巻が上がっていたのだ。
「派手だなぁ。ん?今度は赤い竜巻?焔か」
赤い竜巻が登った後にまた新たな竜巻が上がった。
「今度は誰?蒼雷の2本目?それとももしかして沙莉?」
さらに今度は反対側から別の竜巻が発生した。
「あれは光だね。絶対にみんなが竜巻してるからって走り回って竜巻起こしてんだろうなぁ」
自分もみんなみたいに目立つようにこの集団とは一緒に行かず車が大体いなくなったら出発しようと思った草乃なのであった。
「暇だし掃除でもしてよっと」




