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政府の発表放送

私達はおにぎりを何とか食べ終え、午後も公園で少し遊び、夕方になってきた頃、キャンピングカーへと戻った。


「いやー、外で遊んだのなんかいつぶりだろう」


「小学校の頃は良く遊んでたけどね」


「年齢が上がるにつれ公園とかじゃあ遊ばなくなったもんな」


「あっ、そう言えばそろそろ政府の発表始まるんじゃない?」


そう言って光がテレビをつけると右上テロップに『18時より政府からの発表』となっていた。


「なぁ今何時だ?」


「えーっとね、5時半」


「あっぶな、ギリギリだったな」


「間に合って良かったよ」


「まだ時間ありそうだし、俺はシャワー浴びてこよっと」


「私は夕飯の準備っと」


「時間ないし私も手伝うよ」


「光は今日使ったやつの後片付けっと」


「俺もやるわ」


そんなこんなみんなそれぞれやることをやっていたら政府の発表の時間となった。


「おーいそろそろ始まるぞー」


「ちょっと、この皿テーブルに持ってってくれない?」


「分かった」


政府の発表に合わせて私達は夕飯を食べ始めた。


『これより政府の会見を行います』


「おっ、始まる始まる」


『えー国民の皆さん、これから言う内容を落ち着いて聞いてください。


現在この安全地帯の周りには多くのゾンビがおります。


ですが我々にも良く分かってはいませんが謎の力によって、ゾンビが侵入しているのを防いでいます。


この謎の力は二日後には無くなってしまう見込みです。


よって安全地帯を全員で出ると言うことに致しました』


「へぇーここを捨てるのか」


「まぁそれが一番合理的だよね」


『現状ゾンビは一時的に行動不能にすることは出来ますが、直ぐに修復し増してはより強固に素早くなると言う性質を持っています。


なので対抗手段がない我々が一箇所にとどまることは危険なのです。


そこで我々はここを捨て日本中に逃げ回ろうとすることに致しました。


まともな対抗手段が見つかるまで』


「ほんとに対抗手段なんて見つかるのかなぁ」


「まぁ私達は前の生活に戻るだけだし、風呂に入れないこと以外何ら問題ないよね」


『このようなゾンビの性質をもっと早くから理解していればゾンビを幽閉すると言う手段も取れたでしょうが、最早そのようなことは不可能な状況になってしまいました。


二日後に謎の力を持って周辺のゾンビを殲滅。


ゾンビが修復する間に全員一斉にここを抜けます。


どこに行くかは皆さんにお任せします』


「随分投げやりだな」


「って言うか俺らゾンビ殲滅係なん?」


「聞いてないよな」


「絶対それ、私達がピクニック行ってたからでしょ」


「つまり光達が悪いと」


「だから拒否権は無いみたいだな」


「んーまぁ大したことじゃ無いし別に良いんじゃない?」


「だな」


「じゃあ今回運転は私がやることになりそうだね」


「でもこれ俺らとか避難所の人達とか自衛隊は問題ないから良いだろうけど、他の人達生き残れるのかな?」


『明日、この安全地帯に残っている銃や食糧、日用品などを全て配布します。


なので他の荷物は今日中に車などに詰めておくことをお勧めします』


「銃貰えるなら大丈夫そうだね」


「どうする?私達も食糧貰いに行く?」


「うーん、まだストレージの中に結構残ってるから大丈夫だろ」


「じゃあその代わり明日ゲームでも買いに行こうよ」


「おっ、良いなそれ」


『これにて政府からの発表を終わります。


配布の詳細は追って通達します。


不甲斐ない政府で誠に申し訳ございませんでした。


そしてついてきてくれて誠にありがとうございました』


「政府って元々こんな良い人達だったっけ?」


「もっと腐ってると思ってたけど、完全に腐ってなくて良かったわ」


そんな感じで夕飯と放送が終わった頃、キャンピングカーの扉から声がしたのだった。

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