暇な日
初めてのバリケード増強作戦から二週間が経ちました。
この二週間は三日に一回くらいのペースでバリケード増強作戦のバイトをし、残りはキャンピングカーか避難所学校の人達のところでのんびりしてました。
そしてついに昨日最後のバリケード増強作戦が終わり私たちは再び無職になりました。
「さて、今日からは何をしようかなぁ」
私はランニング終わりの朝風呂にてそんなことを考えていた。
「んー久しぶりに安全地帯の外にでも行く?」
「それは、、、やめた方がいいよ」
「今草乃、一瞬それいいなって思ったでしょ」
沙莉は私の心を読んできた。
「うう、何も言い返せない」
「仕方ないよ、外に行きたいって思うのは。だって外の方が刺激的だったしね」
「すうなんだよ。外にいた時は非日常だったけど、今は学校のないただの日常だよ」
「その学校がないのは相当デカいけどね」
因みに現在学校はほとんどやっておらず、家を失った人の避難所や子供預かり施設となっている。
「はぁ、なんか面白いことないかなぁ」
私たちがキャンピングカーに戻ると蒼雷がテレビを見ていた。
「あれ?焔と光はまだ寝てるの?」
「いいや、新しい企画思いついたからそのための買い出し行ってくるってさっき飛び出して行ったよ」
「次の企画は嫌な予感がするね」
そんなことを思っていると
『次のニュースです。現在食糧の備蓄が少なくなってきており、多くの食材の値上げが進んでいます』
「みんな大変なんだね。そろそろ配給も無くなっちゃうんじゃないかなぁ」
因みにテレビはここ最近、ニュースや番組の再放送などをして、常に放送されるようになっていた。
「何気にそろそろ焔の持ってる食糧も心許なくなってきたんじゃないの?」
「どうだろ?焔が言うには異世界時代の食べ物とかも入ってるらしいから」
「まぁ余ってるならいいか」
このままだとゾンビじゃなくて食糧不足で全滅する可能性があるんだ。
「んまぁでもそこら辺は政府が何とかしてくれるだろ」
「それもそうだね。私たちが心配してもどうしようもないだろうし」
ん?
「地震か?」
「地震だね」
「まぁまぁデカいね」
「震度4くらいか」
『地震速報です。和歌山県付近を震源とした地震が起きました。震源地の震度は6弱、ここ安全地帯での震度は4、もしくは3だそうです』
「予想通りだね」
「にしても地震なんて久しぶりだな」
「そういやぁ最近きてなかったね」
「なんかみんな何とも思ってないけど地味に震度6弱もあったのか」
「香川で起きなくて良かったね」
「そしたらせっかく増強したバリケードが意味をなさなくなっちゃうからね」
「でも今私たちが心配したところで何も変わらないよ」
「それもそうだな」
「よーし、そろそろお昼の準備しよっかな」
「たまには私も手伝うよ」
「ほんとう?じゃあ一緒に作ろっか」
「おーいみんなただいまー」
私たちが料理を始めようとしたタイミングで二人が帰ってきた。
「お前らはいったい何を買ってきたんだ」
「それは内緒。後で教えてあげるから」
「ちょっと焔、ストレージから出して欲しいものがあるんだけど」
「ちょい待てよ」
そんなこんなでしばらくは暇で平穏な日々が続きそうです。
『天気予報です。本日昼間は晴れのち曇り。深夜から明日にかけては大雨が降る見込みです』




